221 冒険者Aさんと需要と依頼
あらすじ:ライムグラスさんの職場には既に根回し済みだったようです。
視点:最近忙しくなってきたギルド職員 インディアさん
『』:アルファさん
「・・・・・・うーん」
「どうかしたんですかぁ~? リマ先輩~。
まさか、またあのおっちゃ・・・ん”ん”っ
えっと、アルファさんが何かやらかしたんですか~?」
「・・・・・・・・・はぁ」
うわー、マジですかー?
わたい、冗談で聞いただけなんだけど・・・。
今度は何やらかしたのよ、あのおっちゃん。
「(はっ!?)あっ、ごめんなさいね、インディアさん。
ちょっと考え事してて・・・えっと、どうかしたのかしら?」
「え~~~? 先輩こそ本当にどうしたんですぅ~?
思いっきり{悩み有ります!}って感じでしたよぉ~?」
「あ、あら? ・・・そんなに?」
「そんなにですよぉ~」
リマ先輩も、前は仕事でいっぱいいっぱい過ぎて
考え事する余裕も無かったんでしょーけど
余裕が出たら出たで、色々悩み事が噴出しちゃうとか・・・。
それこそ、あの気楽なおっちゃんの影響でも受ければ
丁度いいんじゃない? とわたい的には思う訳よね。
「いえ・・・まあ、悩みって程じゃ無いんですよ?
ただ、私達って、アルファさんに頼りすぎてたなぁ・・・と
改めて思い知らされてたのよね」
「は、はあ・・・? 頼り・・・? ええ~~?」
何のこと? 頼りすぎてたって・・・おっちゃんに?
あの半端なく胡散臭いおっちゃんに?
・・・ま、まあ確かに、わたいも
おっちゃんが絡んで助かった事が、有ると言えば有るけど。
リマ先輩がそこまで言う程なの?
「・・・えっとですね、インディアさん。
このギルドで請け負っている依頼で
依頼者と依頼内容の割合って分かりますか?」
「えっ? 依頼者と依頼内容の割合ですかぁ~?
えっとぉ~、依頼者で1番多いのは・・・うーんとぉ?
商売してる人や【ビアー】から回ってくる依頼ですよね~?
内容の大半もぉ、モンスターの討伐や素材の納品・・・です?」
「ええ、そうです、よく把握してますね、インディアさん。
頼もしい後輩で私も嬉しいですよ(にこっ)」
「あ、あはは、ありがとうございますぅ~(ぽりぽり)」
あー・・・なるほど、これかぁ・・・これなのね。
わたいが誉められ慣れてないって言うのもあるけど
リマ先輩って、正面から真っ直ぐに意見を言うから
誉められたり頼まれたりすると、すごい・・・照れる。
むう・・・、しかも最近妙に綺麗になってない?
髪は色が濃くてツヤツヤになってるし、枝毛も無さそう。
肌だって明らかにハリが有るし、血色も良いよね。
普通だったら、恋してる? とか、男ができた? とか
そんな理由を疑うんだけど、何かそれも違う感じがする。
内面や言動には変化が無いのよね・・・。
「??(きょとん)
・・・それでね、インディアさん。
次に多いのが、王城からの注文品と他所のギルドからの依頼。
そして1番少ないのがこの町からの依頼なのも知ってるわよね?」
「え? まあ、はい・・・でも、ちょっと意外ですよね~?
普通は逆に町の方が多いんじゃないですか~?
確か、王都だと王城と城下町の依頼が多いって聞きましたしぃ。
あ、あと貴族の人達とかですよね?」
「(くすっ)ふふっ、本当によく調べてますね、インディアさん。
そうね、王都ではそれらの依頼がメインになってるわ。
それでね、この町は、ちょっと特殊なのよ」
「特殊? そうなんですか~?」
ん~~、なんだろ? 特殊・・・特殊?
・・・それにしても、わたいちょっと勘違いしてたかも?
リマ先輩って、こんな穏やかに世間話する人だっけ?
やっぱり、内面も変わったわよね。
いや、もしくはこっちが素なのかも?
ま、わたいには得しかないから、どっちでも良いんだけど。
・・・そんな事よりも~~!!
やっぱり、その美容の秘訣? が気になるんですけど!?
考えられるとしたら、化粧水? 美容液?
うーーーーーー! もうっ、気になるっ!!!




