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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
247/401

247 冒険者Aさんと本命の夜番

あらすじ:早寝早起きは三文芝居の徳さん。


視点:起きてきたアルファさんの従者 ミケニャンさん

『』:アルファさん


「(ひょいっ)徳さんって誰です!? ご主人様!!」


『は? いきなり起きざまに何の事や? んなもん知らんわ』



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




(ズズズズ~~、ゴクゴクゴク)


「ふう・・・おいしいお茶ですわ~」


『自分の主人に1人で夜番させた上に、お茶まで要求するとか

 なんちゅ~主人使いの荒い従者や~!(げらげらげら)』


「・・・そこ笑う所なんです?」


「むっふっふ~んだ! ミケはちゃ~んと寝る前に

 ひと仕事しましたんで、ご主人様に甘えても良いんです~。

 あ、ご主人様、おかわりお願いしますわ!」


『はいはい、ちょっとお待ちくださいよ~従者様~

 今、あっつあつの淹れたるからな~?(ゴポゴポゴポ)』


「え? あの? ご、ご主人様? さすがのミケでも

 煮え立ぎったのはその・・・あのっ!? ご主人様っ!?」


『(ずいっ)ほ~~~れ、ミケ!!

 (ずずいっ)ご主人様が淹れたったお茶のおかわりや!

 (ずずずいっ)遠慮せずに! 好きなだけ!!!

 (ずずずずいっ)飲めやごらぁ~~~~!!!!』


「(ぐいぐい)熱っ!? ちょっ!? ごごご主人様っ!?

 ぎゃ~~~~!? 虐待ですわ~!?

 従者の虐待反対~~!! 反対ですわ~~!!!」


「(おろおろ)えっ? あの、アルファさん?」


『(げらげら)わははは、冗談やって、ミケ。

 (カロロン)ほれ、氷入れたったからな~。

 ゆっくり冷めてから飲んだらええわ』


「・・・も、も~~ご主人様ったら~(うふふ~)」



 冗談・・・冗談に聞こえませんでしたけどね?


 今一瞬目がマジでしたし。


 それに、今までに何回か、お仕置きと称して


 本当にやられた事、あった気がするんですけど~?


 あった事が気がするんですけどねー! ご主人様~?


 ・・・・・・う~~ん、さっきと違う風味ですわね?


 あっ、薬草入りの氷なんですわね、コレ。


 薬草の風味と苦味がお茶と良い感じに合ってますわね。


 さすがは、ご主人様ですわ~!


 それにしても・・・ご主人様ったら~、ぬっふっふ!


 ミケの疲労を考えて、最初っから用意されてたんですわね?


 もう~~~!! 本当はミケを労わりたいくせに~!?


 いっぱいいっぱいミケを可愛がりたいくせに~~~!!!


 んも~~~~!!! 素直じゃありませんわね~!!!



「あの、アルファさん?

 ミケニャンさんが、クネクネしだしたんですけど・・・」


『わはは! いつもの事やって、リッちゃん』



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「なるほど。

 つまり、このお堂? ですか? ここを中心として

 さらに等距離の四方に、小さいお堂を設置する事で

 神殿と同じ様な小規模の【結界】を形成してる・・・と。

 ・・・・・・正直、凄いですね」


「そうでしょうそうでしょう!!(どやぁっ!)

 ちなみに、この大き目なお堂にも、小さなお堂にも

 ミケの毛を埋め込んだ木彫りの像を

 設置してあるんですのよ~~~! お~っほっほっほ!」


「・・・・・・えっ? ミケニャンさんの・・・毛?

 あの、アルファさん、それってどのぐらいの効果が?」


『わははは! まー、リッちゃんが訝しむんもわかるけど

 効果がちゃ~んと出とったら、町よりも安全かもな~』


「えっ!? 町よりも・・・ですか?」


「ぬっふっふ~~、そうですわよ! メガネさん。

 こう見えましても、ミケがちょっと本気を出せば

 {Cランク推奨}程度のモンスターだったら

 恐れをなして近付きもしませんのよ~~?(どやぁ)」


「えええっ!!?」



 そ、そこまで驚かれると、ちょっとアレですわね。


 どーにも、ミケを過小評価してる人、多過ぎなんじゃ?


 ・・・・・・まー、実際の所、本当に本気出したら


 Cランク云々の話どころじゃ無いんでしょうけどね。



『んでなー、リッちゃん。

 ミケがゆーとった、寝る前のひと仕事ってのはなー。

 小さいお堂の様子を見てきてもらったんやわ』


「えっ? わざわざ夜にですか?」


「むっふっふ! ミケは夜目が利きますからね~!

 真っ暗でもバッチリ見えますのよ?

 後は匂いやら気配やらの確認ですわね。

 獣もモンスターも、夜行性が多いですから」


「・・・ああ、なるほど、お堂や周囲の荒れ具合を見れば

 種類や強さや規模も、ある程度予想できそうですね。

 それに、昨晩あれだけ人が騒いでいた上に

 火を焚いて、晩御飯の良い匂いや煙まで加わったら

 まだ様子見をしていた周辺の獣やモンスターも

 大きく動く可能性が出るかもしれませんし?」


「・・・・・・」



 やっぱり、このメガネさん、やりますわね。


 昨晩、サクさんにあれだけオロオロさせられ


 ミケを大爆笑させてくれただけじゃなく。


 今朝は今朝で、少女みたいな葛藤しまくって


 ミケを爆笑で悶死させそうにしてくれたおかげで


 ミケの出るタイミングを見失わせてくれるという


 ミケ殺しなだけのメガネさんかと思わせておいて


 たったあれだけの説明で、そこまで気付きますか~。



『わははは、そうゆー事やな。

 さすがは俺のリッちゃんやわ~!』


「はいはい、お褒め頂いてありがとうございます。

 まあ、いつもの冗談はともかく

 それでしたら、複数人で夜番すれば良かったのでは?

 説明して頂ければ、私も協力しますよ?

 れっきとした調査の一環な訳ですし」


「それはですね、リマさん。

 お師様が【広範囲サーチ】を使ってらっしゃるので

 複数人居ても無駄なのだそうです。

 はは、私も昨晩、お師様に同じ事を言われましたよ」


「(びくっ!)うわっ!?」


「(びくっ!)えっ!? あ、ノブユキさん?

 えっと、あっ、おはようございます」


「(にこにこ)はい、おはようございます。

 お師様もミケお姉様もおはようございます。

 (ズズッ、コクン)・・・美味しいお茶ですね。

 お師様、ありがとうございます」



 ・・・・・・ユキさん、いつの間に・・・。


 さては、ご主人様の気配を感知してっ!!?


 さすがはご主人様マニアですわね、侮れませんわ!!


 今のはミケですら、ちょっと気付きませんでしたわよ。


 ・・・それにしても舞とかの訓練受けた人って


 特殊な歩行するんで、音とか動作とか


 すっごいわかりにくいんですよねー。


 何で上体とか動かさずに、足先だけの移動で


 あんなに一定の速度で動けるんですかーーー!?


 ミケには真似できないししたくもない世界ですわ~~~。



『わははは、おはようさんや、ユキ。

 ・・・まー、そうゆー訳やリッちゃん。

 ユキが先にゆーてもーたけど、俺がスキル使っとるから

 感知だけやったら1人で十分なんや。

 よっぽどの事が起きそうやったら

 その時はさすがにみんなを起こすけどな~』


「な、なるほど・・・?

 ええと【広範囲サーチ】と言うと・・・。

 確か【レンジャー】専用のスキルでしたか?」


「ですねー、これまた、さすがによくご存知で。

 範囲内の生物の、位置と動きを把握できるスキルですわね」


「範囲内・・・ちなみに広範囲と言うのは?

 どのぐらいまでを把握できるんですか?」


『どうやったかな? 正確な最大距離はよーわからんけど

 感覚でゆーと、こっから歩いて30分ぐらいまで?』


「さっ!? 30分っ!!?」


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 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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