198 冒険者Aさんと師弟の会話 ③
あらすじ:サクさんのクラスチェンジ先は吟遊詩人に決まったようです。
視点:師匠への疑問は解消せずにいられない弟子 ノブユキ・ムトウさん
『』:アルファさん
(ギーーーー、パタン、とてとてとて)
「・・・ああ、サクはもう寝ましたか」
「(すりすり)にゃふ~~、それはもうバタンキューでしたわ~~」
『(わしゃわしゃ)まーなー、今日は色々あったんも有るけど
そもそも、ユキ達も今朝からダンジョン探索行ったんやろ?
そら、さすがに疲れとるわな・・・(シャッシャッ)
ユキも疲れたやろ? 今日はもう寝るんやでー?
探索結果とかは、別に急ぎや無いし、明日ゆっくり聞くしな~』
「あ・・・はい・・・」
(バフッ、もそもそもそもそ)
「(ごろんごろん)ふにょっひょっひょ。
ユキさ~ん、何かご主人様にお聞きしたい事あるんじゃ
ないれふか~~~? 何か聞きたそうなお顔してますわよ~?」
「っ!?(ぴくんっ)」
あはは・・・、さすがにミケお姉様にはバレバレですか。
・・・当然、お師様にもバレバレなのでしょうね。
単に私が顔に出易いだけなのかもしれませんけど・・・。
『(がしっ!)ええい、ごろんごろん動くな、ミケ。
ブラッシングし辛いやないか。
お前がごほーびねだったんやろーが。
(シャッシャッ)・・・んで? どしたんや? ユキ』
「・・・では、1つお聞きしたいのですけど。
ダンジョンの【核】は破壊した後に回収して
先程、ミケお姉様が手続きをされたんですよね?」
「(ぺろぺろぺろ)しょうでしゅわひょっひょ。
【ビアー】で【フソウ】までの配達手続きしてきましたわよ~。
ちゃ~んと、{重要物品}扱いでね~?
はて? それがど~かしましたか~?(すりすりすり)」
「いえ、それは特に・・・。
気になってるのは、あのデーモンの・・・子?
名前はサンシターさんでしたよね? あの子の事です」
そう、破壊した【核】を何に使う為に【フソウ】へ? とか。
あのデーモンって、そもそもデーモンなんですか? とか。
何をどうしたら、あんな不可思議な生物に? とか。
色々疑問は尽きませんが、それは後々お聞きするとして。
「・・・・・・えっと、あのデーモンの子なのですが。
どうして、助けたのでしょうか?
何か助けなければならない理由でも有ったのでしょうか?」
『あー、それかー・・・・・・。(ごそごそごそ)
有った有った、ほれ、コレやコレ』
「・・・本・・・ですか?
題名は・・・【脳筋忍者でもわかるトラップ入門・中級編】
えっ!? こ、これって・・・!!?』
「(はむはむはむ)ひゃむひゃむひゃむ。
あーーー、やっぱり知ってるんですか~?
本気で感心しますわねー、ユキさんのご主人様マニアっぷり」
『わはは、俺が取り出しておいて何やけど
あんまし興奮したら寝られへんよーになるで、ユキ。
ま、こっちの本の事は、今度なー。
今度また、じっくり見せたるからなー?(ごそごそごそ)』
「あ、はい・・・(しょぼーん)」
・・・・・・はうっ。
少し・・・いえ、すごく残念ではありますけど
お師様の仰る通り、今手にとってしまったら
多分・・・いえ、間違いなく、寝食を忘れそうですし。
今日はこのまま寝ないと駄目ですね。
それにしても、あの本って、確か・・・。
『(なでなでなで)ほれほれ、あの本の事は一旦置いといて
今はゆっくり寝るんやでー? ユキ。
気になるんはしゃーないけど、な?(ぽんぽんぽん)』
「は、はい・・・うふふふふ・・・(うっとり)」
「(ぺしぺしぺしぺし)ご主人様~?
ミケの労わりタイムはもう終わりですの~?」
『もう終わりでええやろ、ミケ~。
ほれ、俺らも寝るで~?
何だかんだで今日は結構疲れたしなー。
おっさんの疲れ易さなめんなよ~?
んじゃ、ランプの灯りも消すからな~~』
(カチャカチャ、シュボボボボ、フッ)
「・・・・・・お師様」
『(もそもそ)あ、どっこらせ~~っと、ん? 何や?』
「さっきの疑問なんですが、理解できました。
{ここに有る筈の無い本}を持っていたら
それは確かに、連れて帰りますよね・・・」
「しかも、こんな辺境のダンジョンの主になってた
【グレーターデーモン】が持っていたんですから
見つけたミケもびっくりですわよ~~~。
そりゃー連れて帰りますって~(くんかくんか)」
『ま、そんなとこやなー。
そんじゃ寝るかー』
やっぱり、そうでしたか。
あのピンクの子が持ってたから・・・。
そっか、あの子が・・・・・・あれっ?
「ところでお師様、あの子はどこに?」
『サンちゃんは、マリちゃんが連れて帰ったでー?
ま、ギルド的にも色々聞きたい事もあるやろーし。
事前に説明しとかんとアカン事もあるやろーしな~』
「まー、そもそも、まだ従者登録してませんしね~」
「あ・・・そうなんですか、少し残念ですね」
『まー、明日登録したら、そっからは一緒やし。
また家族が増えるな~、わははは(わしわしわし)
そんじゃ、おやすみー』
「はい、おやすみなさいです、お師様」




