193 冒険者Aさんととりあえずやってみた結果
あらすじ:エッセンさんは食っちゃ寝の化身、だけではなかったようです。
視点:悪魔など人外の物の怪に対して特効持ち 大妖狸ミケニャンさん
『』:アルファさん
・・・何だかんだ言っても、さすがは{神憑き}の神官ですわね。
本人の能力や性格はともかく、【神の奇跡】の力はやはり凄い。
(モワワワワ、モクモクモクモク)
「「ふぁっ!?」」
『ほーー・・・・・・、こうなったか』
「終わったよー! アルファ。
でも、これって微妙だよね」
「ですわねー」
「(じたばた)むーーーー!? むー!!!!!???」
このヒゲロリーフが【神の奇跡】の力を借りて試みたのは
取り憑いてる悪魔とやらを引き剥がす事。
元の素材になった人間の魂が残ってて、上手い事分離できれば
悪魔だけを引き剥がせたんですけどね~。
結果は、何か混ざりまくった小悪魔人間が爆誕!!
「えっと、にーさん。
これって成功なんでっか? 失敗なんでっか?」
「見て分かりませんか? 失敗に決まってるでしょ」
「そーなん?」
『せやなー。
完全に分離できたら、人工ダンジョン化する前の情報源として
使えるかと思ってエッちゃんに頑張ってもらったんやけどな。
・・・ちなみにユミネちゃん』
「えっ!? はい、おじさま」
『(ずびしっ)今のコレ・・・やねんけど
どうゆー状態で何でこーなっとるか理解できとる~?』
「っ!? ちょ、ちょっと待って、おじさま~~!!!」
あー、情報源にはなりそうになかったですけど
ユミネさんの経験積むのには丁度良い教材ですわね。
さすがご主人様! 抜け目ありませんわ~~~!?
失敗作の処分予定品も有効活用ですわね!!!
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽
▽
「えっと・・・、多分、生贄に憑依させた悪魔が
魂の大部分に侵食しとって・・・ってゆーかほぼ上書き。
そんで、肉体も含めて、そのまま融合しちゃってる・・・?」
「おっ!? 良い回答ですわね、ユミネさん。
引き続きどうぞ?」
「あ、はい。
・・・で、融合した事で、悪魔の位階が上がったんやと思います」
『せやな、多分、元々召喚したんは【ハイデーモン】とかその辺やろ。
んで、融合して【固有種モンスター】になったんやろな。
いわゆる【グレーターデーモン】って呼ばれとるやつや。
強さや能力は、素体依存になるから、ピンキリやけどな~』
「ふわぁ・・・{偉大な悪魔}ですか。
な、なるほど・・・勉強になりますわ、おじさま」
「はーーー、モンスターの【固有種】化でっか・・・。
そうゆーたら、【フソウ】でも、悪霊に取り憑かれた人とかが
完全に魂まで食われてさらに凶暴化するとか、たまに居りますけど
アレも、そーゆー事なんかやろか?」
『おっ? よー知っとるやん、ジンくん。
せやでー、現象としては似とるな。
んで、どっちもそーなったら分離はでけへん。
・・・うん、ユミネちゃん、よー理解でけたな!
帰ったら、何かごほうび考えとくわ~』
「わーーーい!!」
「ねえねえ、アルファ。
もう用が無いんだったら、早く帰ろうよ。
ボク、またお腹減ってきちゃったし(ぐううぅぅぅぅ)」
まーーーったく、このヒゲワンコは~~~!
役に立ったかと思ったら、すぐそれですか。
ま、でも確かに、結果がコレでしたし。
用件は済んだ訳ですから、とっとと帰った方が良いのは確かですわね。
『せやな~~。
短縮で来たから、たいして時間かかってへんけど
早く帰った方がええのは確かやな。
報告もせなアカンし・・・あー、面倒くさっ』
「んー、特に生かしとく必要も無いんやろ? にーさん。
じゃあ、ワイがバッサリやってまうで?(キンッ)」
「(びくっ!)むーーーー!? むーーーーー!!!」
(じたばたじたばた、ドサッ)
「あれ? 何か落としましたわよ?(ひょいっ)
・・・・・・は? 本?」
(ばたばたばたばた)
「むぅ~~~~!!!!! むぅ~~~~!!!!」
「・・・ミケねーさん、何か怒り出しましたけど?」
「怒ってはるなー、ま、ええかー(チャキッ)」
「(ぐすっぐすっ)ん”ん”~!! ん”ん”~!!!」
「やれやれ、人に近い形で泣かんといてや~。
罪悪感が沸くやんか~」
「ははっ、本当に沸くんですか~?
・・・・・・って、あれええええっ!!!!?」
『どーしたんや? ミケ、本見つめて~。
・・・・・・ん”ん”ん”ん”っ!!!?』




