238 冒険者Aさんとさあ夜営の準備だ!
あらすじ:今回の調査は只のピクニックではなかったようです。
視点:Eランク冒険者 ポーターLv2 ロバートさん
『』:アルファさん
『・・・おっ? もう15時やな。
(パンパン、パンパン!)
よっしゃ、そしたらそろそろ夜営の準備始めよかー』
「はい、承知致しました、お師様。
場所はどの辺りに設置する予定でしょうか?」
「あら? もうこんな時間だったんですね・・・。
そうですね、時間的にはもう準備しないといけませんね」
おっ、もうそんな時間だったんだな。
おでもそうだったども、みんな収穫が楽しくて
ついつい時間を忘れてしまってただな。
危ない危ないんだな。
「えっ? 夜営ですか? うおっ」
「んんん? 先生、今日って泊まりなの?」
「そうですわよ~、2人共~。
あれ? 言ってませんでしたっけ?」
「聞いてないですよ~、ミケさーん。
モブコは聞いてた?」
「あはは、私も聞いて無かったよ、ライス」
『・・・そーゆーたら、宿でツリーさんには伝えたけど
あとは、ゼーロさんとかブラボーのじーさんとか
そこら辺ばっかりやった・・・か?
何や、俺らは準備しとったから
すっかり伝えた気になっとったわ~。
いやー、ごめんごめん』
「お、おでは準備手伝ってたんで知ってたんだな」
「私もそうですね、お師様の代わりに
消耗品の買い出しに行ってましたので」
「アッシはもちろん聞いてませんでしたでヤンス!(ふんすっ)」
「ボクもです、すいませんお手伝いできなくて、うおっ」
『あー、サバミソ達には農園の手伝いとか
代わりに行ってもらっとったしなー。
わははは、しゃーない、しゃーない!』
「・・・ま、まあ、言ってなかったかもしれませんけど
来た時の距離と時間考えたらさすがに気付きませんかね?
ちなみに、同じく言ってなかったメガネさんは
当然の様に気付いてたじゃないですかー」
「「(バッ)えっ!?」」
「(びくっ)えっ? ええ、まあ・・・。
確かに私も聞いてませんでしたが
ここへの到着に2時間程かかってましたので
帰りも考えるとそうなのかな・・・とは思ってましたね」
「うあー、さ、さすがリマさん(がっくり)」
「現役の冒険者なのに気付かなかった私って(がっくり)」
「えっと、だ、大丈夫ですか? うおっ」
「あはは、ありがとサバミソ君」
「うー・・・でも先生、ちょっと早くないですか?
まだ全然明るいと思うんですけど?」
「はあぁ~~~~~、やれやれですわ~、ライスちゃん」
「うわっ、すっごい溜息つかれた・・・」
「あ、あっと、ライスちゃん、それは違うんだな。
山や森の場合は、あっという間に暗くなってしまうから
暗くなる前に夜営の準備を終わらせてないと危ないんだな」
「・・・あ! そっか、近くの平野じゃないんだった。
確かにそうですね、ロバートさん、にひひひっ」
「(ぽりぽり)あはは、私も収穫に夢中になってたせいか
何か農園の手伝いしてる気分でしたよー」
「はあ、やれやれですわ~、良いですか~?
まず、{泊まる所を確保してから、ゆっくり飯を食う}
これは、旅の基本中の基本ですわよ~?」
(ガサガサガサ)
「今戻りました、ととさま。
・・・あ、あれ? みなさまどうされたんですか?」
『わははは、お帰りサク。
(なでなで)すまんな、お堂の掃除任せてもーて~』
「い、いえ、わたし慣れてますし、それに・・・その。
ととさまのお役に立てれてうれしいので!(ぱあああ)」
「「「「(はーーー、癒されるー)」」」」
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(カンカン、ザッザッ、カンカンカン)
「・・・小さい小屋?」
「確か、お堂って・・・お堂って何?」
『ん? どしたんや? 2人共ー。
・・・あー、お堂が珍しいんやなー』
(ザッザッザッ)
「アルさん、ちょっと良いだか?
次のテント張ろうと思うんだども
焚き火とかはどの辺りで焚く予定だか?」
『おっ? おー、さっすが、早いなロバやん!
えっとやな、そこの草生えとらん一角やな。
そこで火ぃ焚いて、そこ中心に大テント2つと
小テント2つを設置する予定やわー』
「えっと・・・ああ、なるほど、わかったんだな」
つまり、あの大きいテントなら4人か5人入れるし
それ2つと、小さいテント1つに分かれて寝て
残りの小さいテントには荷物を固めるって事だと思うんだな。
だったら、先に大きいのを向かい合わせて設置して
荷物用の小さいテントはお堂の側でいいだな。
(すたすたすた・・・バサッバサッ)
「「・・・・・・」」
『んー? 何や2人共、ぽかーんとして。
・・・おー、せやせや、お堂の話しやったっけ?』
「(あせあせ)えっ!? あ、はい、えっと、はい」
「いやー、意外って言ったら失礼かもしれないですけど
ロバートさんってもっとのんびりした人だと思ってたんで」
「ら、ライスッ!?」
『わははは、いや、凄いよなーロバやん。
今までも荷造りとか収納とか、手際良かったけど
今回は俺もちょっと驚いとるわ~』
「・・・ま、まあ、実は私も少しびっくりしました。
サバミソ君とロバートさんとは、結構パーティ組んでますので
荷造りとか上手いのは知ってたんですけど
今日はいつも以上に手際良いですよね?」
「あ、そっか、モブコはある程度知ってたから
アタシと違って、意外って感じとはまた別なんだ・・・」
「あははは、そうかも。
あっ! それでアルファさん、お堂? って何ですか?」
『おー、お堂ってのは、せやなー・・・。
こっちやったら小さい教会やったり聖堂みたいなもんか。
中に何か祀ってあって、そこを中心にして
結界やったり、浄化やったりの効果がある訳やなー』
「あーーー、教会に聖堂・・・なるほどなるほど。
何となく理解はできましたよ、先生」
「ちなみに、何が祀ってあるんですか?」
『それはやなー』
(たったったったった、ずざーーーー)
「(バーーーン!)それは・・・ミケです!!!!!!」
「「・・・・・・ふぇっ? ええええええええ!?」」
「まあ、正確にはミケの爪とか毛とかなんですけどね。
って言うか、何、サボってるんですか!!
ご主人様も、ほらほら!! 指示出してくださいまし!」
『わははは、すまんすまん。
せやな! ロバやんが頑張ってくれてるんやし
とりあえず、先に夜営の準備終わらせよかー!』
「「はーい!!」」




