表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
19/401

19 冒険者Aさんと締めはやはり汁モノ

あらすじ:焼石を使った、取れたて素材の包み焼きとか最強


視点:ほろ酔いのアルファさんの従者 照り焼き大好き 大妖狸のミケニャンさん

『』:アルファさん

(グツグツ、コトコトコト)


『お、もうボチボチええかな?

 これにお味噌を(シャッシャッシャッ)溶いて~。

 ついでに溶き卵を投入して~。

 少しだけ火を通したら・・・完成!!』


(クツクツ、フワワワワーーン)


「あ”~~~!

 この魚介の風味と、溶きたてのお味噌の混ざった香りが

 {正直もう辛抱たまらんっ!}って感じですよね~~。

 あ、ミケはとりあえずアオサ無しでお願いします!

 2杯目に色々足しますので」


『あいよ~、分かった分かった。

 (ジャブッカチャカチャ、ジャバッ)ほいよっ。

 んで、次やな、(ジャブッ、チャチャッ)おっとと・・・。

 ほい、サーバクンくんの分なー。

 これも熱々やから、気をつけて食うんやでー』


「ありがとうございます! うおっ。

 ・・・あ、これはお味噌汁ですね? 【リューグー】でも

 お正月とか宴会の時に食べたことありますよ、うおっ」


『わはは、そーかそーか~。

 今は味噌も醤油もちょっとづつ入ってるんやったな。

 それやったら、さっき、ミケがゆーとったよーに

 2杯目にはちょっと変化つけるから、おかわり要るならゆってな~』


「(コリコリコリ)んーー、この歯ざわり!!

 (ずずずずずっ・・・ぷはーー)そして牡蠣の様な独特の濃厚な風味!!

 やっぱり、お味噌汁はこの飲んだ後の余韻がサイコーですよね!!」


「(ずずふはふはずずず)ふわぁ~~

 濃厚な風味なのに何かホッとする味ですね、うおっ。

 貝の汁にお味噌が合わさった味と・・・これはカニ?

 あっ、具に小ガニが入ってるんですね!

 こんな小さいのにしっかりと味が出るんですね? うおっ」


「(バリバリバリ)小ガニうめーーー!

 (コリコリコリ){若者の尻の穴}うめえええーーーですわ!!!」


『(ずずずず)その呼び名はやめい!』


「ふぁっ!? わ、若!?・・・お、お尻・・・ですか? うおっ」


「(にやにや)ああ、それはですね!」


『ミケ、やめとけ~~。

 あー、これな、食えるイソギンチャクなんやけど

【フソウ】の一部地域で、そーゆー名前で呼ばれてるだけやし

 単に見た目だけの問題やから気にせんでええで~

 多少見た目がどーでも、美味いもんは美味い。

 そもそも、切って具材にしたら見た目とか関係ないしな~』

 

「な・・なるほど? うおっ」


「(ずずずず・・・ふっはー)

 それにしても、その辺、【フソウ人】って凄いですわよね。

 {食に対する執着心}が半端無いというか何と言うか」


『そーいや、さっき思いっきり話が逸れたもーたけど

 実は【聖鉄紙】もそれに関係あるんやわ』


「えっ? 食に関係ですか? うおっ」


『せやでー(ずずずずっ)

 【ドワーフ】の【ミスリル箔】については

 さっき、ちょろっとゆーたけどなー。

 コレが人体に影響が無いって知った【フソウ】の人らは

 何でコレは大丈夫やったんかを考えたんや・・・。

 んで、結局出た結論は{原材料をどうにかするしかない}』


「(コリコリコリ)え・・・そ、そうなんですか? うおっ」


『でもな、【フソウ】には【ミスリル鉱石】は無い。

 せやけど、他国から輸入するには希少品で値段が高すぎる。

 だから・・・そーいう事ができる神様にお願いした訳や。

 そんで、とある神様が力を貸してくれたおかげで

 【鉄鉱石】を{浄化}した【聖鉄】が完成したわけやな~』


「ほわー(ぽかーん)」



 まー、そんな話を聞かされたら、目も点になりますよね~。


 おまけに、神様に協力してもらってまで【聖鉄】を作った理由が


 【ミスリル箔】で作った武具の、魔力や熱の伝導効率を


 鍋とかフライパンにも使えないかって事ですからねー。


 正直、何でそう考えた!? って思いますわよね。


 ・・・・・・でもまー、その程度なら


 【フソウ人】の変態技術の一角でしかないんですけどね~。



「あ! ご主人様~、おかわりお願いしまーす!

 今度はアオサたっぷりで! たっぷりで!!」


『あーはいはい。(パサパサパサッ、クツクツクツ)

 ・・・こんなもんやろ、(ジャバッ)ほいよ!』


「ひゃっほうい! ご主人様、ありがとうございます。

 むっふっふっふ~~~! これに! さらに! この!

 【島とうがらし油】を少々入れて~完成ですわ!!」


「【島とうがらし油】? それって何ですか? うおっ」


「むっふっふ、気になりますか? 気になるでしょう!!

 (ずずずずずっ、ぷはーーーー)ふぁ~~~~ふぅ!!!!

 どうです? サーバクンさんもちょっと試してみませんか?」

 

『こらこら、ミケ、昔の悪い癖が出とるで。

 あー・・・・・・っとやな、サーバクンくん。

 【島とうがらし油】ってのは辛い、ごっつう辛い

 とにかく辛ぁ~~~~い調味料なんやわ。

 ・・・まーでも、せっかくやし、試してみるんもえーけどな。

 試すんやったら、指先にほんのちょっとだけやで?

 ちょーっと、つけて舐める程度にしときや~?』


「あ・・・あの・・・、辛いっていうのは

 【フソウ】の【山葵】みたいな感じですか?

 アレでしたら、少しだけ食べてみたことありますけど

 ボクはちょっと苦手です、うおっ」


『あー、辛さの方向性は、ちょっとちゃうな~。

 ひょっとすると、種族的には慣れへん味かもしれんし

 今回はやめといた方がええやろなー』


「(ずずずずずっ)む~~~・・・残念ですわね~(さささっ!)

 (ぐびっぐびっぐびっ)っかぁあああ、ふっはぁ~~~!!」


『!? あ”っ!!? ミケ~~~お前~~~~。

 いつの間に俺の【芋焼酎】を~~~~!?』


「何をおっしゃってるんれすか!! ご主人様!!(ずずずずっ)

 アオサと【島とうがらし油】入りの味噌汁にはコレが無いと!!

 (ぐびぐびぐび)いわゆるセットれすよワンセット!!

 ご主人様とミケと一緒れすよ!! 熱々お似合ーーーい!!」


『アカン、この駄狸・・・どうにかせんと。

 ・・・・・・まー、放置でええか~。

 (ジャブッ)とりあえずサーバクンくんは

 2杯目にこのアオサ入れたやつ試してみ?

 風味がまたグッと変わるんやで~?』


「わっ、ありがとうございます、うおっ。

 (っずずずず)ふはぁー・・・うん。

 慣れ親しんだ磯の香りで、何かほっとしますね、うおっ」


『(ずずっずずっこりこり)・・・そーいや。

 そこの駄狸のせいで、またまた話が逸れてもーたけど

 【聖鉄紙】ってのは、結局、紙と同じ様な製法で作っててな。

 【聖鉄】を溶かして枠の中に投入するやろ?

 そんで、伸ばして冷やせば出来あがり~って訳や。

 この【聖鉄紙】っちゅーのは、人体に悪影響が無いからな。

 こーやって料理にも使えるから、すげー便利なんやわ』


「な、なるほど、そうやって作られた物なんですね、うおっ。

 (ずずっ、ばりばりっ、ごくん)あ、あの・・・。

 これって他の国でも作られているんですか? うおっ。

 あ・・・でも、アルファさんの商会の主力商品って事は

 他では取り扱って無いって事ですよね? うおっ」


『ほー・・・えーとこに目をつけるな、サーバクンくん。

 せやな~、製法だけ聞くと簡単そうに聞こえるやろし

 そんな便利なもんやったら、よそでも作るはずやからな~』


「(こりこりぐびっぐびむしゃむしゃ)ぷっはぁーーー。

 れも、そうはいかないんれふよ?

 だって、ノリノリでお願い聞いてくれるかみしゃまが

 【浄水の神様】と【鍛冶の神様】が居なきゃ

 作れないんですしおすし~~~!! (ぐびゃぐびゃっ)

 神格持った存在が、そこら中にホイホイいる

 【フソウ】がおかひいんでふ~! 異常なんれすよ~!」


「え!? ほ・・ホイホイっ!!? うおっ。

 えっと・・・10とか20とか・・・ですか?

 い、いや、そんなに神様って居るものなんですか? うおっ」


「10ぅ~? 20ぅ~?

 なぁ~にを言ってるんですか、桁が違いまふよ。

 800萬ですよ、はっぴゃくまん!!」


「はっ!?? 800万ですか!!? うおっ」


『・・・あー、ちょっと誤解があるようやけど

 800万ってのは例えとしての数なんやわ』


「あっ、そうなんですね、うおっ。

 じゃあ実際はもっと・・・」


『せや、もっと多いんや!』


「へっ!!!???」


『(ずずずず)っふう~・・・えーっとやな。

 【フソウ】やと【八百萬やおよろず】ってのは

 {数え切れん程膨大}って意味なんやわ。

 だから神様の数も実際の数やのーて、めっさ多いって事や。

 なんせ【国産みの神様】から始まって【太陽の神様】も居れば

 【月の神様】居るし、【山の神様】に【川の神様】に

 キミらんとこの【樹木の神様】やってそうやな~。

 中には【田んぼの神】とか【台所の神】だけやのうて

 【厠の神】なんてのも居って、しまいには【キノコの神様】とか

 【米粒の神様】なんてのも居るぐらいやからな・・・。

 まー、そんな訳で【八百萬やおよろずの神】って呼ばれとるんや』


「ふあーー!? (ぱくぱくぱく)

 そ、そう言えば、故郷でそんな話を聞いた事があります。

 てっきり、その話ってかなり大げさに伝わってきてるとか

 創作なのかと思ってたんですけど、まさか実話・・・

 というか、もっと信じられない様な話だったんですね、うおっ」



 そりゃそーれふよねー。


 他の大陸だったら、神様と言えば


 大陸を創った【創造神】だったり~~


 大陸に結界を張ってる【大神】の事れすしね~~。


 後は、せーぜー、何柱か配下の神様が居て


 信仰の対象になってる程度ですもろ。


 ほーんな【フソウ】みひゃいな{道を歩けば神様に当たる}程の


 異常地域なんれ(ごくごくごく)世界中どこ探したって


 無いですわよね~~~(ぶは~~~~~)。


 あへっ?(ふりふり、ピチョン)ん~~~?



『おまっ!? ミケっ! こ~の駄狸が!!

 結局、全部1人で飲んでもうたんかい!

 ・・・・何っ!? す、既に3本目・・・や・・・と!?』


「ひゃっひゃっひゃ、ごひゅじんひゃま~~~!

 たまにはいいじゃないれふかー!!!」


『(#^ω^)ピキピキ』


「!? お、落ち着いてくださいっ、うおっ」


『むう・・・サーバクンくんがゆーんやったらしゃーないな。

 この酒がたっぷり染み込んだ狸を捌いて

 鍋にしたろかって思ったんやけど、しゃーないか。

 せやなー、しゃーないしゃーない』


「ほっ・・・良かったです、うおっ」


「(ごそごそ)じゃあ、まだ飲みたらんミケには

 代わりにこの酒をやるわ、ほれっ(ぽいっ)」


「(ぱしっ)わっひょっひょ~!(チャプチャプ)

 おひょっ! これはいいかおりれふね~~!!

 いただきまーーーーーふ!!(がっふがっふがっふ)」



 ・・・こ、これはあああああーーーー!!!!?


 (ぱたりっ)Zzzzzzzz。



「(すやすや)ぐおーーーーー、むにゃむにゃむにゃ」


「・・・・あ、あの、一瞬で寝ちゃったんですけど

 さっきのお酒は一体・・・? うおっ」


『あー、あれか? あれはなー?

 【お酒の神様】が作ってくれた【天地酒】ってお酒でな。

 味も香りも一級品やけど、付いた別名が{天国から地獄}。

 一瞬で気持ちよく酔い潰れるんやけどな~。

 次の日に地獄の二日酔いが来て酷い目に合うんや(にやっ)』


「そ、それじゃあ、ミケニャンさんは明日・・・? うおっ」


『(にこっ)さー、静かになったことやし、晩飯の締めや!

 この味噌汁の残りになー? 干し米をパラパラっと投入して~。

 後は、ここに干した小エビをパッパッ(パラパラ)っと!

 さらに、刻んだ青じそとネギをパッパッ(パラパラ)っとな!

 これで、グツグツっと一煮立ちさせたら~~~。

 よっしゃ! 締めの{ねこまんま雑炊}の完成や!!』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ