196 冒険者Aさんと超重要案件の争い
あらすじ:三下のサンシターさんはサクさんのオトモになる事になりました。
視点:元グレーターデーモン サクの従者 サンシターさん
『』:アルファさん
「やっぱり【ダンサー】よね!」
『やっぱり【シンガー】やろ!』
「『・・・・・・』」
(シーーーーーーーーーーン)
「【ダンサー】よね?」
『【シンガー】やろ?』
「『・・・・・・?』」
(シーーーーーーーーーーン)
「(ごごごごごごご)うふふ・・・。
何を言ってるのかしらアルファさん。
こんな小柄で可愛らしいサクちゃんが
健気にピョンピョン踊るのよ?
ね~? 見てみたいと思うでしょう~?」
『(ごごごごごごご)わはは・・・。
確かにそれはそれで見たい。
せやけど、マリちゃん。
サクが鈴の様な可愛らしい声で楽しそうに歌うんやで?
そんな姿、義父としては、絶対に見たいやん。
マリちゃんも人の親としてわかるやろ?』
「わかる!! わかるわっ!!!
だからユキちゃんの時なんかそれはもう!!」
『せやろ?』
「・・・・・・おほんおほん」
「・・・っ!!?(あわあわ、おろおろ)」
何でヤンスかね? この状況。
とりあえず、そこで、あわあわおろおろしてるお嬢様が
アッシの主人となるお嬢様だって事はわかったでヤンスけど。
・・・・えっと・・・アッシの件が一旦済んで
オヤビン達の拠点のお宿に帰ってきた? ・・・んでヤンスが。
大事な用件があるとの事で、ギルドのお偉いさん? のお人達も
一緒にお宿にやってきたんでヤンス。
そして、大変おいしい夕食後に何か始まったんでヤンス。
はあ・・・、あんなおいしいごはんって初めて食べたでヤンス。
アッシの様な下っ端の者にも、こんな贅沢させて頂けるなんて
今度のオヤブン・・・あっ! オヤビンでヤンシた!
オヤビンはすごく器の大きいお方なんでヤンスね~。
「それに、アルファさん。
サクちゃんは、あまり得意じゃないとは言っても
身のこなしや足さばきは、一般人とは別格なのよ~?
【ダンサー】なら、その強みは生かせるでしょ~?
すぐにでも{凄腕の踊り子}として有名になれるわよ」
『いやいやマリちゃん、俺としてはむしろ逆やねん。
今までと全く違う方向性で色々やって欲しいんやわ。
別にその道で有名人になって欲しいとかちゃうねん。
サクの他の可能性とか、楽しめるモノを見つけてやりたいんや。
そー考えたら、【シンガー】は悪ぅないやろ?』
「まあ・・・確かに。
得意な事と好きな事は別物だし、無理強いは良く無いわよね」
「まー、それはそうとして。
絶対に{愛され系}として人気は出ると思うけどなー』
「それは、私もそう思うわね~」
「私もそれは同感ね(ぼよよ~ん)」
「さ、サクちゃんが歌うんだか?
ほっこりしそうだし、おでも見てみたいんだな」
「歌ですか、何だか楽しそうですね、うおっ」
「{歌い手}のサクですか、良さそうですね」
『それこそ、実用的ってゆーんやったら
そのまま【シーフ】を続けても変わらんわけやしなー?』
えっと、結論が出たっぽいんでヤンスかね?
よくわからないでヤンスけど
要するに、お嬢様が、冒険者として・・・冒険者?
冒険者としての会話としては、何か違う気がするでヤンスけど。
どんな方向性にするかって事でヤンスかね?
まあ、アッシの方向性もそれで決まりそうでヤンスね。
「うーん・・・それはそうなんだけど。
でも、踊ってるサクちゃんも見たいのよね~。
・・・ユキちゃんと一緒に踊ってくれたら、なお良し!?」
「母様、私の舞踊は幼少から散々見たと思いますが?」
「何言ってるの!? ユキちゃん。
母親としては、いつでも何度でも見たいものなのよ!!」
「(ぽよんぽよん)まあまあ、落ち着こうよマリちゃん。
マリちゃんの好みはともかく、今はサクちゃんの話よ?」
「で、でも、確かにサクちゃんが踊るのも楽しそうなんだな」
「でしょう!? ロバートさんもそう思うわよね!?」
(やいのやいの、ワイワイワイ)
「あ、あの~~~~~~~?」
『ん? どないしたんや? サンシター。
遠慮せんと発言してくれてええんやで?』
「え、えっと、はいでヤンス。
あの・・・、アッシには良くわからないんでヤンスけど。
それは、両方じゃ駄目なんでヤンスか?」
「両・・・?」
『方・・・?』
(シーーーーーーーーーーーン)
あっ・・・、こ、これはもしかして
アッシ、やらかしちゃったでヤンスか?
ああ・・・、アッシはここでデーモン生を終えるでヤンスか?
うう、あまりにも短かったでヤンス。
・・・でも最後においしいもの食べれたし・・・まあ?
「(ばっ!)それよっーー!!!?」
『(ばっ!)それやっーー!!!?』
・・・はっ? えっ!?
どっどっどっ、どれでヤンスか!?
(どたどたどたどた、ガチャッ)
「(ばーーーーん!)ご主人様~! 只今戻りましたわ!!
ご主人様の大事な大事なミケが戻りましたわよ~~!!!」
(シーーーーーーーーン)
「・・・・・・何ですのー? この状況」




