286 冒険者Aさんと報告会 ①
あらすじ:リマさんが居ない間、職場は結構大変な事になっていたらしいです。
視点:今回は別件があったので様子見 サブギルドマスター マリ・ムトウさん
『』:アルファさん
「う~~ん、これは確かに・・・。
私が応援に呼ばれる訳よね~」
『せやろ?』
「むしろ、今までよくやってこれましたわね!?
・・・って、端から見てて思うレベルですからねー」
私はここ数日、チヨちゃんや町長さん達と
区分けや人員の手配とかの打ち合わせもあったし
ちょっと、リッちゃんが不在の場合も見ておきたかったから
あまりギルド会館の方は手伝ってなかったのだけど
笑っちゃうぐらいの凄惨な有様だったわね~。
あははは~~~~。
「いや、あの~。
笑ってる場合ではないのでは・・・?」
「そうなのよね~、ミケちゃん。
本当、困ったわよね~~~」
『まー、そこは人数増やして
管理もできる中堅育てるしかないんちゃうか~~?
どんな策考えても応急処置にしかならへんやろし
結局はそこに行き着くと思うで?
今やったら、新人のインちゃんとかオススメやな!
あの子は色んな意味で伸びるで?』
「あらあら~~。
アルファさんがそこまで推すのも珍しいわね。
やっぱりアルファさんも、何だかんだ言っても
若い娘がお好きなのね~? うふふふふ・・・」
「な~にを仰ってるんですか~!? マリさん!
ご主人様は老いも若きも選り取り見取り!!
そう! ご主人様の愛は海よりも深く!
老若男女は問わず!! なんですわよ!?
そりゃもう! ミケの様ないたいけな幼女だって
ご主人様は大好きなんですから!!!」
『(ぷ~っ)い・た・い・け~~!!?
わはははは!! 冗談も大概にせ~よ~、ミケ~~。
それをゆーんやったら、イタいケモノやろ~~!?』
「(がびーん)なっ!? い、イタいケモノっ!?
ひどい!! ひどいですわ! ご主人様っ!!!」
(ギャーギャー!! ゲラゲラゲラ!!)
「あらあら~~~。
・・・・・・ほらほら2人供~?
仲が良いのは分かりましたから
報告だけ軽く済ませちゃってくださいね~?
ま~、最初にからかった私が言うのも何ですけど」
『せやなー』
「そうですわねー」
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽
▽
『まー、詳細は明日の会合で話すけど
とりあえず問題なんはそこんとこやな~』
「なるほど~」
新しく作る拠点候補としては問題なし。
むしろ、作物とかは予想以上に期待できて
地上のモンスターの危険度も低め。
問題なのは・・・。
「う~ん、大きなアリさんですか~。
面倒なのよね~、あの手の虫系のモンスターって。
数は多いし、分散して活動してるし・・・」
「でも、モンスター自体も面倒ですけど
どっちかと言うと巣の方が問題じゃないですか?
地下に大きく広がってたりしたら
いきなり陥没したり、地盤が崩落する危険もありますし」
『せやねんなー。
ま、結局は近い内にもっぺん行って
巣穴の中の調査せん事には何とも言えんなー』
「う~~~ん、そうなのよね~」
ただ、巣穴の中の調査って結構危険なのよね。
調査未経験の冒険者の人達からは
洞窟の探索と似た様なもの・・・と思われがちだけど
巣穴の中は、洞窟と違ってすごく狭いのよ。
だって、自然にできた洞窟に住み着いてる訳じゃなく
自分達で通路や部屋を掘って、巣を拡張してるんだもの。
当然、通路なんて最低限の大きさにしか掘らないわよね。
おまけに通路の底は土で、踏み固まってないから不安定。
側面や天井だって、脆くてすぐ崩壊するだけじゃなく
いきなり、掘り進んだモンスターが出てくる事も有るのよね。
狭い通路だから武器を振る攻撃もし辛いし、回避だって難しい。
しかも、あまり暴れられると通路が崩壊するかもしれない。
だから一番良い戦法って、正面からのゴリ押し。
高火力の攻撃で、一点集中による短期決戦が一番。
ふふ・・・私の苦手な戦法よね~。
「(ぶふーっ!)ふふっ、な~にをおっしゃいますか!?
高火力! 一点突破! 瞬殺! は、お得意でしょ~?
面白いご冗談ですわよね~! むほほほほ!!」
「あらあら~~?
むしろ、ミケちゃんの方が得意じゃないかしら~?
突進! 力押し! 突破! が、お好きでしょ~?
もう、ミケちゃんたら冗談が好きねえ~、おほほほほ!!」
「「・・・・・・」」
(シーーーーーーン)
「「おほほほほほ~~~!!」」
(ぱんぱん! ぱんぱん!)
「あら?」
「おや?」
『ほれほれ2人共、じゃれるんは結構やけど
一応報告も終わった事やし、とっとと帰るでー?
俺もさすがに眠いから、はよ帰って寝たいんや。
これでも、夜番で二日徹夜しとるんやからなー。
・・・な? わかるやろ?(ゆらぁ~~)』
「「あ、はい・・・ごめんなさい」」




