191 冒険者Aさんと洞窟ダンジョン攻略 後編
あらすじ:おチヨさんは、町に遊郭を新設する為に招聘されたようです。
視点:最近自称してたらちょっと定着した おナス小町 ユミネ・フジさん
『』:アルファさん
(ドゴーーーン、ガガガガッガラガラガラ)
「・・・・・・うーーーーん」
「ん? どないしたん? お嬢」
(すたすたすたすた)
『おーい、2人共~、穴空いたでー?
・・・ん? ユミネちゃん、どーかしたんかー?
疲れたんやったら小休憩にしよか?』
はっ!? アカンアカン!
ウチとした事が、考え事してて、ボーっとしてたわ!!
「あっ!! な、何でもないんです! おじさま。
ちょっと考え事してただけで・・・」
「お嬢~~、疲れたんやったら、意地張っとらんと
素直にゆーたらえーのに~」
(ガアァァ! 「木の葉礫!」「木の葉礫!」ボガアアアアン!)
「ちゃうゆーとるやろ! ジンのアホッ!!」
「あ・・・アホ!?」
『まーまー、落ち着き~や、ユミネちゃん。
んで? 考え事って、何が気になったんやー?
ほれ、おっちゃんにゆーてみ?(ぽんぽん)』
あ、アカンって! おじさまのぽんぽんとか
なでなでとか、ウチに効きすぎなんやから・・・!?
おじさまのされてる事に疑問なんか持ったらアカンのに
アカンのに~~~~~!!
こんなんされたら、ウチ、何でも聞いてまうやんか~。
「(照れ照れ)えっと、じゃあ・・・おじさまー?
ちょっと聞きたいんやけど・・・?」
『(にこにこ)おー、何やー?』
「ここって洞窟やないですか?
こんなに壁壊しまくって・・・崩落とか大丈夫なんですか?」
「えっ?」
『ほー?』
(ボガーーン!「腹鼓の風!」「腹鼓の風っ!」ドッゴーン!)
・・・あれっ? ウチ、何か変な事聞いてもうた?
えっ!? でも、あんだけ壁壊しとったら気になるやん!
えっ? あれっ? そんな事考えてんのって、ウチだけなん?
「お嬢~、ここはダンジョンやで?」
「えっ? えっ!!?」
『わははは! まー、落ち着きーや!(ぽんぽんぽん)
確かにここはユミネちゃんがゆーたとーり、洞窟やけどな?
天然物の洞窟と違って、壁とか一部分が崩壊する事は有っても
天井が崩落するとかは、まず無いんやわー』
「そう・・・なんですか? おじさま?」
「お嬢~、ダンジョンって、丸ごとで1つなんやで?
そら、壁壊しただけで、全体が崩壊なんてありえへんやろ~」
「え~~~~~? んんんんん??????」
『わはは! ユミネちゃん、簡単にゆーとやな?
今、ジンくんがゆーたよーに、ダンジョンってのは丸ごとで1つ。
つまり、人間の体と同じよーなもんと考えてみてな~?
んで俺らは、今その中に居るとするやろ?』
「はい、おじさま」
『じゃあ例えば、中から腕の骨のほんの一部を砕いたとして
体全体の骨まで一緒に砕けて、ふにゃふにゃになると思うか~?』
「・・・・・・あーーーーーー!!!!」
(ピカーーー!「悪魔の正体見たり! 大妖狸光線!!」ヴァアアア!)
そっか、確かにそうやわ。
おじさまの言った通り、ダンジョン全体が1人の人間やったら
骨が折れても、肉が削げても、そんなん全体には関係あらへん。
ウチとした事が、おじさまの前で恥さらしてもうたわ・・・うう。
『わははは! くよくよせんでええって、ユミネちゃん(なでなで)
人間、どんだけ年を取っても知らん事だらけなんや。
むしろ、さっきみたいに、些細な事でも疑問に思う事が大事やねん』
「(照れ照れ)あう・・・お、おおきに、おじさま」
『それになー?
今回、ユミネちゃんにも来てもらったんはな?
ユミネちゃんに、色々経験積んで欲しかったってのも有るんや。
ダンジョン経験はあんまし無いって聞いとったしな(ぽんぽん)』
「おじさまっ!!(ぽっ)」
ああっ!!! さすが、おじさまやわ~~~~~~!!!!
ウチの経験稼ぎにまで、気ぃ使ってくれるやなんてっ!!?
こんなん、もっとおじさまに惚れてまうやんかっっっっ!!
(ゴバーーン!「狐死ねっ!」グシャアアッ!「狐消えろっ!」)
「・・・ところで、おじさま。
もう1つ聞いてもええですか?」
『なんやー? ユミネちゃん』
「さっきから、ミケねーさまは何を?」
『あー、あれはなー』
「(ぬうっ!)これは{悪魔退治}ですわ!
何、ミケが頑張って退治してるのに、こんな所で
イチャコラしてるんですうううう!?
ミケだってご主人様とイチャコラしたいですわっ!!!?」
「イチャコラだなんてそんな~~~!(くねくね)
・・・えっ!? {悪魔退治}ですか?
でも、さっき狐がどうのと聞こえたんですけど・・・」
「それは、単なる掛け声ですわ。
憎いあんちくしょうを思い浮かべれば、威力が増すんです」
「は、はあ・・・?」
『わははは! ごくろーさんやったな、ミケ~。
ほれほれ、たっぷり誉めたるからな~(わっしゃわっしゃ)』
「(でれ~~)ほにゃ~~~~~~!!! はふぅ~~~ん!!」
『(わしゃわしゃ)ちなみにな、ユミネちゃん。
ミケにやってもらっとったんは、{斥候潰し}や』
「えーなぁ・・・えっ!? せ、斥候?」
(ざっ、すたすたすた)
「せやでー、お嬢。
いくらダンジョンの主ってゆーてもなー。
管理室に居るんやったら、見れる情報って限られてくるやろ?
んで、ワイらの挙動も読まれへんから
手下を斥候に使って、情報集めよーとしとんねん。
・・・切った感触もそんな硬無かったし、強さ的には
低級の悪魔ってとこやね」
・・・いつの間に。
さっきまでウチらと一緒に居ったはずやのに。
う”~~~!! これやったら、ウチが役立たずみたいやん!?
ウチも頑張らな!!
『ほーーーーん?
斥候に【レッサーデーモン】使っとるって事は
主は【ハイデーモン】か? でも、手下の数多いしなー』
「まさか{領主級}とか{王級}ちゃいますよね?
それやったら、さすがにしんどいと思うんですけど、にーさん」
『いや、ダンジョンの造りとか罠の甘さとか、戦術見る限りやと
さすがに、そこまではいかへんと思うけどな。
せーぜー、{大隊長級}とか{中隊長級}程度やろ?』
「はあ、どっちにしても面倒臭そうでんなー。
・・・ま、もうちょいウロウロしてるのが居るみたいやし
向かうついでに狩るだけ狩りましょか」
『せやな』
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽
▽
「(ばっ!)おじさま! あの低級悪魔がこんなの持ってました!」
『おっ? どれどれ(じ~~~~)
・・・ほー、お手柄やな! ユミネちゃん!(なでなで)』
はふ~~~~~~ん!!!
やった!! おじさまに誉められたっ!!!
よっし! よくやった、ウチ!!!!
・・・ところで、ソレって何なんやろね。
「にーさん、それって何ですのん?
枝・・・にしては何か変わった形してますけど」
『あー、コレ?
コレな、【通信樹】の【子樹】ってゆーてな
管理室に有る、本体の【親樹】と通話できるんや。
なるほどな~、これを斥候に持たせて連絡取るつもりやったか。
・・・・・・おっ、ええ事考えたで?』
「・・・・・・どんな悪い事考えたんです? ご主人様」
『おいおい、ええ事ゆーとるのに
そんな言い草とは、酷い従者やな~~~~』
「せやせや! おじさまを疑うん? ねーさま?」
「・・・・・・」
『・・・まー、悪い事なんやけどな』
「・・・・・・・・・えー?」




