269 冒険者Aさんとこっちでも訓練
あらすじ:妄想の世界は業が深いですね。
視点:ムトウ家三姉弟の末弟の方 ノブシゲ・ムトウ
『』:アルファさん
「ぐはーーーーーー!!!?」
「ぬあーーーーーー!!!?」
(ドンドンガラガラガッシャシャーーン)
(・・・ドササッ)
「「きゅ~~~~」」
う・・・うぐぐぐっ!
ま、全く動きが見えなかったでござる!?
気が付いたら姉上と一緒に吹っ飛ばされて
壁に激突してたでござる・・・。
「あらあら、2人共~?
何を伸びてるのかしら~?
アルファさんに一矢報いるんでしょう?
ほら、まだまだ行くわよ~~?」
「(ばっ!)むっ!! ま、まだまだ~!! でござる!!
とああああああああ!!!!!!!」
あ、姉上は頑強でござるな・・・。
可憐で尊敬する兄上も含めた我が家の姉弟で最も母上に・・・。
【行者】の中でも{最上級}に位置づけられてる母上の
{武の才能}を一番継いでるのは姉上なのは皆が認める所。
・・・しかし、拙者とて!!!
「(がばっ!)母上っ! もう1本でござるっ!!」
(ブンブンブン、ひょいひょいひょい)
「うふふふ、そうよ~。
クニちゃんもシゲちゃんも頑張りなさ~い」
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽
▽
「(ぴくぴく)・・・・・・ぬ・・・あ・・・・」
「(よろよろ)ぜぃ・・・ひぃ・・・うぷっ・・・」
「・・・・・・う~~~ん。
2人共、もう終わりかしら~?
やっと、訓練になってきたかと思ったのに・・・。
こんなんじゃ、アルファさんには全く歯が立たないわよ~?」
は・・・は・・・はは・・・うえ、つよすぎ・・・でござる。
せっしゃも、あ、あねうえも・・・もう、力尽きてるのに
は、ははうえ・・・は、息ぎれもしてない・・・し。
ほと・・・んど、汗もかいて・・・ない・・・でござるよね?
・・・す、すうううぅぅぅぅ、ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。
・・・・・・よ、よし。
少し息が戻ったでござる。
・・・それにしても、今更でござるが疑問がひとつ。
「(むくりっ)は、母上ぇ・・・歯が立たないって・・・。
あのアルファ殿ってそこまで強いんでござるかぁ?
拙者もシゲちゃんも、母上の訓練のおかげで
結構強くなれたとは思うんでござるけど?」
「(よたよた)せ、拙者もそれはちょっと
お、思ったでござるよ、母上」
「あら? あらあら~~。
そう言えば、あなた達は直接戦ってなかった・・・のよね。
・・・そうねぇ~、強くはないかもしれないわね。
純粋な腕力や速度なら、クニちゃんに劣るでしょうし」
「「ではなぜ?」」
(しゅたっ、たわわんっ)
「それはね・・・{上手い}のよ。
技術の差って言っても良いかな。
上手過ぎるのよ・・・・・・色々とね!(ぶるるんっ)」
「「う、上手過ぎる?」」
「あら? チヨちゃんお帰りなさい。
あっちの会合はもう良いの?」
「(たわわん)あはは、良いの良いの。
もう計画案の大半は終わってるし、手配の準備も完了。
後は、拠点予定地の査察待ちだけだもの。
早く終わっちゃったからこっちに来たのよ」
「ふむふむふむ!」
「(かああああ)・・・・・・」
「(くすくす)あらあら~、じゃあ丁度良いし。
何かチヨちゃんから、この子達に助言もらえるかしら?」
お、おチヨ殿・・・今日もお美しいでござる。
そ、それに、と、とても豊満で・・・その・・・。
とても母上と同じぐらいのお年とはとても思え・・・。
「(ぴくっ)シゲちゃ~ん?
今、何かよからぬ事を考えたりしなかったかしら?」
「(ぶんぶんぶん)か、か、考えてござらぬよ!? 母上っ!!
と、と、と、突然、何の事で、ご、ご、ご、ござるか!?」
「ははは! シゲ君は今日も元気ですね!(ぽよよんっ)
うーん、助言・・・と言われてもね・・・。
私、武芸者でも剣術家でもないんだけど?
まあ、強いて言うなら、アルファさんって戦術家なのよね」
「「へ?」」
「(たわんっ)つまり戦術的な目的が第一で
目先の戦闘はさほど重視してないのよね。
・・・ふふっ、今、私が言えるのはここまでかな?
私はマリちゃんの幼馴染で相棒で、長い付き合いですけど
アルファさんとも長く深いお付き合いですからね!
本人の許諾無しで手の内をバラすのは良くありません」
「(どきっ)・・・えっ?」
「えーーー? それは無いでござるよ~、おチヨ殿~~」
「あらあら~、もう~チヨちゃんったら~」
えっ? えっ?
おチヨ殿とアルファ殿はただのお知り合い・・・でござるよね?
えっ???? 今、長く深いお付き合いって・・・えっ!?
どっ、どっどどどどどういうことでござるか?
「(すくっ!)さて、では母上!
お話はよく分からなかったでござるけど
拙者達はまだまだいけるでござるよ!
ほら!(バシッ)シゲちゃんもさっさと立つでござる!!」
「いたた・・・あ、姉上、加減して欲しいでござる。
(よたよた)よ、よし! 拙者もいけるでござるよ」
「あはははっ、そうそう、2人共、良い根性よ!
シゲ君もお姉さんに格好良い所を見せて頂戴ね~(ぽよよん)」
「(キリッ!)ま、ま、任せて欲しいでござるっ!!!」
「(くすくす)あらあら、わかりやすい子ね~」
「・・・ところで、母上。
母上には何度も訓練をつけてもらってるでござるけど
今日は、その動きが格段に違うんでござるが・・・。
今までは、もっと手加減をされてたって事でござるか?」
「(たわん?)えっ? そうなの? マリちゃん」
「ん~~~~? そんな事無いわよ~?
今まで加減はしても、手は抜いてなかったけど~」
「拙者も姉上と同感でござるよ。
今日の母上は、こう・・・気力が満ちてるって感じでござる。
すごく機嫌も良いでござるし」
「へえ? どれどれ? ・・・・・・あっ。
あははは、なるほど、なるほど(ゆっさゆっさ)
ゲンゴロウ君も大変ね~(ぽよんっ)」
「あらあら~、やっぱり原因はそれかしら?
うふふ、チヨちゃんはわかっちゃうわね~」
「「えっ?????」」
どういう事でござる? 父上?
父上は今朝起きてこれなかった様でござるが
ひょっとして、それと何か関係が・・・?




