249 冒険者Aさんと不人気なクラス ②
あらすじ:神様達も集まって宴会だけしてる訳じゃないようです。
視点:冒険者として活動している少数派のボーター ロバートさん
『』:アルファさん
「「おはようございます、ロバートさん」」
「おはようですわー、ロー」
『おはよ~さん、ロバやん。
昨日頑張ってくれたし、よー寝れた~?』
「アルさん、あのマット良い寝心地なんだな。
おかげで、おでもぐっすりなんだな」
『わははは! そりゃ~良かったわ~。
アレって、俺のイチオシのマットでな。
地面からの熱もかなり遮断してくれるし
テントでも気持ちよ~寝れるんやわ~』
「ところで、アルファさん。
先程のお話の続きなんですけど
{攻撃系は}と言う事は、それ以外は違うんですか?」
「ん? 攻撃系??
・・・えっと、おでは聞いちゃって大丈夫な話だか?」
『あー、ロバやん、気にせんでええってええって。
むしろ、ロバやんも知っておいた方がええ話やし。
あ、ロバやんにも、お茶淹れたるからな~』
「(むくっ!)あっ! ご主人様!?
ついでで結構ですので、ミケにもおかわりを!
おかわりをお願いしますわ~~~!!(すりすり)」
『わかったわかった!
わかったから、急にひっついてくんな』
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「はーーーーーーーーーーーーーー。
おではそんな事、全く考えた事なかったんだども。
クラスやスキルで色々違うんだか・・・」
ま、まあ、おでは元々頭良くないし。
そもそも、おでの場合。
今でこそ、アルさんのおかげで、何とかなってるんだども
ちょっと前まで、お金も仕事も全部無くなって
冒険者としてやっていけるかどうかで必死だったんで
倍率がどうとか考える余裕も無かったんだな。
『せやなー、まー、例外もあるんやけど
基本的には{戦闘系}のスキルってのは
例えば、1.5倍⇒2倍⇒2.5倍みたいに
Lvに比例して、一定の倍率が上がる感じやなー』
「え、えっと・・・えっと、その場合だと
0.5づつ上がってるって事でいいんだか?」
『せやせや。
あー、やっぱロバやん、暗算結構いけるやんか~。
きっと前の仕事の経験が役に立ってるんやな!』
「あ、ありがとうなんだな(照れ照れ)」
『んでなー?
{非戦闘系}の場合って、Lv毎に上がり幅がちゃうねん。
まー、大体2パターンやな。
Lv1が高くて、Lvが上がる程、倍率が減ってくのと
Lv1は低いけど、Lvが上がる程、倍率上がってくんと』
「それは・・・例えば前者の場合だと
Lv1が10としたら、Lv2で12、Lv3で13とか
そんな感じでしょうか? お師様」
『お~~~、やるやんかユキ。
せやな、そんな感じや(なでなで)
逆に後者やったら、1⇒2⇒4⇒8⇒16みたいに
最後の方は、トンデモな倍率になってくるわけやな』
「(ぽっ)えへへ・・・」
「ぐぎぎ・・・羨ましい、羨ましいですわよ、ユキさん」
あ、ああ、なるほど。
そうやって具体的な数字が出てきたら
おででも分かり易いんだな。
前の仕事の時に、荷物を扱うから
個数は絶対に間違えないようにって、教わったから
それなら、何とかおででも理解できるんだな。
「・・・えっと、そうなると、先程の話に出ていた
スキルの【広範囲サーチ】も、その類なのですか?」
『せやでー、リッちゃん。
例えば【シーフ】の【サーチ】やったら
40⇒45⇒50で5mづつ増えてくんやけど。
【レンジャー】の【広範囲サーチ】の場合は
Lv5までが80⇒81⇒82⇒85⇒90って
すっごいしょぼい上昇値なんやけど、そっから
90⇒100⇒140⇒200⇒400って感じで
後半の上昇値が加速してくんやわー(なでなで)』
「(ぽわー)ふにゅふにゅ」
「ぐぎぎぎ・・・」
「・・・・・・????」
「なるほど・・・・・・あれっ?
ですが、それだと2km以上の説明がつかないんですけど」
あっ、や、やっぱり、リマさんもそう思うんだな。
良かった、おでだけがわかってなかったのかと・・・。
ちょ、ちょっと、ホッとしたんだな。
それにしても、最大で400mって言うのは
それはそれで凄いと思うんだども。
「・・・むう・・・まー、それはですね、メガネさん。
スキルには{習熟度}ってのがありますでしょ?
公開されるステータスには載りませんけどね」
「ああ、なるほど! 確かに{習熟度}が最大になれば
スキルの効果が倍になるんでしたよね。
・・・・・・・・・・うん?」
「えっと、倍になっても足らないと思うんだな」
『わはははは! せやで。
{習熟度}100%だけでも、無理やな~。
ま、種明かしって程でもないんやけど
【レンジャー】の他のスキルを併用したら
そこまで到達できるって所やな。
普段は単発で使ったら、単発の効果しか無い訳やし』
「併用・・・ですか? 併用・・・。
強化中に、攻撃スキルを使う・・・とか?」
「そんな感じですわね、メガネさん。
ご主人様がなってらっしゃる【レンジャー】は
それだけ併用できるスキルが多いんですわ!
つまり、どういう事かと言いますと
それだけ【レンジャー】というクラスは
神々達もテコ入れが必要不可欠! と思わざるを得ない程
不遇で不人気で、冒険者がたくさん居る大きな都市ですら
好んでなる人は、ちょっと変人扱いされるような
ある意味、希少価値の高いクラスなんですわ!!
どうです!? ご主人様は凄いでしょう!!」
「(ひききっ)・・・ええ、すごい・・・ですわね」
『おいミケー、リッちゃんドン引きさせてどーすんねん。
ってゆーか、俺を擁護するんかと思ったら
むしろ、貶めてへん? なー・・・ミケ?
そんな、ご主人様の悪口を言う悪い従者には
お仕置きが必要やと思わんか?(キュピーーーン)』
「(ぶるぶる)お、お、思いませんわっ!!!?
・・・・・・はっ!? もしやお仕置きプレイ!?
お仕置きプレイ的な意味で仰ってるのであれば!
このミケ! 喜んで(ぐわしっ)ぐわあああ!!?」
(ギリギリギリ「ほぎゃーーー!?」ギリギリギリ)
「お、お仕置きプレイ・・・!?(ぽっ)」
「えっ? ノブユキさん、何でそこに反応したんです?」
うーん、結局よくはわからなかったんだども
それって、やっぱりアルさんだからできる事なんだな?
どっちにしても、アルさんはすごいって事でいいんだか?
(ゴソゴソゴソゴソ、ノソノソ)
「(ぽわー)んあ~~、みなしゃん、おはよ~ございます~」
「(くしくし)あう、おはようございまにゅ・・・あうっ」
「ちょっと、モブコにサクちゃんも、しっかりしなよー。
あ、おはよーございます、みなさん。
えっと、先生・・・とミケ姉さん?
・・・あはは、何か楽しそうですねー」
・・・あ、あっちのテントの3人も起きてきたんだな。




