255 冒険者Aさんと発想の違い
あらすじ:不人気クラスの、不人気な理由にみんな割りと納得。
視点:実は話に全然ついていけてなかった サンシターさん
『』:アルファさん
「100%経験則?」
「ええ、別の言い方で言えば、準備100%ですかね」
「じゅ、準備100%?」
「事前に備えるって事ですか? 先生」
「(ほわーん)あー、朝ごはんおいしかったでヤンス~」
ほはーーー!! はふぅ~~~~ん。
朝から焼肉に、野菜スープとガッツリ食べれて
アッシは、もう、もう、とってもしやわせでヤンスー。
ウルフのお肉って脂身が少ない代わりに
弾力のある赤身肉って感じなんでヤンスなー。
でも、オヤビンからお聞きした感じだと
モンスターだからおいしかったっぽいでヤンスね。
野生の狼はむしろイマイチだとか何とか?
他に食べれる物が無いなら仕方ないでヤンスけど
アッシは、やっぱりおいしい方が食べたいでヤンス。
それにしても、さっきからオヤビン達のお話されてる内容が
さっぱりわからない自分のおバカさが悲しいでヤンス。
アッシの基盤になってる元宿主の記憶だと
こきつかわれて下働きした悲しい記憶しか無いでヤンスし
憑りついたアッシの元悪魔? ってのも
記憶がすっからかんでヤンス。
正直、自分の事なのに何の実感も無いんでヤンスよね。
うーん、何とかオヤビン達のお役に立ちたいもんでヤンス。
『わはは! 満腹で幸せなんが一番やで、サンちゃん。
・・・んで、経験則とか準備の話やったっけ?
んーー、話ってもなー、大した事何もしとらんしな・・・。
せいぜい、本番とか土壇場では、スキルとかアイテムとか
事前に試したもんしか使用せーへんって事ぐらいか?』
「へっ?」
「先生、それって普通の事なんじゃ?」
「いえ、ご主人様の場合は100%なんですよ、100%。
例えばですねー、すっごいピンチで八方塞がり
イチかバチか~って場面になったとして」
「「「「「なったとして?」」」」」
「普通は、{一度も試してない賭け}みたいな事とか
{そのまま抗うだけ抗ってみる}とか
{観念する}の三択になると思いますけど」
「・・・ま、まあ、そんな感じでしょうね」
「ですけど、ご主人様の場合
{試した事のある手段を連発}して盤面自体をひっくり返すか
{すっぱり諦めて撤退する}の二択なんですよねー」
「「「「ええっ!?」」」」
「(ぎょとん)えーっと? うおっ」
「(きょとん)え、えっと? えっと?」
「(うっとり)さ、さすがです、お師様!!」
「・・・ノブユキさん、そこ、うっとりする所なんですか?
・・・・・・・・・。
・・・・・・。
・・・(きょとんとしてるサクちゃん可愛い!!)」
「メガネさん・・・すっかり、ダメガネさんに・・・」
「よくわからないでヤンスけど
オヤビンがすごい事は、アッシにもわかったでヤンス!」
「うーん・・・すごいの方向性が違う様な・・・?」
『まー、すごいかすごくないかはともかく。
{すごいえーかげんな人}なのは確かやな! わはは!』
「んー・・・例えばですけど、先生。
料理してて、塩と砂糖間違えてかけちゃった時とか
入れ物の蓋が外れてかけすぎた時とか・・・。
こんな場合の時、先生ならどうする感じなんですか?
普通は我慢して食べるか、諦めて捨てるかだと思うんですけど」
「何で例えが料理なのよライス・・・」
「え? いや、酒場でたまに見かける光景なのよ。
作る方も酒入ってる事がよくあるから・・・。
ちなみに、その失敗作がアタシ達のまかないに回された事があって
その時は、店長に苦情が殺到して、さすがに反省したのか
それ以降の失敗作は、店長が処理してるんだけどね」
「うわぁ・・・」
『わははは、そりゃちょっと可哀想やな~。
とりあえず、その例えで俺の場合かー。
焼いた料理で塩と砂糖間違えて甘ったるくなったんやったら
そこへ醤油とおろしニンニク入れて、照り焼き風にするかなー』
「あー、良いですね~! ご主人様~。
甘さ強めの照り焼き風って、ミケ大好きですよ~!
肉でも魚でも野菜でも、何でもいけますしね~」
「【フソウ】では馴染み深いですよね、照り焼き料理」
「(ごくり)て、照り焼き・・・そういうのもあるんでヤンスね」
『それこそ、いっその事、その料理を鍋に放り込んで
野菜とか追加して、生姜味噌で煮るのもありやで?
元々煮付けってのは、軟らかく煮る為と
色落ち防止の為もあって、結構砂糖入れるからな~。
既に炒めた料理を投入しても、炒めた香ばしさがのるし
それはそれで美味いんやで?
甘めのコクと豆の旨みと香りが口に広がるんやけど
塩気とショウガがピリッと味を引き締めてくれとるから
素材の味もはっきりわかる。
んで、炒めた香ばしさもそこに加わって・・・』
(グググググ~~~~~~~~~)
「ちょっと、どなたのお腹の虫ですの~?(グ~~)
今、朝ごはん食べたばかりじゃないですかー(ググ~~)
まったく、はしたないですわよ~?(グググ~~)」
「うー(クゥ~)」
「あー(クゥ~)」
「ご、ごめんさないでヤンス、想像してたら・・・(グー)」
うう・・・照り焼き、味噌煮・・・。
どんなの料理かわからないでヤンスけど
話を聞いてるだけでも
おいしそうなのが伝わってくるでヤンスよ。
朝ごはんいっぱい食べて満腹になったはずなのに
・・・ど、ど、ど、どんな料理なんでヤンスかね?
『お前が1番鳴っとるやないか、ミケ。
昼飯に作ったるから、今は我慢せーよー』
「わーい、やったー!(グアアアアアオオオ!)」




