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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
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22 冒険者Aさんと怪奇!血まみれ主従

あらすじ:ちゃんと帰る前に潮干狩り+αはしてきました。


視点:冒険者ギルド 受付嬢 リマさん

『』:アルファさん


(ザワザワザワザワ、ガヤガヤガヤ)



・・・ふうっ・・・そろそろ夕方の忙しい時間は越えたかしら。


でも、忙しかったのは忙しかったんだけど、やっぱり全然違うわね。


多少強行してでも、業務変更してもらって成功だったわ。


応対した人数も、一人当たりの時間も格段に減ったわね。


時間的にも、今から新規登録に来る人はほとんど居ないだろうし


これからがピークのクエスト報告処理と納品は・・・。


あー、そういえばノーヴェさんが本格的に入る事になったのよね。


後は・・・そうそう、フォティさんも事務から窓口へ異動になったわね。


フォティさん、まだギルド職員としては4ヶ月ぐらい? だけど


元が八百屋さんだっただけあって、接客の応対力とか本当凄いわよね・・・。


この間、どうしても手が足りなくて臨時で窓口に入ってもらった時なんて


あっさり適応して、ベテラン職員顔負けにどんどん捌いてたもの。


私なんて初めての時、ずっとわたわたして混乱しっぱなしだったっけ。


気さくで豪放な感じ、まさに肝っ玉母さんって感じよね・・・私とは正反対。


さ、後は問題さえ起きなければ暇でしょうし、のんびりしてようかしら。



(ガヤガヤザワザワ、ザワッ!!・・・・・シーーーーーーーン)



!? えっ? な・・・何っ?


ロビーの冒険者の人達が左右に分かれていって・・・・・・ひっ!!?


ち・・・血まみれ!? ・・・・アルファさん!!!?



(ザワザワ「うわぁ・・・血まみれのおっさんが・・・」ザワザワ)


(ザワザワ「おいおい、何だあの魚顔っていうか魚頭? いや、そんなことよりもひでえ」ザワザワ)


(ザワザワ「何だよアレ、あいつってあのしょぼいオッサンじゃね?」ザワザワ)


(ザワザワ「あー、ダザオね、ダサい雑魚おっさん、ははっ、雑魚すぎー」ザワザワ)


(ザワザワ「何か変なの連れてんな・・・にしても、くっさ! 臭すぎるだろ!!」ザワザワ)


(ザワザワ「おっさん、風呂ぐらい入ってこいよな」ザワザワ)



『おいーっす、リッちゃん!

 すまんなこんな格好で。』


「ど・・・どうされたんですか? そんなに血まみれで。

 それって血・・・ですよね?」


『あー、これなー・・・。

 帰り道に予想外の獲物捕まえたんで捌いてきたんやけど

 捌くの失敗してブシャーっとな。』


「え・・・ええ、なるほど?

 えっと、業務変更に伴いまして、今日からここの窓口は

 新規冒険者の登録と依頼の受付専用になってまして。」


『ん?、おーーー、そういやそうやったな。

 昨日ノーヴェくんが言ってたわ。

 あー、でも、新規登録も用事あるんやけど・・・

 そやな、先に報告と納品済ませてくるわ。

 んじゃ、また後でー。』



獲物ですか、あんなに返り血浴びるって、熊でも出たんでしょうか。


アルファさんとミケさんが、モロに血まみれ&異臭状態で凄惨な事に・・・。


・・・それにしても周辺の冒険者の人達も言いすぎでしょ。


前はそれほどではなかったと思うのに、最近口悪い人増えてるような気がする。


あの子の・・・デルタさんのせい・・・なのかしらね、やっぱり。


この間の事で、ギルド長が謹慎処分にしたらしいけど


罰則として窓口から一旦下げて、事務所で再教育。


・・・でも、多分あの子変わらないんだろうなぁ。


明らかに、貴族の娘として甘やかされまくって我侭一杯に育ってるもの。


そもそもギルド職員になったのも、その貴族のゴリ押しらしいし


この機会に少しはマシになってくれればいいんだけど・・・。



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




(ドタドタネチャネチャドタペタンペタン)


『俺のリッちゃん、おまたせ~!

 そんじゃ、登録頼むわー。』



あ、戻ってきましたね。


誰が誰のですか、まったく。


そうやって、また私をからかってるんですね。



「はいはい、またいつものご冗談ですね。

 それで、新規登録って・・・・。

 !? ・・・・・・えっ!!!?。」



ふ・・・服を着たお魚!?


い、いえ・・・よく見ると半魚人系の亜人・・・かしら?


でも、大人しそうだし、ちゃんと小ざっぱりとした服も着てる。


ぬめぬめもしてなさそうだし、生臭いわけでも・・・・。


いえ、そんなことよりも、横に居る血みどろのお二人の方がちょっと。



『おっ! リッちゃんも気ぃついたと思うけど

 この子は半魚人系の亜人で【リューグー】出身の子なんやわー。』


「あ・・・【リューグー】出身ですか。

 私は初めてお会いする亜人の方ですね。

 ・・・ごほん、私はこの【タンゴの町支部】の職員で

 主に窓口を担当しています、リマと言います。

 【冒険者ギルド タンゴの町支部】へようこそ。

 えっと、冒険者への登録でよろしいでしょうか?」


「はっ、はい! ボクは【リューグー】からやってきました

 サーバクン・ミーソットと言います! うおっ。

 り、リマさん、冒険者への登録をお願いします! うおっ。」


『昨日、初めてこの大陸に上陸してきたみたいで、何やかんやで知り合ってなー

 まだ若干14才やけど、話してみたらなかなか見所のある子なんやわ。

 さすがに右も左もわからんらしいから、面倒見たる事になったんや。

 なあなあ!? なあなあ、リッちゃん!

 面倒見のええ頼れる男って、惚れ直したくなれへんか?』


「はいはい、私の記憶では、直すも何も始まってすらなかったはずですけど

 人として頼り甲斐があるのは素敵な事だと思いますよ。

 でも、それを口にされなければもっと素敵だったんじゃないでしょうか?」


『(´゜Д゜`)ガーン』


「ご、ご主人様!!?

 ご主人様はとっても! 頼り甲斐があって! 素敵で素敵で素敵すぎて!

 {THE ステッキマン}を名乗ってもいいほどの素敵ぶりですよ!!

 大丈夫です! ミケはちゃんとわかってますよ! 自信を持ってください!?

 ですので、その素敵ぶりをもっとミケに発揮してもいいんですよ!!」


「・・・・(ゴソゴソゴソ)えっと、サーバクンさん?

 もしくは、ミーソットさんとお呼びした方がいいですか?

 では冒険者の新規登録を行いますね。

 (サッ)こちらの書類が登録用紙でして

 ご自分で記入する事も可能ですけど、代筆も行っておりますので

 よろしければ、説明も交えてこちらで記入しましょうか?」

 

「あ、はい! ミーソットは一族の呼び方ですので

 ボクの事はサーバクンと呼んでください、うおっ。

 そ、それでは代筆の方でお願いできますか? うおっ。」



うん、見た目に少し驚きましたけど、素直で良い子そうよね。


えーーーーと、・・・とりあえずまだ騒いでる血みどろ主従は放置でいいかな。


ところで、語尾に{うおっ}と付くのは【リューグー】の方言なのかしら?


もしくは【リューグー人】の特徴?



『(むむっ!!?)あ!、そういえばやな。

 この子、しゃべってる時、語尾に{うおっ}て付くけど

 半魚人系の種族にはよくある特性でな。

 エラ呼吸と肺呼吸の両方を使い分けてるから

 肺呼吸の場合はエラも少し開閉してまうんやわ。

 で、息継ぎの際にしゃっくりみたいに詰まった声が出てしまうけど

 まあ、そういうもんと思ってあんまし気にせんといたってくれるかな?』


「なるほど、わかりました。

 大丈夫ですよ、それこそこの国に住んでる人でも

 もっと凄い方言とか、特徴ある話し方をされる方もおられますし。」



いつも冗談ばかりですけど、やっぱりこういう所に細かく気が付く方なんですよね。


他の冒険者の人達からはなぜかあまり評価されてないみたいですけど


面倒を見てもらった新人の子達には慕われているようですし


私も含めギルド職員達からはありがたい存在なんですよね。


・・・そういう所はちょっと素敵だなと思いますけど。



『(むむむ!!!)ぬっふっふ! どう? どないかな?

 今の{細かい所に気が付くイイ男}アピールって

 ちょっと惚れても良いかなとか思わんかった? かな? かな?

 惚れてくれてもええんやで!! (゜∀゜)ドヤァ』


「・・・それではサーバクンさん、登録を始めますね?」


「は、はい、うおっ。」



・・・いっつも冗談ばっかり。


やっぱりからかわれてるだけなんでしょうね。



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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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