188 冒険者Aさんと洞窟ダンジョン攻略 前編
あらすじ:人工ダンジョンには操作室があります。
視点:ご隠居様の孫娘 中級行者 弁才天様の巫女 ユミネさん
『』:アルファさん
『そんじゃ、みんな今日はよろしくやで~~』
「油断はせずに頑張りましょーね~、皆さん~」
「あ、はい、よろしゅー頼んます、にーさん、あねさん。
あと、ヒゲの嬢ちゃんもよろしゅー頼んますわー?」
「(もぎゅもぎゅ)よほひふ~、はぐはぐっ」
「ウチも頑張りますね、おじしゃまっ・・・!(じゅるり)」
「(ぼそぼそ)・・・・・・お、お嬢っ、よだれよだれ!」
「はうっ!? (ごきゅっ)」
ううううう!! ウチってば、本当にもうっ!!!
おじさまの前やのに、またはしたない事を~~~~。
いくら、エッちゃんの食べとるのが美味しそうやったからって
美味しそうやったからって・・・からって・・・美味しそう。
『わはは! エッちゃんは早速食べとるけど
行動食用の干し肉はたっぷりと用意しとるからな~。
ちゃ~んとユミネちゃんの分もあるで~?』
「(きらきらきら)わあ!! おおきに! おじさま!!!」
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昨日、おじさまに頼まれて、ウチとジンが
急遽、ダンジョン攻略に参加する事になったんやけど
ジンはおじいさまの護衛やから、ちょっと渋ってたんや。
でも、おじさまは護衛の代理におチヨさんに
既に声かけてあったんやね~~~。
さっすが、おじさまやわ!!
・・・・・・っちゅ~ことで
おじさま、ミケねーさまにエッちゃん、ジン、ウチ。
この5人で今回の{洞窟ダンジョン}を攻略する事に
なったんやけど・・・ウチもいけると思わんかったわー。
ウチも【行者組合】には【弁才天様】の巫女で登録してるけど
ジンみたいに、【冒険者ギルド】には登録してへんかったから
てっきり無理やと思ってたんやけど・・・。
「まー、それはアレですわ。
ユミネさんは行者としてのランクが【中級行者】扱いですから
【冒険者ギルド】では{Cランク冒険者}と同等なんですわよ~」
(グシャアッ、メギャメギャメギャ)
『ん? おー、ユミネちゃんのランクの話か?
ちなみにジン君は【上級行者】やから{Bランク}相当で
マリちゃんは【最上級行者】で{Aランク}の扱いやねんで。
わはは! 俺とお揃いやな~、ユミネちゃん。
(ぐわしっ)ホイっと!』
(ビュウウゥゥゥ・・・ドゴッッ!!!!!)
お揃いっ!!!!?
ウチとおじさまがお揃い・・・。
えへ、えへへへへへへへへ・・・・・・。
(シュゴゴゴゴ、バリバリババババ)
「(チチンッ)ふい~~、・・・あーしんど。
ってお嬢~、何くねくねしてますん?」
「・・・・・・む~~~(じろー)」
「は~、全く。
幸せに浸ってたんですから、そっとしておいてあげなさいな。
コレだから乙女心の分からない不倫侍は困りますわね~」
「いやいやいや、あねさん!?
そんなんちゃいますから!! あねさんっ!?」
『わはは、今は俺とジンくんがメインで動く時やしな。
ユミネちゃんとエッちゃんの出番はちゃんと有るから
今は行動食でもかじって気楽にしといてもらってええで~。
な? エッちゃん』
「(もっしゃもっしゃもっしゃ)みゃかふぇてほー」
むう・・・ウチとしては
もっと、おじさまに活躍を見せたい所なんやけど。
おじさまがそうゆうんやったら、お言葉に甘えて・・・。
(はぐはぐはぐ、もっぎゅもっぎゅもっぎゅ)
ん~~~~、噛む度に濃いお肉の味が染み出てくる~~。
おじさまの作る干し肉って、実際には燻製肉なんよね。
これは・・・ハーブを混ぜた薬草で燻製したんやろか?
噛むと燻製のええ香りが鼻を吹き抜けてくわ・・・。
舌先にピリッとくる粒胡椒もアクセントになっててええよね。
・・・アカン、アカンて。
エッちゃんとちゃうけど、ウチも止まらんようになるって!
(バリィッ、ズババババババ)
「(チンッ)・・・それにしても、にーさん。
この方法ってえらい乱暴やと思うんやけど」
「は~~~、何を言ってるんです~?
ここは、ダンジョンですわよ?
【マナ】を注ぎ込んで作った連鎖しない罠なんて
全~~部、遠距離から叩き潰せば良いだけじゃありませんか~」
「(もぐ?)ふぇっ? おひひゃま? ・・・んっ(ごくん)
こほん・・・、えっと、おじさま?
ダンジョンの罠って、連鎖せえへんのですか?」
『せやな~~~、発動してから連鎖するよーに仕掛けるってのは
人工ダンジョンでも、有ってもおかしくないんやけどな。
操作室で仕掛けた場合は、人の手で直に設置した場合と違ってて
1つの罠に複数の仕掛けってのは構造上無理なんや。
管理でけへんよーになるからな~』
「先日来た時に見た感じだと、このダンジョンの主って
周囲ごと巻き込んでダンジョンの一部を壊すような
殺意の高い罠の使い方は出来ないっぽいですからね~。
どんな強力な罠でも、単独ならしょっぱいものですよ。
割とあっさり見つけられちゃいますし
一々解除する手間を考えれば、ぶっ壊した方が早いですし」
「ふ、ふわぁ・・・そ、そう言うもんなんや?
でも、それを1日で見破るおじさまも、ミケねーさまも
どっちも、ホンマに凄いと思いますわ~」
「なるほどな~、さっすがは、にーさんにあねさんや!
罠の事は専門外のワイでも、よーわかりましたわ~!」
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(ゾロゾロゾロ、ピタッ)
「あれ? どないしたん? にーさん」
『ん~~~、地図からするとこの辺が怪しいねんなー。
ちょっと灯りで照らしてくれるか?』
「(すっ)はい! おじさま、これでどうですか~?」
『おー、ありがとうな~ユミネちゃん。
・・・・・・さてと?』
(ドンドン、ドンドン、ゴンゴン)
『おっ?』
(ゴンゴン、ドゴンッドゴンッ、グワンワンワン・・・)
「(にやりっ)当たりですね、ご主人様」
『(にやりっ)せやな、大当たりやわ』
「「えっ、何が?」」




