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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
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28 冒険者Aさんと町の市場巡り

あらすじ:修羅勢・・・コワイ!!


視点:Dランク冒険者 シーフ 買い物中のヤンキさん

『』:アルファさん


ふうっ・・・こんなもんか? これで一通り揃ったろ。


【ビアー】だと入手が楽だからって、今まであそこばっかだったけど


町長のジジイの雑貨屋とか市場利用するようになったら


やっぱ、あっちは割高なのが良くわかるな。


まあ、いっつも同じ品質・同じ値段ってのはそれはそれで便利だし


状況で使い分けりゃいいよな。


この間、おっさんに着いて行ってから、リーダー達と話してみて


{戦闘スタイル}も{冒険スタイル}も変えてみたけど


{【シーフ】はパーティの目であり耳であり}とはよく言ったもんだわ。


今更気付かされたけど【シーフ】って、ヤベーほど奥深いな。


はっきり言って、必要な技術も情報も多すぎ・・・。


こんなもん、攻撃スキルにポイント使ってる場合じゃねえわ、確かに。


それに、アタッカー役はあいつらに任せときゃいいしな。


俺は俺の役割をすりゃいい訳だ。



「おっ! そこの冒険者のにーさん!

 今朝収穫したばかりの新鮮な野菜いらない?

 今日のオススメは、このキュウリ!

 冷水でよく冷やしてあるから

 これなら歩きながら生でポリポリ食べれるよ!

 瑞々しくて今日みたいな暑い日にはぴったりだよ!」



おっ、リースちゃんか、ここの野菜は確かに美味いんだよなー、結構安いしな。


それにしても、リースちゃんって妙に可愛いよな。


顔は美人って程ではないけど、明るくて愛嬌あるせいだろな、きっと。


実は、俺ら冒険者の野郎共の間でも


【冒険者ギルド】受付のデルタちゃんや、インディアちゃんとか


【ビアー】の店員のクーちゃんや、イクスちゃんと並んで人気があるんだよなー。


でも、実際の所、リースちゃんのシスコン兄貴二人が面倒臭すぎて


誰も口説きに行かない、もしくは行っても排除されるという有様なんだよな。


色んな意味でもったいねえーー。


ま、今日は良いもんが安く手に入ったし、キュウリ買ってくぐらい問題ないだろ。



「うまそーだな、んじゃ6本くれよ。いくらだ?」


「買ってくれるのかい? えーっと、小銅貨2枚だよ。」


「(チャリン)ほいよ、丁度だ。」


「毎度ありーーー・・・・・・ほわっ!?」


(ザワザワザワ・・・ドヨッ!)


「ん? どうかした・・・か・・さ、魚!?」



何だありゃ!!!?


市場の入り口ら辺で、人混みの頭一つ分上に、でけえ魚の頭・・・?


モンスターが入り込んできたわけじゃないだろうし、誰かが狩ってきた獲物か? 


・・・ん? あれって・・・・隣に居るの、この間のおっさんじゃねえか!?


んーーーーーーー、よく見ると、頭は魚だけど体は人間っぽいな。


ってことは、【サハギン】じゃねえ、魚人とか亜人の類だろうな、きっと。


とりあえず、目の前のリースちゃん落ち着かせりゃ、点数稼ぎになるか?



「あー、リースちゃん、アレ多分ああいう種族の亜人だわ、多分害は無え。」


「え!? そ、そうなのかい?」

 

「・・・・・・にしても、俺達冒険者だったら、まだ、あの手の見た目には耐性あるけど


 耐性なんか無え、一般人ばっかりの市場に連れてくるとか、あのおっさんも何かん・・」


「あーーー!! 隣に居るのアルファさんじゃない!!?

 なーんだ、びっくりしたわー。

 じゃあ、大丈夫ね!」


(ドヨッ、ザワザワ、ガヤガヤガヤガヤ)


「えっ? おー、本当だ、アルファさんとミケちゃんじゃねえべか。

 なんだぁ、びっくりしただなあ。」


「おお、本当じゃ。

 じゃあ、あの魚の人? は知り合いか何かじゃろうかのう。

 世の中には面白い姿のもんもおるんじゃな。」



えーーー!? 何!? あのおっさんに対する市場の人達の信頼度。


っていうかリースちゃん、結構顔見知りだと思ってた俺は{冒険者のにーさん}で


あのおっさんは名前で覚えてんの!? しかも、何か・・・まさかだよな?



「あ、そうだ!! 良い野菜が入ったって教えてこなきゃ!!(あせあせ)

 そ、それよりも! この間のお礼を!!(あたふた)」



あっ、これ、そのまさかだわ。



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




(ガヤガヤガヤガヤ)


「ほーーー、この子【リューグー】から来たのかい!?

 【リューグー】に住んでる人ってこんな姿なんかね?

 何? 違う? 色んな種類がいる?

 なるほどねえ。」

 

「坊主! 魚?だったら、海老とか好きか?

 おお、そうかそうか!!

 これな! 早朝に取ってきたやつだけどよう!

 小さくて売り物にならんからやるよ!

 そのまま食っても・・・何? アルファさんが料理するってか

 そりゃいいな、俺もご相伴に・・・いや冗談冗談。

 バケツは今度返してくれりゃあ、いいからよ。

 ほう、冷凍保存できる袋があんのかい! こりゃ便利だな。」


(ワイワイ、ワッハッハッハ)


「キミ、キミ! バナナ食うかい?

 えっ!? バナナを知らない?

 そりゃあいけないなあ、人生の半分は損してるよ、キミ!

 コレだよコレ! 少し南の小島で育ててる特産品なんだけどね。

 いいから、とりあえず食べてみなよ、ほら!!」


「あ、アルファさん! この間はどう、ちょっと押さないでよ!

 お礼を・・・ああ、もう! 後で農園の方へ来て下さ、きゃっ!?

 誰よお尻触ったの!!」


「アルファくんや、この間のキノコとか山菜とかまた採ってきてくれんかのう?

 おお、OK? じゃあ、ギルドにまた依頼だしとくからのう。」


「はあはあ、ミケちゃん可愛いよミケちゃん

 ケモミミふさふ・・(グシャアッ!!)ぶげらっ!!!??(バタン、ブクブクブク)」


「おっ、服はアルファさんのおさがりなんだな。

 よかったら、今度店の方に来てくれよ、色々とあ・・・ん?

 ああ、後で来てくれるつもりだったのか、サイズも揃ってるからよ。

 夕方頃な、おお、待ってるよ。」


「おいおい、こいつかミケの嬢ちゃんにちょっかいかけた馬鹿は。

 ようし、お前ら、しょっ引け。」


(ガヤガヤガヤガヤガヤ)



何かすげえ事になってんな。


アルファのおっさんって、市場の人らとこんな仲良かったのか。


【冒険者ギルド】の中とこことじゃ、えらく評価が違うんだな。


まあ、冒険者って基本的に朝遅いし


早起きしたとしても、ほぼクエスト絡みだからなー。


そうでもなくても、普段からあまり市場には近づかねえから


こんな光景、皆知らねえんだろうなー。


まあ、俺も今まで知らなかったわけだし。


っていうか、あの魚の亜人も割りと普通に受け入れられてるっぽいが


それも、あのおっさん効果ってやつなのかねえ?


ま、いいや、俺は買い物も終わったしとっとと帰るか。


冷たく冷えたキューリもあるしな。


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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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