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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
230/401

230 冒険者Aさんと調査同行の申請

あらすじ:馬車工房のおやっさんは酒場の娘達にモテモテだそうです。


視点:冒険者ギルド タンゴ支部 ギルドマスター ブラボーさん

『』:アルファさん


『まいどー』


「おう? アルファか、こんな時間に珍しい・・・んん?

 おいおい、1人ってのはもっと珍しいな、どうしたんじゃ?」


『ん? 珍し・・・いかー?

 わははは! ブラボーのじーさんが、こんな時間に

 まともに仕事しとるよりは珍しくないやろ~』


「なんじゃと!?」


「「「いや、まったくその通りで」」」


「おい!? お前らっ!?」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「はあ、やれやれ・・・話が長くなりそうじゃから

 とりあえず、相談室に来てもらったが・・・。

 で? どうしたんじゃ?」


『いや、単にな、近くの森の{調査クエスト}受けたやん?

 あれ、明日行くつもりやから、その手続きと・・・』


「・・・手続きと?」


『【監査同行の申請】に来たんやわ~』


「なんじゃと?」



 本当にこいつは・・・。


 ギルドのマイナーな制度とか、その辺詳しすぎるじゃろ!?


 この間はこの間で、【徒弟制度】とかマイナーな制度使いおって。


 ここは、本部のある【ドラント王国】のでかい支部と違って


 辺境の国のちっぽけな支部なんじゃぞ!?


 あんなもん使われたら、書類やら何やら、後の処理が面倒な事ぐらい


 お前じゃったらわかっとるはずじゃろが!


 ・・・ま、まあ、全部リマのやつがやってくれたんじゃがのう。



『そんでなー?

 明日、調査ついでにちょっとした{狩り}もする予定やから

 リッちゃんには{監査}として同行して貰いたいんやわ。

 ほれ、ブラボーのじーさんもご存知の通り

 調査の場合やったら、{狩り}は最低限しか認められてへんやろ?』


「まあ、そうじゃな、確かに。

 ・・・・・・それにしても{狩り}じゃと?

 何か特別な理由でもあるのか?」


『特別って程やないけど、ほれ、俺んとこも新人が増えたし。

 新しく弟子になった子も、引退状態やったからなー。

 ちょっと下の狩場で馴染ませんとアカンやろ?』


「・・・まあ、筋は通っとるのう?」


『あー、せやせや!

 その子、ライス・・・ライムグラスちゃんは

 Eランクのはずやったし、サバミソ達と合わせて

 また、【徒弟制度】使わせて貰うつもりやから』


「またか!?」


『わはは、手間取らせて悪いなー』



 ・・・ううむ、本当に、それだけじゃろうか?


 何かこやつ、隠しとる様な気がするんじゃよな。



「ところで、何で{監査}にリマのやつを指名なんじゃ?」


『んー? 逆に聞くけどな、じーさん。

 他に誰か行ける人が居んのか?』


「む? 行ける人じゃと?

 そうじゃな、例えばマリさん・・・はダメなのか?」


『・・・じーさん。

 Eランクでも行けるご近所の森の調査に

 凄腕のサブギルドマスターを連れてくんか?

 どんな化け物が潜んどんねん、その森』


「・・・・・・ダメじゃな、大事になるわい。

 そう考えると、確かにリマが適任じゃな」



 そりゃ、確かにダメじゃわい。


 サブギルドマスターと言う肩書きも有るんじゃが。


 マリさんは【行者組合】に所属しとる現役の{最上級行者}。


 【冒険者ギルド】で言えば{Aランク相当}じゃからな。


 しかも【絢爛舞踏の美戦姫】なんて二つ名持ちじゃ。


 そんな人が{わざわざ調査に同行}とかになれば


 まず間違いなく、うちに所属しとる冒険者だけじゃなく


 町長や町民にも余計な心配かける事になるわい。


 さすがに、それはまずすぎるじゃろ。


 そうなると、うちの支部の職員には


 俺を含めて実戦経験者が居らんからなあ・・・。


 今までもそうだったんじゃが、うちに所属してる冒険者って


 Cランクを越え出すと大半が【ドラント王国】に行っちまう。


 まあ、こればっかりは仕方ない、あっちは都会じゃからな。


 都会に憧れるのは田舎民の性ってもんじゃからのう。


 で、引退するまで町に残った者も、居ったには居ったが


 結局は王都の兵士に引き抜かれたり、貴族に雇われたりしとる。


 ・・・これも仕方ないと言えば、仕方ないじゃろうなあ。


 この町のギルドで、職員や教官やるよりも


 あっちの方なら肩書きも付くし、諸々含めて待遇ええじゃろし?


 ま、一応この2年間で、あやつの影響受けて


 この町の主力にまでなってくれてるやつも居るし。


 あの3人組、いや4人組になったんじゃよな?


 あの子らみたいに、期待できそうなのも育ってきとるし。


 何年か後には何とかなりそうなんじゃが、現状じゃと・・・。


 やっぱり、リマのやつに頼らんとダメなんじゃよなあ。



『っちゅー訳で、手続きよろしくー』


「ううむ、仕方ないのう」


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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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