274 冒険者Aさんと緊急指令
あらすじ:世界中で色々な根物を食べてるくせに
ゴボウだけはNGとか意味不明です。
視点:実は弟子っぽい仕事を手伝ったのは初めて ライムグラスさん
『』:アルファさん
『風呂っ!!』
「え? お、お風呂? ですか?」
「(きょとん)ととさま?」
「お風呂に入りたいんでヤンスか? オヤビン」
『(バーン!)いや、ちゃうでー!!
簡易やけど作っといたから、キミら飯前に入ってきなさい。
(ずびしっ)ほれ、そこに小屋っぽいの有るやろ?』
「「「「ええええっ・・・!!?」」」」
まあ・・・そりゃ驚くよね。
草刈り班のアタシ達は、終わった後で手伝ったから知ってるけど
採取班の人達は驚くに決まってる。
だって、昼食の時には拠点のお堂近くにあんな小屋無かったもの。
いや、簡易にしたって早すぎでしょ、先生。
簡易・・・簡易ねー?
確かに、宿屋に有るのと違って、浴槽は無くって地面を直掘り。
小屋に壁は無くって、屋根と衝立でぐるっと囲んであるだけ。
・・・・・・に見えるよね、普通は。
「うわ・・・アッシ、夢でも見てるんでヤンスか?」
「まあ、おでは戻って来た時に見てたんだども」
「(にぱー!)ととさま、すごい!」
「いつの間に・・・と言うか、何で突然お風呂なんです?
いえ、昨日も着替えだけでしたし。
汗もかいてるんで、入れるのはありがたいですけど」
「何でも何も・・・。
決まってるじゃ無いですか、メガネさん」
「え? 決まってる・・・?」
『わははは! まー、単純に汗を流してスッキリしてから
晩飯ってのも有るんやけどな。
それ以上に、サクとサバミソは銀杏の収穫してくれたんやろ?
そりゃもう、えらい匂いになっとるんやで~?
キミらは既に鼻が麻痺しとるみたいやけどな~~』
「「「「あっ!!!」」」」
「そういう事ですわよ、メガネさん。
うぐぐぐ・・・特に鼻の良いミケ的には限界ですわ・・・」
そう、はっきり言って、くさい。
さっき、収穫物の中にもこの臭いあったけど
何? この悪臭。
うむむむ・・・頑張って集めてくれたらしい
サクちゃんとサバミソ君には申し訳ないけど。
正直、早くお風呂に入って欲しいなー
・・・って思ってました。
いや、本当に申し訳ないんだけどね。
そして地味に、他の人にも臭い移ってるし・・・。
「な、なるほど、で、では私は後で結構ですので
アルファさんや皆さんでお先に・・・」
『あ、せやせや。
悪いんやけど、リッちゃんには引き続き
サク達の風呂の引率もお願いしたいんやわ・・・。
すまんけど、頼まれてくれへん?
湯浴み着とかタオルやらは既に用意して置いとるから
着替えだけ持ってってくれたらええし』
「(キラーン)ええ! そういう事でしたら任せて下さい。
さあさあ、サクちゃん! ・・・えっと収穫班の皆さん?
ここはお言葉に甘えて先に入らせて貰いましょうか」
「(にこにこ)はい!」
「(にこにこ)お風呂でヤンスー!」
「あ、おでは湯沸しの係を任されてるんで
リマさん達でゆっくりどうぞなんだな」
「あら? そうなんですか? ではお先に失礼しますね。
では2人共、行きましょう~(うっきうき)」
(わいわいわい、ぞろぞろぞろ)
「・・・うーん、このダメガネさんっぷり。
あの方、こんなチョロかったでしたっけ?」
「あはは、まあまあ、ミケお姉様。
以前がかなりの堅物とお聞きしてましたし
私は良い傾向だと思いますよ?
あ、私はお師様の夕食の準備をお手伝いしますので
ライスとモブコさんは一緒に入ってきて下さい。
6人ぐらいまででしたら一度に入れますし
一応、器具の説明は必要でしょうしね」
「あ、そっか、そういえばそうですね。
じゃあ、ユキ姉さん、お先です。
ほら、アタシ達も行こっか、モブコ」
「わーい! お風呂だー!!」
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽
▽
(ザバーーーーーーー、ザブザブ)
「ふあー・・・気持ちいーーー!」
「あっ、こら! サンちゃん。
今洗ってるんだから、あんまり羽動かさないでよ。
洗いにくいじゃない(わっしゃわっしゃわっしゃ)」
「(むずむずむず)はわ、わ、わ、わ!?
あうあう! そ、そういわれましても!?
くすぐったいんでヤンスよ~~~!!」
「(くすっ)あらあら。
・・・サクちゃんはどう?
くすぐったかったりはしないかしら?」
「(にぱーーー)大丈夫です! えへへへ」
「・・・・・・それにしても(わしゃわしゃ)」
リマさんのデレデレっぷりはまあ置いておくとして。
パッと見はただ地面を直に掘っただけに見える浴槽?
実はちゃんと加工してあるのよね・・・。
だからお湯に土が混ざったりはしない。
しかも、ちゃんと浴槽とは別に洗い場のスペースもあって
そこの床も同じ加工済み(コンコンコン)
何? どうやったらこんなカチコチのツルツルに?
いや、作業自体はお手伝いしながら見てたし
やってる事も一応説明してはくれてたんだけど
思いっきりド素人のアタシの頭じゃあ
何か{すごい事してる!}としかわからなかったし。
・・・ま、まあ、先生もユキ姉さんも
今はこういう事も出来るって事だけ知るのが必要で。
専門的な技術や知識なんてものは
焦らずにゆっくり1つづつ覚えてったら良い。
・・・って言ってくれてたしね!
(ザンブラコッコ、ザンブラコッコ)
「おふぁーーー、たまりませんなー、ライスぅ~?」
「(わっしゃわっしゃ)何か年寄りっぽいわよモブコ。
あっ、サバミソ君は大丈夫? 熱すぎたりしない?」
「(にこにこ)えっと、はい! ライスさん!
このぐらいだったら丁度いい感じです! うおっ」
「そ? なら良いんだけど。
のぼせそうなら早めに教えてね?
はい、流すわよ、サンちゃん」
(ザバーーーーーーー)
「わっぷわっぷ!?
(ブルブルッ)はひ、はひ・・・・。
あ、ありがとうございますでヤンス、ライスサン」
「(にこっ)どういたしまして、サンちゃん。
さ、アタシ達も入りましょ。
(ちらっ)・・・リマさん達はもう少しかかりそうね」
「(ちらっ)・・・あっ・・・はい、でヤンス!」
「(にこにこ)うふふ」
「(にこにこ)えへへ」




