267 冒険者Aさんと収穫班の成果
あらすじ:コモンスキルは世界中どこでも使えるので
日常や旅で使用できるものが多いようです。
視点:メガネがキラリと光る収穫班の班長 リマさん
『』:アルファさん
「(そーっ)こ、これが・・・!? クリっ!! うおっ」
「(そーっ)と・・・トゲトゲでヤンスよっ!!?
これを食べるでヤンスか!? 食べれるんでヤンスか!?」
(つんつん、つんつん)
「「うふふ・・・(くすっ)」」
あははは、そ、そっかー。
サバミソ君もサンちゃんもクリを見るのは初めてなのね。
辺りに落ちてるのは、まだ緑色だから自然に割れてないし
確かに、トゲトゲのイガに包まれたままだったら
とても食べ物には見えないわよね。
・・・・・・それにしても大っきいわね。
イガの大きさだけでも30cm近くは有るんじゃないかしら?
まさかこれで、割ったら中はスカスカ・・・とか無いわよね?
「(にこにこ)あはは、サンちゃん、サバミソさん。
これはね? まず、左右のトゲトゲのとこを靴でおさえるの。
んしょ・・・んしょ・・・(ふみみっ)
それでね? ナイフとかで、このまんなかにちょっと切れ目をね?
ちょっとだけだよ? ・・・えいっ(プスッ)」
(メリリッ、ズルンッ)
「「わっ!?」」
「・・・・・・(ほわーん)」
・・・・・・・・・はっ!? い、いけないいけない。
内股気味にちょこちょこと両足でふみふみしてる所とか!
しゃがみこんでナイフでツンツンしてる所とか!!
珍しくちょっと得意気な表情だったりする所とか!!!
眺めてたら思わずほっこりしちゃってたわ!!!!?
「えっと、割るのはちょっと待ってね?
ココだと割ったトゲがゴミになって危ないし
先に全部拾ってカゴに入れちゃいましょうか。
他の収穫が終わった後で、皆さんで割りましょう?
あっ、拾うのはそこにあるトングを使って下さいね?
厚手の手袋はしてるけど、危ないですからね」
「「「はーい!」」」
(カチャカチャ、カチャカチャ、カチャカチャ)
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▽
ふう・・・大きなカゴ3つ分かぁ・・・結構有ったわね。
それにしても、午前中に収穫した赤紫色のイモも大きかったし
昨日からちょくちょく食べてるナシも、大きくて瑞々しいわよね。
えっと、後はあそこのカキ・・・カキよね?
何で2種類もあるのかわからないけど。
アレはちょっと高い位置だから台かハシゴが要るわね。
・・・そして・・・・・・。
「あ、あの・・・リマサン。
落ち葉でヤンスかね? 黄色い落ち葉がいっぱいのあの辺。
すっごいくさいんでヤンスけど・・・。
あそこには食べ物なんて・・・無いでヤンスよね?」
「これは・・・ボクは大丈夫ですけど
確かにすっごい匂いがしますね!? うおっ」
「え、ええ、私は聞いてませんけど。
・・・えっ!? サクちゃん!?」
(とたとたとたとた)
「わーーー! いっぱいあるー!!」
何がっ!?
えっ!? いや、ちょっと!? サクちゃん!?
何を拾って・・・えっ!? 木の実? ・・・かしら?
「すごい! おっきい!(にこにこ)」
何がっ!?
わ、私も行くべきかしら!?
うむむ、さ、サクちゃんだけに拾わせる訳には!!
「よ・・・よしっ!!」
(すたすたすたすた)
「あっ! リマサン!? 行くでヤンスか!?
・・・あれっ?」
(すたすたすたすた)
「・・・・・・あっ、ダメ、無理無理、うぷっ」
「・・・でヤンスよね」
「・・・サンちゃんは、サクちゃんの従者なのよね?
今日は特に護衛の役目もあったわよね?」
「えっ!!? っでヤンス!?
いや! その! アッシでヤンスか!?」
「(キラーン)・・・そうですよ?
まさか、サクちゃんだけに拾わせる気なんですか?
(キラーン)大丈夫大丈夫、ちょっと臭いだけでしょ?」
「うえええええ!? あ、あわわわわ!!?
・・・あれ? サバミソサンは?」
「あら?」
「「あっ・・・」」
(ガサガサ、ガサガサ)
「へえー! 何かの種みたい! コレ食べれるの? うおっ」
「はい! 銀杏って言うんですけど
このかたいからの中に黄色い身が入ってて
とってもおいしいんですよ!」
(ワイワイ、キャッキャッ)
「おいしいらしいでヤンスよ? リマサン」
「・・・うむむむ」
ギンナン・・・アレがそうだったのね。
【フソウ】から入ってくる食材に有ったわね。
食材と言うか独特の風味のナッツよね?
食べてみた事はあるけど、珍味って感じだったわ。
その時は別に臭いって感じでは無かったけど・・・。
いや、そんな事よりも!
私もサクちゃんの所に行くべきかどうするべきか、よ!!
うーーーーーーーん!?
・・・・・・あら?
(ザッザッザッザッ)
「みんなー、お疲れ様なんだな。
草刈りの方が一段落付いたんで
おではこっちの手伝いに来たんだなー」
「・・・・・・よし(キラーン)
丁度、背の高いロバートさんが来てくれましたので
私はロバートさんと一緒に、カキの収穫を行いますね?」
「えっ!? あ、アッシは!?
アッシもそっちがいいでヤンスよ!?」
「いえいえ、サンちゃんは遠慮せずに
従者としてのお役目を果たしてきてください」
「そんなーーー!? でヤンス!!」
(ギャー、ギャー)
「えーっと? それで、おでは何を手伝ったらいいんだか?」




