02改 冒険者Aさんと従者のぼやき
修正版
月日とかは後回し。
徐々に続きも手直ししていきます。
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あらすじ:アルファさんお誘いをスルーされる
視点:アルファさんの従者 大妖狸ミケニャンさん
『』:アルファさん
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◆冒険者ギルド前◆
もう! 何なんです!? あのメガネ女!!
毎回、ご主人様のお誘いを断るだなんて!!
そんなんだから行き遅れに~~!
えっ? 100才越えてるお前が言うか~
ですって!? ひどい! ご主人様!!
「ミケの事はどうでもいいじゃないですか!
そもそもミケはご主人様の従者ですし
【大妖怪】ですし? 狸ですし?
ミケはまだ【大妖怪】になりたてで!
ピチピチの…ピッチピチの115才!
だからいいんです~!!」
『わはは! ピチピチの115才とか
えらいインパクトのある言葉やな』
「この姿になってから15年なんですから
人間と同じ15才って事ですよ!!
ご主人様のお供をして20年!
ご主人様一筋の忠狸ですよ!?
ですので、ご主人様!
あんなメガネ女の事は放っといて
ミケと番になりましょうよ~~!!」
『いやー…お前が人型になれるまでの5年間。
狸姿の方でガッツリ慣れてもうたしなー』
「え───?」
『大体にして、今のお前の姿って
どー見ても10才ぐらいやないか。
しかも、耳とか尻尾とかふっさふさで
まんま狸の特徴残っとるし』
「ええ────!?」
『せやな~、俺の好みとしては
{知的で包容力のある大人な女性}やな!
例えば、リッちゃんとかばっちり!
ミケじゃ、色んな意味で無理やで~』
ぐぬぬぬぬ……。
ま、まあ…仕方ないですけどね。
ご主人様の従者になった頃って
モロに獣姿でしたし。
ですが!!
「ふふふ…甘いですわ! ご主人様。
ミケが何も知らないとでも?
【フソウ】の【遊郭街】でのご主人様の好み。
ミケは、ば~っちり把握してるんですよ?
{尽くす女性}…お好きでしょう?」
『ぬっ!? そんなもん把握されとったんか!
う~ぬ…少しショックやな』
「当然ですわ! それにご主人様!
ミケもそのうち{ないすばでぃな美女}に
なる予定ですし! いいえなりますわ!
そして、断言してもいいですけど
ミケほどご主人様に尽くす女は居ませんよ?」
『…ってゆーか、ミケ。
今の姿になって15年は経っとるはずやけど
ほとんど変わらんよな、お前。
ほんまに外見って成長すんの?』
まー…当時のミケは、まだただの【妖狸】で
【フソウ】の都付近を縄張りにして
ご近所の【妖狐】と長年争ってたら
ちょ~っと悪名上げ過ぎちゃったせいで
ご主人様達が調査に来たんですよねー。
で、早とちりして襲い掛かったアホ狐は
フルボッコされて滅殺。
ミケも危うく滅殺されかけましたけど
あっ、コレ無理ぃ~って泣いて謝ったら
あっさり許してくれたんでしたよね。
……正直、意外でしたけど。
それから、ミケは保護観察される形で
【行者組合】にご主人様の従者として登録され
あっという間に20年…。
まさか【妖狸】が100才越えると
存在が【大妖狸】に昇華するだけじゃなく
本体が人化した姿で固定されるとは
ミケもご主人様も知りませんでしたから
あの時は本当に焦りましたわよねー。
しかも、今度は元の【妖狸】の姿になるには
変化が必要になるとか…。
本末転倒じゃないですか、やだー!
…でも、そんなことよりも! 問題なのは!
ミケが【大妖狸】になって人化した姿が
狸耳とふさふさの尻尾付きの幼女って事です!
【妖狸】の時、よく変化してた姿って
むっちむちな巨乳美女とかだったのに…。
ご主人様好みの姿だったのにぃいい!!!?
ぐぬぬぬぬぬぬ!!!!
「で・す・が!! ご心配いりませんわっ!
大丈夫です、大丈夫ですよ! ご主人様っ!
ご主人様は【フソウ】で長く過ごされました!
だから、きっと問題ありませんわ~!?」
『いやー…何が大丈夫やねん。
確かに俺は【フソウ】に長い事住んどったし
その文化にも慣れ親しんどるけど。
俺は【少女愛好家】やあらへんし
【半獣人愛好家】でもあらへんしな~。
ましてや、【同姓愛好家】とはちゃうし
【性逆転愛好家】な訳でもないで?
…ん~、俺も結構、色んな大陸周ったけど
そう考えたら【フソウ民】の性癖って
闇が深すぎへんか? まー…別に
個人の性癖を否定する気もないけどな~』
「……ご主人様」
『なんや?』
「【少女婆愛好家】はどうですか?」
『無いわー…【外見だけ少女】やったら
まだ範囲内やねんけどな~。
でも、【少女婆愛好家】は範囲外。
…さすがに無理やわー』
「イケる! イケる! 絶対イケますよー!!
諦めちゃダメですよ! もっと積極的に!!
ご主人様ならイケますって!
素質はありますよ!! ね!?」
『何のやねん。
てゆーかお前は【フソウ】の【太陽神様】か!?
…いや、そもそも何の話しとんねん』
うぬぬぬぬぬぬ……。
相変わらずご主人様は手ごわいですね。
それにしても、従者になってからの5年間。
まだ獣の姿だった時は、お風呂も一緒で
全身隅々まで洗ってもらったり!
一緒の布団で抱いてもらって寝たり!!
ご主人様の手でご飯食べさせてもらったり!!!
それはもう、色々してもらえましたのに!!?
今の姿になってからというもの
お風呂は一緒に入るだけで
せいぜい、お背中を流して差し上げたり!
一緒の布団で抱きついて寝たり!!
ご飯の時もご主人様のお膝の上に座る程度!!!
ひどいですわ!!
これがミケへの仕打ちだなんて…!!
…ん? よく考えると大差ない?
いえいえいえ!? 少なくとも
抱っこしてモフモフされたり
毛づくろいは回数減っちゃいましたよ!!
……………はっ!?
そんな事よりも今はあのメガネ女の事ですよ!
…そう言えば、そもそもですが。
ご主人様は何であんな地味なメガネ女を
あれほど気に入ってるのでしょうかね?
ミケの方が何倍も! 何十倍も!!
良い女だと思うんですけどね~~~~~。
そりゃ、あの新人のアホの子とは違って
受け答えは丁寧で応対しっかりしてますし?
依頼に関しても、依頼書に記載の無い事まで
依頼主にしっかり確認を取って
クエスト受注の際に細かに伝えてくれますし?
他所の国のギルド職員みたいに
架空の実績作り上げたりもしなければ
報酬のごまかしも中抜きもしませんし?
新人冒険者の子達には、元冒険者の観点で
助言や忠告をしてるのをよく見かけますし?
………あれ? もしかして
ギルド職員としてはかなり優良なんじゃ?
いやいやいや!!
それにしたってあのメガネですよ!
分厚い【瓶底メガネ】!!
一体いつの時代の代物なんですかアレ。
それに、たまに光ってますし!!
光線でもでるって言うんですか!?
今時、あんなメガネかけてる人どころか
売ってるのすら見たことないですよ。
そういえば、{メガネ外したら美人}とかって
色んな物語なんかでは定番ですけど
外してるの見たら、糸目でしたね…。
糸目───!!!! プギャー!!
…はあ、はあ…あれ?
ミケって何に腹を立ててたんでしたっけ?
そんなことよりも、お腹減りましたわねー。
『ミケー、ボチボチ腹も減ってきたし
晩飯にしよか、晩飯!
今日は宿にゆーてないしな
晩飯は外へ食いに行くかー』
「そうですね! そうしましょう!!
ミケもお腹ぺこぺこですよー!
ご主人様ー、今日はどこへ行きますかー?」