277 冒険者Aさんと食べ盛りの子達とキャンプ飯
あらすじ:ワンさんに彼女はできませんでしたが
友達になれそうな料理人の知り合いができたようです。
視点:自分の祠ができるので実は張り切ってた ミケニャンさん
『』:アルファさん
(ジュワーーー、パチパチッ)
「(はぐはぐはぐ)・・・っ!!」
「(もぐもぐもぐ)ひゅまーーー!!」
「(あむあむ、びくっ)んぎゅうっ!?」
「(ばくばくばく)ひゃんすひゃんす!」
「(んぐんぐんぐ)おいしい! うおっ!」
「(にこにこ)さっ、こちらも焼けましたよ」
「(ばっ!)おひゃわり! くだひゃい!」
「(にこにこ)あらあら、サクちゃん。
お水ね? うん、慌てないで大丈夫だから。
・・・そう、ゆっくり飲むのよ?」
「(こくこく)~~~~!」
これは・・・何ともまあ。
年少組の子達の、実に見事な食べっぷりですこと。
素材の良さや、照り焼きの美味しさより何より
それ以前にお腹がペコちゃん状態なんでしょうね。
・・・ま、それも仕方ありませんかー。
今日の作業は、通常のクエスト中と違って
ある程度、安全が確保された状態での作業でしたし。
開放感のある屋外で体動かして、お風呂でさっぱりして
目の前には熱々の美味しそうなご馳走の山。
そりゃあ、食べ盛りの子達にはたまらないでしょう~。
無言で食べ続けちゃいますよね。
まあ? ミケは大人ですし?
そんながっつきませんけど?
「(すりすり)はふ~~~~ん~~~」
『(ごくごく)ぷは~~~! う~~ん、うまっ!
あー、やっぱり風呂上りのこの1杯はたまらんわ~!
ユキも焼いてばっかりやのーて、ちゃんと食うんやで?
他の料理の下処理は全部終わっとるから
後は網の上に乗っけるだけで焼けるしな~』
「あはは・・・いえ、私もちょくちょく頂いてますけど
今は焼く方に専念しますよ。
ある程度落ち着いてから、ゆっくり頂きますので」
『そっか? すまんな~。
おっ、モブ子ちゃん・・・サンちゃんもや!
肉ばっかりがっついとらんで野菜もちゃ~んと食うんやで?
ほれ、こうやって(ガサガサガサ)パンにレタス挟んで
間にこの照り焼き挟んで食ってみ? 美味いんやで~~?』
「「(じゅるり)やりますっ!!」」
「あ、それ良いですねー、アタシもやってみよう・・・」
(ジューーーー、モクモク)
「おっ、魚の方も良い感じなんだな。
テリヤキって、お肉だけじゃなくて魚でもいいんだか」
「(すりすり)はにゅ~、そうですわよ~~。
特に白身の魚に良く合いますわね~」
「へえ・・・そうか、魚でも良いんですね。
教えて頂いたタレの材料も
醤油とお砂糖とお酒なら普通に揃えれますし
帰ったら、寮でも色々やってみようかしら・・・?」
『おっ、ええんちゃうかな~? リッちゃん。
下処理のコツはなー、{湯通し}か{湯引き}やで~』
「え? {湯通し}に{湯引き}?」
「リマさん、{湯通し}は沸騰したお湯で数秒軽く煮る事で。
{湯引き}は一瞬お湯にくぐらせたり、上から熱湯をかけて
食材の余分な脂や臭味を取り除く処理ですね」
「ああ、なるほど・・・詳しいですわね、ノブユキさん」
『わははは、ま、料理だけやなくて
薬の調合とかでも使う技術やし、ユキは知ってるやろな。
ちなみに、お肉の場合は抜けにくいから{湯通し}で
魚の場合は崩れやすいから{湯引き}がオススメやな。
特に照り焼きの場合は甘いタレやから
素材の余分な脂とか臭味は邪魔になるんやわ~』
「そうなんですね・・・あっ! サクちゃん。
こっちのお芋も良い感じだからお皿に入れるわね?」
「(にこにこ)わあっ! ありがとうございます!」
「(すりすり)う~~ん、相変わらずのダメガネさんっぷり。
(ごくごく、くんかくんか)はひゅ~~~~~~!!!」
『ところで、ミケはさっきから何しとるんや?
ずっと俺の太ももの上でゴロゴロしとるだけで
あんまり食ってないんちゃうか?
酒は飲んどるけどなー』
「(すりすり)あ~~、気にしないでくださいませ~。
(ごろごろ)ミケは今こうしてたい気分なんですわ~~~」
まー、いつもでしたら
ミケもバクバク食べる側なんですけどねー。
今はちょっとねー・・・。
ご主人様のぬくもりと香りを肴に、お酒飲みたい気分。
何でしょうかね? コレ。
あんまり食べてないはずなのに、食欲の方は満足気に?
う~~~ん????
『ほーん? まあええけどな。
おっ、じゃあコレ食うか?
丁度、【ユリ根の聖鉄紙焼き】ができたとこや。
(ガサガサ)おっふ!! は~~~~~!
やっぱ、ニンニク&バター&醤油の組み合わせは
破壊力ヤバイな! こりゃ美味そうやわ!』
「(ばっ!)はいはい!! 私も食べたいです!!」
「(ばっ!)あっ! アタシもそれは気になってて!」
「(ずいっ!)あ、あの! アッシも! アッシにも!」
「わあ~、良いにおいですね! ボクも欲しいです、うおっ」
「(もじもじ)ふわぁ・・・あ、あの、と、ととさま」
「あっ、あの立派なユリ根ですか、私も頂けますか?」
『お、おう・・・大人気やなユリ根。
ちょい待っててや~、皿に移すからな~?
人数分、足りるか? 追加作らんとアカンか~』
「(にこっ)はは、お師様。
私がもう2つみ3つ作っておきますよ」
『お? そっか? すまんなユキ。
じゃあみんな、今回の分は味見だけにしとくんやで~。
次のができたらがっつり食ってええからな~』
「「「「「「は~い!」」」」」」
「(はぐはぐ)うんうん、魚の照り焼きが
おむすびにも合ってて、とっても美味しいんだな」
『わははは、ロバやんはホンマ、おむすび好っきやな~』
「あ、あはは、やっぱりおではおむすびが一番好きなんだな」




