264 冒険者Aさんと準備は大事
あらすじ:どれが正しいという訳ではなく全部正しい。
地域で呼び名が違う食べ物はたくさんありますね。
視点:朝の失敗は作業でカバー ライムグラスさん
『』:アルファさん
『例えばやな、{おにぎり}とゆーたら{海苔}やろ?』
「はあ・・・」
「はい?」
先生、初手からおにぎり。
・・・いや、言いたい事はわかりますよ?
分かるんだけど、もうちょっとこう・・・。
違う例えって無かったのかな?
『他に・・・この{味噌汁}やったら
{お湯}と{味噌}が基本で、そこに足す感じやな。
これは{ワカメ}と{ネギ}を足して完成や。
(ずずずずっ)・・・んま~~~』
「あーーーーー、なるほど!!
最初っから、そういう基本セット決めておいたら
実際使う時に使い易いって事ですよね!」
「ええっ!?」
「それで応用として、この{味噌汁}の具みたいに
こんな時ならコレ! こうしたい時ならコレ!
・・・みたいに、足した完成形で覚えておいたら
いざって時に、迷わずパッと使えるって事ですよね!
ちなみに私は{お芋}が入ったのが好きです!!
・・・あれ? 何でさっき驚いたの? ライス」
「あはは、ごめんごめん。
やるじゃない、モブコ! すごい!」
『わははは、そうゆー事やモブ子ちゃん。
うんうん、ライスがゆーたみたいに
そこまでパッと理解できたんは、ホンマ凄いと思うで?
うんうん、えらいえらい(なでぽっふんなでぽっふん)』
「(にこー)えへへへ~~~」
ふう・・・いやー、危なかった~。
・・・実の所、モブコって昔から割とのんきだったし。
少なくとも、機転が利く~とか頭脳派~って感じでも無くて
そんな一瞬で回答に辿り着くと思ってなかったから
思わず声出ちゃった・・・いけないいけない。
まあ、アタシも人の事言えないんだけどね、あはは。
・・・それにしても、モッフモフよね、モッフモフ。
確かに昔っから、白っぽい癖毛で、モサモサだったし
綿毛みたいだからって、そっから名前付けられてたけど
今じゃ、何? あの弾力性!? って言うか、モフモフ度。
あれはもう・・・何て言うか・・・羊?
それね! 羊の毛よね!
「まあ、羊の毛はともかく、ご主人様が仰りたいのは
スキルの複合は、その場で組み合わせるんじゃ無くって
予めセットを決めて、用意しておけば良いって事ですわ。
それを何種類か用意しておけば対応できますでしょ?
ちなみに、ミケとしましては、ご主人様の作る
{茄子}と{ミョウガ}の{味噌汁}が好みですわ~」
「それも美味しいですよね、ミケお姉様。
私は{なめこ}と{ネギ}の組み合わせが好きですね。
・・・ところで、お師様。
準備していたセットが、どれも使えなさそうな場合は
どうすれば宜しいのでしょうか?
例えば、明らかに格上の相手とか・・・」
「有りますよねー、クエスト中とか特に。
明らかに上のランクのモンスターに出会ったりとか」
「アタシもそれで大怪我したし・・・」
『あー、有る有る~、そーゆー時。
【大魔王】とか【幻獣】とか【亜神】みたいな
明らかに存在自体が別格って奴らに遭遇する事って
ホンマ、よー有るからな~、アレは困るわ~』
「ですよねー・・・えっ? だ、だいまおう?」
「は? ・・・幻・・・獣?」
えっ? 何か対象がおかしくない?
そんなのにポンポン遭遇するものなの?
『そんな時はなー、昔っからやる事は1つやな!』
「「「「「「「「1つ?」」」」」」」」
(ゴクリ・・・)
「逃げるんですよぉおお~~~~!!!!!」
『って、ミケがゆーんかい!?』




