243 冒険者Aさんと師弟の会話 ④
あらすじ:人生初の感覚にリマさんオロオロ。
視点:だんだん感覚が麻痺してきた兄弟子 ノブユキ・ムトウさん
『』:アルファさん
「えっと、これをサバミソくんにかければいいんだな。
それじゃ、みんなお休みなんだな」
『おー、頼むわ~ロバやん。
そんじゃ、お休み~』
「お休みなさい、ロバートさん」
「(にまにま)ぷぷぷぷっ・・・。
あ! お休みですわ~、ロー。
ゆっくり休むんですわよー。
・・・・・・ぷっ!?」
(ザッザッザッザッ・・・スタスタスタ)
「あれ? 3人だけですか?」
『あれ? ライスちゃん戻ってきたん?
そのまま寝てもーても大丈夫やで?』
「いやー、アタシもそうしようかと思ったんですけど。
ほら、いつもだったら、まだ夜勤で忙しくしてる時間だし」
「(くすっ)ふふ、確かに。
周囲はもう真っ暗ですけど、実際はまだそんな時間ですしね。
まあ、それとは別で、ライスさんは夜営とか久し振りでしょうし
多分、自分では意識してない緊張も有ると思いますよ?」
「あっ、そっか・・・、そう言われればそうなの・・・かも?」
「(にまにま)何で疑問系なんです~? ・・・ぶふっ!?」
「えっ? あはは、ほら。
今日は装備もしてないし、戦闘もなかったじゃないですか?
どっちかって言うと、割とピクニックぽかったんで
実はアタシ、ほとんど意識してなかったんですよ、にひひっ!」
「それは良かったです。
ライスさんの大怪我の事は聞いてましたから
お師様も心配されていましたし」
『(もぐもぐ)もへっ?
・・・・・・(ごくん)お、おう! もちろんやんか~』
「・・・お師様」
ふふっ、お師様ったら・・・。
とぼけた振りされてますけど、ちゃんと私はわかってますよ?
今回のこの調査も、かなり予定を変更されたんですよね?
本当は完全武装で、調査と周辺の安全確保を含めて
1回で終わらせるご予定だったのでしょう。
さすがお師様です、何てお優しい・・・(うっとり)
「にひひひっ! わかってますって!
先生のそれは照れ隠しなんですよね!
ありがとうございます!」
「(くすすっ)・・・だそうですよ? お師様」
『・・・・・・お、おう』
ふふ・・・やりますね、ライスさん。
お師様の照れ隠しを見破るとは、たいした洞察力です。
しかも、返しもなかなかもものじゃないですか。
・・・・・実際にやってみないとわかりませんけど
確かに、お師様の仰ってた様に
お師様の代名詞とも呼べるあの技術を
ライスさんは受け継げるかもしれませんね。
「あっ! そうだ! ユキ兄さん。
アタシ呼ぶ時に{さん}なんて要りませんから。
兄妹弟子なんですし、そのまま気軽に呼び捨てて
ライスで呼んでくださいよ~。
アタシだって、兄さん呼びさせてもらってるんですから!
あ! それは先生やミケ姉さんも同じですよ!?」
「えっ? ええ、はい、わかりました」
『あれ? 俺も? いや、まー。
ライスちゃ・・・ライスがええんやったら、そー呼ぶけど?』
「・・・まー、確かに?
サバミソと同じで、略した{あだ名}にちゃん付けとか
正直どうなのかとミケも思ってましたから・・・。
あなたがそれで良いのなら、そう呼ばせてもらいますわ。
・・・・・・ぶふぉおっ!? くくくっ!(ぶふーーー)」
「にひひっ! それでよろしくお願いしますね!
・・・ところで、ミケ姉さんはさっきからどうしたんです?」
「ふへっ!? ・・・ぶほっ!(ぶふーー)
ちょ!? ちょ・・・メガネさん!?
お、おも、おも、おもしろす、あははは!(げらげらげら)」
「・・・ふぅ、ミケお姉様?」
やれやれ、ミケお姉様?
それは、ミケお姉様の特性みたいなものですから
仕方ないのでしょうけど、度を過ぎるとお師様に怒られますよ?
『ミ~ケ~? さすがにやるなと、俺も言わんけど。
あんまり、悪趣味なんはアカンでー?(ぽんっ)』
「(びくっ)ふぁ、ふぁ~い! ご主人たま~~!!」
「・・・???」
『あー、ライスちゃ・・・ライス。
今後もな~? 今みたいにミケが奇行に走る事も有るやろけど
あんまり気にせんでえーからなー?(なでなで)』
「(もじじっ)ふぇっ!? は! はぁい!?」
「(ぼそっ)良いなぁ、なでなで。
・・・・・・ごほん、え、ええとですね、ライス。
ミケお姉様は、所謂【妖狸】と呼ばれる【妖怪】でして」
「え? 今{良いな}って・・・、えっ!? 【妖狸】?」
『あと、お前は・・・(ひゅぱっ)
もう、えー加減にしとけよ?(ひゅっ)』
(バシーー「ドナイナットンネーン!!」ーーン!!!!)
「(シビシビシビ)ほげええ!? あばばばば!!!??」
「・・・ライス、これもいつもの事ですので
気にしないで下さいね?」
「はあ・・・、いえ、まあ、その。
酒場でも、たまに見た光景なんで・・・」
「ああ、そうなんですね・・・」




