197 冒険者Aさんと超重要案件の争い・続編
あらすじ:鶴の一声ならぬデーモンの一声で場がまとまりそうです。
視点:腹太鼓が得意な大妖狸 ミケニャンさん
『』:アルファさん
「・・・・・・えーと?
つまり、サクさんを{踊り子}と{歌い手}の
どちらにするかで意見が割れたけど
そこのピンクのナマモノの意見で
どっちもやれば良いじゃない! と言う結論が出た、と?」
「そうね~」
『せやで~』
「どっちもって事は【アイドル】ですか?
まー、あれは巫女とか神官の亜種みたいなものですし
神様の協力が必要不可欠ですけど・・・。
でしたら、いっその事、楽器演奏も混ぜて
【バード】とかで良いんじゃないですか?
そっちなら条件も緩いし、特に制約も無い訳ですし」
「『・・・・・・・・・あっ!?』」
「・・・じゃあ、この話はこれで解決と言う事で
よろしいですか?」
「あはは、そう言う事かしらね~」
『わはは、そんな感じやな』
はあ・・・ミケがご主人様の指示でひとっ走りしてる間に
何をどーでも良い事で火花散らしてるんですか、も~~~。
まー、これでひとまずは一見落着っぽいですし
後は、ゆっくりご主人様に労ってもらうだけ・・・。
「(たわわ~ん)なるほど、{吟遊詩人}ですか。
効果は特化クラスほど高くないけど
パーティの強化に敵への弱体化と
幅広く活動できるから、冒険者向き・・・ですよね?」
『せやな。
確か【バード】やったら、
楽器だけでも効果の出るスキルが有ったはずやし
同じパーティ間でやったら、演奏や歌や踊りを
クラス外のもんが代理で担当しても、効果が出るって
スキルもあったはずやし、俺も手伝えるやん。
な? ととさまも一緒でええか? サク(なでなで)』
「(あわあわ)あ、は、はいでしゅ!? あうう・・・」
「あら~~~、それは素適ね!
じゃあユキちゃんも加わって、一緒に歌って踊ったり?
うんうん! とっても良いわね~!」
「母上? ・・・私は強制参加なのですか?」
「ほっ・・・・・・。
はあ~~、決まって良かったでヤンスよ~~~。
アッシなんてもう、冷や汗かきまくりで!!」
『わはは! すまんなサンシター(ぽんぽん)
・・・うーん、何か呼びにくいな・・・サンシ?
サンタ? ・・・やと別の意味になるし?
・・・・・・もう、サンちゃんでええか。
よっしゃ! サンちゃん!
お前もサクの従者として、一緒に参加してもらうで~?』
「えっ!? さ、サンちゃん!?
いや、それよりも、あ、アッシもでヤンスか!?」
「わあ! 何か楽しそうですね!
ボクも一緒にやりたいです、うおっ!」
「うーん・・・お、おでは不器用だから
歌も踊りも無理だども、つ、角笛なら吹けるんだな。
故郷でヤギとかを角笛で誘導してたんだな」
「ぬっふっふっふ、皆さん、ミケを誰だとお思いで?
狸といえば腹鼓!!!
芸術的とも言える音色を奏でて見せますわよ!?」
(ワイワイ、ガヤガヤガヤ)
「あらあら、みんな楽しそうね~、何だか羨ましいわ。
良かったわね、サクちゃん?(なでなで)」
「(どたぷ~ん)良かったですね、サクちゃん(なでなで)」
「(おろおろ)あっ! あ、は、は・・・い!」
「何だかよくわからないでヤンスけど
マスター、良かったでヤンスな~~。
・・・あっ、そう言えば、アッシの記憶だと
【バード】って、綺麗で派手な衣装を着てたでヤンスけど
マスターもそんな衣装を着るでヤンスか?」
『おっ!? サンちゃんは見た事あるんやな。
せやな~~、派手なんはちょっとあれやけど
それこそ【アイドル】みたいなフリルがたくさん付いた
フリフリの可愛らしい衣装なんか似合いそうやし
そんなんを服屋さんに頼んで、作って貰うか~』
「あら? 小袖の方が合うんじゃないかしら?
明るめの地の生地に刺繍で花模様を入れたのとか
とっても似合って、可愛らしいと思うわよ?」
「『・・・は?』」
(シーーーーーーーーーン)
「『・・・・・・・・・』」
またですか!?
か~~~! もう~~~~~~!!!
面倒臭い方達ですわね!!!
・・・ふふふ、でもまー、ご主人様と一緒だと?
こんな場面はしょっちゅうですし?
もう慣れっこですわ~~~~。
「(ぶんぶん)はいはい! ご主人様もマリさんもヤメヤメ!
それこそ、両方作ったら良いでしょ~~~!
衣装も楽器も踊りも歌も、色んなのを試して!
色々楽しめば良いじゃないですか~?」
『せやな』
「それもそうね」