241 冒険者Aさんと素朴な疑問 ⑦
あらすじ:拠点予定地に色々植えていたのは理由があったようです。
視点:見る物、知る物全てが珍しい サーバクン・ミーソットさん
『』:アルファさん
うーん・・・もうお腹いっぱい。
キノコってあんなにおいしかったんだ、知らなかったなあ。
そういえば、【リューグー】でも水辺の近くに生えてたけど
アレって食べれるのかな? おいしいのかな?
あっ・・・確か、栗みたいな木の実が落ちてる所もあったよね。
あのトゲトゲの中にあんなにおいしい実が入ってるって
普通わからないよね? ボクもびっくりしたもん。
あはは、帰った時に試す事が、また増えちゃった。
どんどん増えちゃって、覚えられないから
最近は教えてもらったメモを取るようにしてるんだよね。
あと、日記! 面白いよね、日記!
これも、皆に伝えなくっちゃね。
「サバミソ~、キノコは絶対に火を通して食べるんですよ?
まあ、あそこの中でなら、多少当たっても保護者が
何とかしてくれるでしょうしね~」
「えっ!? あ、はい! わかりました、うおっ」
「・・・・・・(もうアレって、絶対に心読んでるよね?)」
「(にっこにっこ)あ~~、おいしかった~~~~~。
・・・あ、そうだ! 先生。
さっきご飯中に聞いてた話で、ちょっと気になったんですけど」
『(にっこにっこ)わはは! ライスちゃんもモブ子ちゃんも
ええ食いっぷりやったなあ~、見てて気持ちえ~わ~。
んで? どしたんやー? ライスちゃん』
「あのキノコとかが美味しかったり、育つの早かったりするのは
【マナ】をたっぷり吸った? ・・・からなんですよね?」
『せやな。
まー、育つ環境も必要やけどなー』
「それって動物とかモンスターの場合も同じなんですか?」
「あー、それは良い質問ですわね、ライスちゃん。
・・・結論から言うと、基本的にはその通りですよ~。
やりますねえ~、ライスちゃん!」
「(ぽりぽり)にひひひっ、誉められちゃった!
・・・・・・えっ? 基本的に?」
『わははは! まー、幾つか例外は有るってだけで
基本的には【マナ】を多く取り込めたら
美味くなったり、育ちまくったりするんやで~』
うん、ボクもライスさんと同じ事が気になってたんだよね。
じゃあ、海にいるお魚やモンスターもやっぱり?
あれ? あのやたら大きなイカとかサメとかも?
でも、退治した後に食べてみたけどおいしくなかったよ?
「それが、ご主人様の仰った例外って事ですわ、サバミソ。
その大きいだけで美味しくない生物と言うのはですねー。
元々そういう育ち方をする生物なだけで
むしろ【マナ】は中途半端にしか取り込めてないんですよ」
「えっ? 中途半端ですか? うおっ」
「「「「「「「???」」」」」」」
『そもそも【マナ】ってのは、全ての原動力なんや。
動いたり、こうやってしゃべったりするだけでも
体に溜めた【マナ】をガンガン消費しとる訳やな。
それは、そこの不思議そうな顔しとる皆も知っとるやろ?』
「まあ・・・さすがにそのくらいは」
「あ、それは、おででも聞いた事あるんだな」
「あれ? そうなんですか? うおっ」
「そうだったんだ、知らなかったです、ととさま」
「アッシも! アッシも!」
「知ってた? ライス」
「ふっ、私が知ってたと思う? モブコ」
「そこは威張る所じゃありませんわよ~。
ユキさんは当然知ってるとして、メガネさんに、ローに
サバミソ・・・はよく知ってましたわね。
この時点でほぼ半数が脱落じゃないですか、ヤダー」
「えへへ、村の長老に教えてもらいました! うおっ」
『まー、【リューグー】は特殊な大陸やからなー。
さすがに教えられとるかー』
「【錬金術】や【付与術】の基本中の基本ですし
さすがに、私は知っていないとまずいですしね。
植物も動物も無機物も、この世界の全ての物質は
【マナ】を保有していて、その保有量には上限がある。
・・・ですよね? お師様」
『わははは! せやなー。
んで、【マナ】ってのは、基本的に外側から取り込めん。
食べ物とか水とかと一緒で、内側から取り込む訳やな。
ここまでは大丈夫そーかー? サバミソ~』
「えっと・・・あ、はい、うん、大丈夫です、うおっ」
うん、えっと、みんな【マナ】で活動してて?
それで【マナ】を持てる量? には限度があって・・・?
それは内側からしか取り込めない・・・と。
うん、大丈夫! 大丈夫・・・だよね?
「そうなんだか、おではそこまでは知らなかったんだな」
「・・・・・・(うん、まだ理解できる・・・かな?)」
「・・・ふわぁ?(ぽかーん)」
「「・・・・・・(こっくりこっくり)」」
「【マナ】を多く保有しているモンスターは強力なので
【マナ】濃度の高い地域は危険度が高いです。
そして【マナ】を多く保有している素材は
効果が高い物が多いので、当然価値も高くなります。
【冒険者ギルド】で行われるランク付けの基準は
元を辿れば、大半が【マナ】の影響なんですよね」
「あーっ!? そっか!!
ギルドの推奨ランクとか素材の値段とか
どーやって決めてるのかって思ってたんですけど
そう考えたら、すごい納得できました、リマさん。
モブコ! あんたも・・・も? ・・・ね、寝てるっ!?」
「あうう、さ、サンちゃん?(ゆさゆさ)
・・・ふわぁ(くあぁ)・・・はうっ!?」
『わははは! サクもそろそろ眠いやろ(なでなで)
まー、今日は朝も早よから皆頑張ってくれたし
たっぷり晩飯食って一休みしたら
ドッと疲れが出てもしゃーない、しゃーない。
そしたら、今日は皆もとっとと寝よかー』
「ですわねー。
【マナ】云々の話は、またいつでもできますしー。
では、ミケが後片付けしておきますので
皆さんはお先にテントにどうぞ~」
「あ、おでも手伝うんだな、ミケさん」
「むほほほ! 良い心がけですわ! ロー!
でしたら、あなたは運ぶ方を手伝って下さいましー。
そこで寝こけてる2人もそうですが
荷物をお堂横に設置した小さいテントに運んで欲しいのですよ」
「うん、わかったんだな」
「あ、ぼ、ボクも・・・ふぁあう?(ゆらゆら) うひょっ」
ぼ、ぼきゅも、お、おてしゅ・・・だい・・・を。
あ・・・きゅ、きゅうにまぶた、ぶた、ぶた?
「うひょって・・・あっ!? 1人追加ですわ、ロー!」
「あわわ、ほ、ほらサバミソくん・・・(ひょい)よっと!」
『わははは! ロバやん、サバミソは頼んだでー。
じゃあ、俺はサンちゃん運ぶわ。
モブ子ちゃんはライスちゃん、任せてえーかー?』
「うん、任せて先生、実は慣れてるんですよ、にっひっひ!
あ、えっと、アタシ達はどのテントです?」
『せやなー、小さい方のテントは3人いけるから
体大きいロバやんとサバミソで丁度良さそうやし。
そこの向かいの大きいテント行ってくれるかー?
先に下だけはマット敷いといたし
横に毛布と枕も置いといたから、好きに使ってくれたらええわ』
「はーい、わかりましたー、ほらモブコ~。
よい・・・(がばっ)しょっと!」
「ほにゃー、りゃいひゅー? (かくんかくん)」
(ズルズル、ズルズル)
「・・・あれは運ぶというより、半分引きずってるんじゃ?
あ・・・ふふっ、サクさんも追加ですね(くすっ)
それでは手の空いてる私が運びましょうか。
えっと、アルファさん達はこっち側の大きいテントですよね。
では、そちらに・・・さあ、サクさん(ひょいっ)」
「んみゅ? ・・・えへへへ(ぎゅーーーー)」
「えっ!? あ、あら?
えっと、あの? サクさん?(おろおろ)」
「(ちらっ)えー? どうしたんで・・・ぶはっ!?
ぷぷぷぷぷぷっ! あっはっはっは!!(げらげらげら)
サクさんにしがみつかれて、オロオロするメガネさんとか!!
これはこれは! 貴重なお姿を拝見~~~って
・・・実際、どうしましょうかね、ご主人様ー?」
(スタスタスタ)
『おー、どしたんやー? って、ほお~~~~~!?
これはこれは、乙な場面とゆーか珍場面とゆーか・・・。
どっちにしても眼福もんやな!!(にこにこ)』
「・・・いえ、主従で同じ様な反応してないで下さい。
それで、えっと・・・どうしましょう?(おろおろ)」
『せやなー、じゃあ、悪いんやけどリッちゃん。
何か起こすのもアレやし、そのまま連れてって
そっちの女の子用の大テントに一緒でええかな?
今日はもう、リッちゃんもそのまま寝てくれてええから。
リッちゃんも今日は疲れたやろ?
ゆっくり休んでな~! お休みさんや~!』
「・・・はあ、わかりました、ではお先に・・・。
あ、本日はお疲れ様でした、えっと、お休みなさい?」
「みゅう・・・(ぎゅっ、にまーーーー)」




