187 冒険者Aさんと侵入者
あらすじ:ガチ編成の為に、護衛の代理を派遣して戦力をゲット!
視点:洞窟ダンジョンの主さん
『』:アルファさん
何っ!? 最下層に侵入されただと!?
そんな馬鹿な!!!?
新たな侵入者達が入ってきたのは、ついさっきのはず!!
たった・・・、たった1時間で最下層まで辿り着いただと!!?
この私の!? 上級悪魔となったこの私の!!
偉大なる私の芸術的な罠を潜り抜けてきたと言うのか!!!?
(ガチャッ、ボワワワワワ~~ン)
こ、これで、映像が出るはずっ!
ええい! 何が起こってると言うのだ!!?
(バゴッ!! ドガッ!!! ゴワガラララッ)
あああああああああああっ!?
私の芸術的な罠が壁ごと破壊されているぅうう!!!
(ドゴッ、ガラガラガラガラ、ゾロゾロゾロゾロ)
何てことだっ!!!?
それどころか、致死性の罠を仕掛けた箇所を的確に避けて
迷路をショートカットしてるだとおおおおっ!?
・・・きょ・・・強化した番兵どもは!?
最下層にはかなりの数を配置したはずだぞ!!!
(キラキラキラキラ、ペーニョペーニョ~)
「あ”あ”あ”あ”あああああああ・・・(ホワ~~~)」
「ん”あ”あ”あ”あうぅぅぅ・・・(シュワワワワ)」
じょ、浄化されてるううううううううう!!!?
そんな馬鹿なっ!! こんなド田舎の国に
強化した高ランクの【アンデッド】を浄化できる程の
希少な神官クラスの冒険者が居たのか!?
そ、そんな報告は聞いておらんぞっ!!!
ええい! 配置したレッサーどもはどうなったのだ!?
全然、報告が入ってこないではないかっ!!!
(ズバッ、バリバリバリバリ、タッタッ、シュゴゴゴゴッ)
・・・何だ、あの変わった剣を持った戦士は!?
あいつが剣を一振りするだけで、レッサーどもが
まるで紙の様に切り裂かれているじゃないかっ!!?
しかも、剣から雷や風の魔法を飛ばすだとっ!?
くそっ!! こんな無茶苦茶なヤツらが相手では
いくら偉大な私の、芸術的な罠の数々でも意味が無いわっ!!
おのれ! おのれおのれおのれっ!!!
これでは、ここまでヤツらが来るのも時間の問題ではないか!
仕方ない、残しておいた【マナ】も全部つぎ込んで
温存しておいた戦力も全て投入してやるっ!!!!
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽
▽
破壊音がしなくなったな。
・・・・・・やったか?
しまったな・・・、追加の罠や部屋の作成に
映像用の【マナ】まで全部つぎ込んでしまったから
状況がわからん。
相変わらず、レッサーからの報告も無いしな。
(ビーーー、ビーーー、ビーーー)
むっ!?
報告・・・が来たのか!!!
クックックックッ、どうやら上手くいった様だな?
どれ、早速報告を聞くとするか。
・・・それにしても、この【通信樹】というのは便利だな。
最初は使い道が分からなかったが、枝の【子樹】をレッサーに渡せば
こうやって、【核】がある操作室の【親樹】と通話できるのだからな。
さて、と。
(ガチャコッ)
「・・・・・・(ごにょごにょごにょ)」
「む!? 聞こえんぞ! 大きな声で報告せんかっ!!」
『・・・わたしぼうけんしゃ! いま・・・!!』
「・・・・・・はっ?」
(ぽんぽんっ)
『あなたの後ろに居るのおおおおおお!!』