表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
258/401

258 冒険者Aさんと隠れた実力者達

あらすじ:話を聞かない、注意も見ない人って、迷惑しかかけないって話。


視点:今回は被害者 ヤンキさん

『』:アルファさん


「で? 何やらかしたんだい? ヤンキ」


「何で、俺がやらかす前提なんだよ!?

 ・・・いや、あいつらギルド内で武器抜こうとするしよ。

 仕方ねーし、受付で訓練場ここ空いてる事を確認してな?

 そいつらを訓練場ここへご案内したのよ、訓練って名目で。

 ほれ、ここなら周りにも迷惑かかんねえだろ?」


「まあ・・・その場で戦闘にならなかったのは正解だね。

 ギルド会館内での戦闘、しかも武器やスキルまで使ったら

 双方に重大な罰則ものだからなあ。

 ・・・それにしても、大丈夫だったのか?

 パーティって事は、相手は複数人だったんだろ?」



 え!? マジで? そんなに!?


 俺、怒られるかなー? 程度に思ってたんだけど


 もっとヤバかったのか・・・ヤベーヤベー。



「まーな。

 とりあえず、最初はリーダーの剣士が出てきたんだけどよ。

 自信満々で{1対1タイマンで格の違いを教えてやる}ってな」


「うん、どうなった?」


「完封してフルボッコにしてやった」


「おおっ!?」


「おー!? やるじゃないかヤンキ!

 剣士って事は【ファイター】か【ソードウォリアー】だろ?

 それのLv5に圧勝したとかすごいな」



 そうなんだよな・・・普通に考えたら


 近接専門で、しかも自分よりLvが上の剣士に敵う訳ねえハズ。


 ・・・ハズなんだよな。



「・・・・・・そしたらよ。

 残り3人が全員で襲い掛かってきやがったんだよ。

 {卑怯な手を使ったんだろ卑怯者}ってな」


「はあ!? なんだそれ!」


「ええっ!? よく無事だったね!?」


「・・・いや、正直、雑魚過ぎて相手になんねーかった」


「へ?」



 襲い掛かっては来たんだけどな。


 どいつもこいつも攻撃しか頭に無えし、目線もバレバレ。


 大体、3人もいるのに、何で連携してこねえんだよ?


 それに、何であいつら、スキル使う時に叫んでんだ?


 発動が見え見えじゃねえか、避けてくれってか?


 確かに、音声発動のスキルってのは多いけどよ。


 別に叫ぶ必要はねえんだぞ?



「・・・あれだ、おっさん1人に俺達3人がかりで

 手も足も出なかったじゃねーか。

 あん時と同じだよ、同じ」


「あー、あの時ね・・・。

 僕らの攻撃は全て透かされるか出だしで潰されるかして

 位置も的確に変えるものだから、3人で囲めなくって

 そうやってる間に1人づつ確実にボコられて

 終わったら、結局、アルファさんは無傷だったあの時かー」



 あん時は、ケベックが魔法無しのルールだったけど


 それ以外のスキルは有りだったんだよな・・・俺達は!


 後衛クラスだけど【メイス】使ってたケベックはともかく


 前衛の近接専門なリーダーも俺も、スキル使っても


 全然歯が立たなかったんだよなあ・・・あの時。


 おっさん、何のスキルも使ってねーでやんの!?


 純粋に技術だけで、俺ら完封されてんだもんな。


 正直、ちょっとショックだったぜー。



「まー、俺もそこまでやれると思ってなかったんだけど

 何だかんだで、あのおっさんに鍛えられてたんだなーって

 今更ながらに気付かされたわ、いやホントな」


「それは・・・僕もわかるなー。

 だって、最近、魔法スキルっておまけみたいなもんだよね

 ・・・とか思い始めてる自分がいるんだもの」


「いや、それはそれでマズイだろ、ケベック。

 今度、サバミソ君と一緒に魔法系の面倒見て貰えるんだろ?

 事前に自分なりに色々やっとくべきだと思うぞ?」


「まあ、そうなんだよね。

 いや、色々やってはみてるんだけど

 幅が広くなりすぎちゃって、方向性が定まらないんだよ。

 そこら辺のアドバイスが欲しいんだよね。

 ・・・あれ? ところでヤンキ」


「ん? 何だ?」


「そいつら叩きのめした後って、どうしたんだい?

 結果をギルドに報告したとか?」



 そこ気付くか、ケベック。


 ・・・何だかんだ言っても、やっぱりこいつ


 俺達の中では、一番そーゆーとこに気がつくんだよな。



「あー、それか・・・いや、ちょっとおかしな事になってなー」


「え? どういう事だ?」


「とりあえず、全員【メイス】で叩きのめしただろ?

 ・・・・・・いやー、鈍器って便利だったわ。

 刃物と違って殺さずに戦闘不能にできるし」


「お、おう!? しかも【メイス】だったのか?」


「よくそれで勝てたね・・・それで?」


「そんでな? 人相手で避けられない戦闘になった場合

 体だけじゃなくて心も折らないと、遺恨が残るって

 おっさんにも言われてたからよ。

 ついでに手足の骨の1・2本でも折るかと思ったんだけどな。

 後ろから声かけられて止められたんだよな」


「え? 声? 誰に?

 その時って、ヤンキとそいつら以外に誰か居たの?」


「いや、それが居なかったハズなんだけどな。

 振り向いたら俺の真後ろに居たんだよ、2人も」


「2人!?」

「・・・2人?」


「あん時はびっくりしたぜ。

 {勝負はついたんだしそれぐらいで許してやりなよ}って

 言われて、後はその2人が処理してくれるみたいな

 話になったから、任せてきたんだけどよ」


「うん? 誰なんだろ?

 他に何か言ってなかった? その人達の名前とかさ?」


「ああ、それなら確か・・・、エクスとレイだっけな?

 片方が短髪だけど綺麗な顔したねーちゃんで

 もう片方が長髪の美形だったけど、そっちは多分男だな。

 普段着っぽかったけど、パッと見は軽装の2人組で

 何かギルドの使いっぱしりしてるとか言ってたぜ?」


「ふぁっ!? エクスとレイ!?」


「えっ? 知ってるの? マイク」


「リーダー、知ってんのか?」


「いや、2人共、逆に何で知らないんだよ?

 この国で30人しか居ないBランクの内の2人で

 実力と実績はAクラスと遜色無いって言われてる

 Bランクの中でもトップクラスの2人じゃないか!?

 しかも、一応ここ【タンゴ支部】所属だって聞いてるよ。

 まあ、普段は主に王都からの依頼を受けてるみたいだから

 ギルド会館には滅多に居ないらしいけど・・・」


「へ!? Bランクの中でもトップクラス!?」


「Bランク、しかもその上位ってか・・・。

 なるほどな、確かに納得だぜ」



 はっきり言って、凄みってゆーか


 存在感が半端なかったんだよな、あの2人。


 特に何かしたって訳でもないのによ。


 ま・・・納得だぜ。



「・・・えっと、それでその2人が

 その後の処理してくれたって事か・・・」


「おー、そういうこった。

 ギルド会館内で騒いでる時から見られてたっぽくて

 その後も、訓練場でずっと見物してたらしいわ。

 別に今ん所、ギルドからも何も言われてないしな」


「へえ・・・そんな事があったのか」


「そういえば、俺が訓練場を出る時に

 声かけられたんだけどよ?」


「ん? 何て?」


「おっさんと耳のあねさんは元気にしてるか? って」


「はあ? なぜそこでアルファさんとミケニャンさん?」


「え? 何でヤンキに?」


「・・・俺が知るかよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ