表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
282/401

282 冒険者Aさんとアリでした

あらすじ:マリさん達のヤバめな過去話で盛り上がりました。

     なお、昔話をしてる最中も探知は続けてます。


視点:寝起きで若干ボーっとしてる モッブコットンさん

『』:アルファさん


「でけー・・・アレ、何!?」


「ふぁーー、黒くて大きい! うおっ」


「こいつ・・・あ、アリ!?」



 うはぁーーー!?


 これはでかい、と言うか、何か怖い!!


 夜中に動きが有って、トリモチで捕獲したって聞いて


 早朝、ご飯前からみんなで見に来たけど・・・。


 さすがに、一気に目が覚めたよ!!


 これって【巨大アリジャイアント・アント】ってやつだよね?


 種類は一杯いるらしいから、どれかはわからないけど


 とにかく、頭の大きさが40cmはある、でっかいアリ!!



「(ひききっ)ううっ・・・大きい昆虫のモンスターって

 どうも苦手だわ・・・生理的に・・・」


「まー、動物系と違って何考えてるかわからないですからね~。

 おまけに異様に速くて動きがキモ・・・読みにくいですし」


「以前、一度だけでっかいムカデと遭遇した事ありましたけど

 その時は、見た瞬間にライスと一緒に逃げだしましたよ~~。

 もう、アレは見た目からヤバイですよね・・・」



 森の中を移動中に、いきなり上から降ってきたのよね


 大きいから、最初ヘビか何かかと思ったら


 シューシュー音立てながら、無数の足をワサワサ動かして


 威嚇してくるんだもの・・・。


 思わず大声上げて、持ってた松明投げつけて逃げたのよね。


 あの時は昼間だったけど、ちょっと暗いからって


 火をつけてて正解だったわーーー。


 後で調べてみたら、【巨大ムカデ】ってモンスターで


 {Dランク推奨}になってたし、解説にも


 落ち着いて対処すれば、そこまで強くは無いって書いてたけど


 もう、とにかく見た目がダメ。


 今度遭遇したとして、冷静に対処なんてできる自信無いよ。



「モブコは昔っから特に虫が苦手だったしね。

 アタシはそれほど苦手でもないんだけど・・・。

 それでも、見てて気持ち良い物じゃないし

 あまり相手したくないのは確かだよね」


「・・・これは、個体としては少し小さ目ですよね?

 大きい物は頭だけで1mを越えると聞きますし」


「「1mっ!?」」


「へえ・・・そんな大きいのも居るんだ・・・」


「ま、まあ山岳だと、大きい昆虫モンスターはよくいるんだな。

 基本的に習性は昆虫と同じだから、縄張りに入らないで

 刺激しなかったら、滅多に襲い掛かってはこないんだども」


「そうですね、モンスターかどうかは分かりませんけど

 【リューグー】にも大きな蝶とか虫は、結構居ますよ?

 特に幼虫は、大きくて食べ応えあるし、栄養もたっぷりだから

 主食にしてる方も居ましたし、うおっ」


「「しゅ・・・しゅしょく・・・(ぷるぷる)」」


「・・・もー、これから戻ったら朝食なんですから

 そういう話題はヤメヤメ!!

 ・・・ところで、ご主人様、何か気になる点でも?」


『・・・ん? いや、まー。

 【広範囲サーチ】でひっかからんと、いきなり出現したんは

 そこに大穴空いとるし、地下から来たせいってのは分かった。

 【レンジャー】の探知スキルやと地下は探知外やし

 そらまーしゃーないんやけど・・・』


「はい、では何か他にも?」


『いや、単にどこら辺まで巣が続いとるんやろってな?

 この辺って、【マナ】が溜まりやすい土地の割には

 他のモンスターが少ないから、不思議には思ってたんやけど

 こいつらが原因やったとしたら

 結構、広範囲に巣が広がっとるって事やな。

 まー、その場合やとちょい面倒臭いな~』



 ああ、そっか。


 単なる野営するだけならともかく。


 ここって、拠点? の候補地になってるんだっけ。


 さすがに真下までモンスターの巣が来てたら


 いつ襲われるかも分からないし


 建物を建てたら重みで崩落するかもしれないんだ。


 ・・・そ、それにしても、もう死んでる・・・よね?


 一緒にトリモチに絡まってるウルフも死んでるっぽいし。



「危ないですわよ! モブ子ちゃん!

 むやみに近付かない!!」


「(びくっ)はわっ!?」


『気をつけなアカンで~? モブ子ちゃん。

 モンスターやなくても、昆虫ってのは

 死んだ振りとか普通にするし、めっさしぶといんや。

 それこそ動物と違って、首落とされても

 まだまだ平気で動きよるしな~』


「ひえっ!?」


「モブコ~~~。

 アタシが言うのも何だけど、本当注意してよ?

 大怪我してからじゃ遅いんだからさ・・・」


「う、うん・・・はい、ごめんなさい(しょぼーん)」


「と、ところで、アルファさん。

 このアリとウルフはどうしますか?

 一応、調査期間中の討伐ですので

 戻った後になりますが、ギルドから討伐報酬は出ますし

 回収するのでしたら、素材分も出せますが?」


『あーーーーー、せやなー・・・・・・うん。

 ちょい、このままにしとくわ、リッちゃん』


「そうなんですか?

 えっと、理由をお聞きしても?」


『えーっとやな。

 どっちにしろ、近い内に再調査は必要やろ。

 今度はちゃんと武装してきてやけどな』


「まあ、そうですね。

 受けて頂けるなら、恐らく再指名になると思いますけど」


『まー、ここはブラボーとか町長にも頼まれとる所やから

 受けるんは別にええんやけどな。

 その時の為にも置いといた方がええんやわ』


「「「「「???」」」」」


「それはですね、匂いですわ」


「「「「「匂い???」」」」」


『昆虫ってのはやなー。

 匂い・・・ま、厳密には有ってるかは知らんけど。

 とにかく、匂いで情報交換しとる訳や。

 鼻は無いから・・・多分、触角で感知しとるんやろけど

 それで、餌とか美味しい蜜の場所を探し当てたり

 仲間や敵の判別をつけたり、色んな情報を詰めた匂いで

 お互いに情報のやり取りしとる・・・らしいわ。

 昆虫の【妖怪】の人も、そーゆーとったし』


「え? ああ、はいはい。

 よく分かりませんけど、ご本人? から聞いたんですね」


「まー、アレですわよ、人間が識別できないだけで

 例えば動物でも・・・犬が{ワン}と一声の発声だけで

 色んな情報を伝達できるのと同じよーなものですね」


「あー、なるほど!

 それで虫って、あんなに花の蜜とか樹液とかを

 正確に探せるんですね!」


「ふむふむ、そっか・・・アリの行列とかでも

 何であんなに正確に道を辿れるのかって

 昔っから不思議だったんですけど

 アレって、匂い辿ってるんですね? 先生」


『多分、そーゆー事・・・なんやろな~。

 俺も聞いただけで、体感した訳や無いからな~。

 ま、そんな感じで、死ぬ時も匂い出す訳やな。

 {ここは危険!}とかそんな感じちゃうか?』


「・・・えっと、つまり、放置しておけば

 危険の匂いで、少しは警戒してくれるかも?

 という事でしょうか? アルファさん」


『そうゆー事やね! さすがは俺のリッちゃん!』


「はいはい、では戻りましょうか」


『うっ・・・(´;ω;`)』



 ・・・・・・ん?


 リマさん、今、軽く流してたけど


 いつもみたいな否定はしてなかったような?


 あれ? あれあれ? 気のせい???



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




(ガチャガチャ、ガサガサ)


「アルファさん、アルファさん。

 調査自体は今日で引き上げるんですよね?」


『せやなー。

 あっ、再調査の時に使うから

 テントとかはそのままでええで~』


「えっ? このまま?

 さ、さすがに傷むんじゃないだか?」



 ロバートさんもそう思うよね?


 私もそう思ったんだけど・・・。


 でも、あえてそうするって事なのかも?


 ・・・・・・あっ!!



「・・・アルファさん、ひょっとして

 これもさっきの匂いと関係してます?

 人が居るって警戒させるとか」


「「っ!!!?」」


『わははは! おっ! よく分かったやんか。

 やるな~! モブ子ちゃん(ぽふぽふ、なでなで)

 せやな~、警戒させる為の手段は

 何重にもあった方がええからな~』


「ああ、なるほど、そういう事なんだな」


「わあっ! モブコサンすごいでヤンス!」


「(もじもじ)えへへへ~~~。

 ・・・で、何でそこの2人はそんな驚いた顔したの?」


「えー? アタシそんな顔してた?(ふいっ)」


「ミケも覚えがありませんわねー(ふいっ)」


「あれ? 私ってひょっとしてそんな扱い?」


(パンパンパン)


『ほれほれ、遊んどらんで~。

 ちゃっちゃと帰る準備しよか~。

 テントはそのままでもええけど、他の毛布やら何やらは

 (ぽこぽこ)この保管用のケースに入れて

 テントの中に放り込んどいてくれるか~?

 もちろん食料品だけは残したらアカンからな~!』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ