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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
186/401

186 冒険者Aさんと護衛代理

あらすじ:ノブユキさん達もダンジョンにアタックするそうです。


視点:行者でニンジャな才色兼備 チヨさん

『』:アルファさん


「それにしても、わざわざすまないのう、おチヨ君よ」


「(ぶんぶん!)いえいえ! どうぞお気になさらずに!

 (ばるんっ!)今日は護衛の代理としてよろしくお願いします。

 それにしても、中々に良い家ですね? ご隠居様っ(たわんっ)」


「うむ、仮住まいできる家を紹介してもらったのだが

 丁度、この家が空き家になっておったそうでな。

 先住の者は、つい先日に他国の商家に嫁いで行ったそうなのだよ」


「ほう! 実に良い機会だったのですね」


「しかもな、嫁ぐ際に、長旅に不要との事で

 衣類や小物は別として、大半の家具は残していったそうでな。

 せっかくなので、そのまま使わせてもらっておるのだよ。

 ふおっふおっふおっ」


「ああ、それで女性的な家具や調度品が多いのですね。

 これならユミネちゃんも気が楽でしょうし(ゆさっ)」



 ご隠居様達は、以前、ホテールさんの所の宿泊施設に


 逗留してたのよね・・・いえ、あそこも良い所なのよ?


 高級旅館にしては珍しく、成金趣味じゃないし。


 施設の佇まいも家具も調度品も、こう・・・渋いって感じ。


 でも、そういう高級旅館って、ご隠居様はともかく


 ユミネちゃんやジン君には合わなかったんじゃないかな。


 特に、ユミネちゃんは花も恥らう、うら若き乙女だもの?



「ところで、おチヨ君よ、一つ疑問なのだが」


(コポポポポポ、ホワ~~~)


「何でしょうか? ご隠居様。

 あ、お茶どうぞ(スッ)

 熱いのでお気をつけてくださいね(たわんっ)」


「うむ、有り難く頂こうか。

 (ずずずずっ)・・・うむ、良い香りだのう。

 ・・・おお、それで、疑問なのだが。

 何故、アルファ君はおチヨ君ではなく

 ジン君と、うちのユミネを連れて行ったのだろうな?」


「と、言いますと?(ぼいんっ?)


「ダンジョンの攻略ならば【忍】である

 おチヨ君の方が向いていると思うのだが・・・」


「ああ、そういう事ですか」



 確かに、ご隠居様が疑問に思われるのは仕方ないかな。


 昨日、アルファさん達が調査に入ったダンジョンには


 主が居て、Bランク級の危険な罠もゴロゴロあったらしいわ。


 それならば【忍】の出番、と思うのは普通だろうけど。


 ・・・でも、今回のダンジョンって洞窟らしいのよね。


 【忍】と言うのは、山を越え、林を駆け抜け


 建物への潜入も罠も工作も得意・・・ではあるけれども。


 実は、洞窟みたいな自然の閉所って、あまり得意じゃない。


 理由はごく簡単。



「ご隠居様、確かに【忍】と言うのは、特殊な道具を使いますし

 時には罠を張って、奇襲や暗殺だって行いますけど

 別に罠の専門家と言う訳では無いんですよ?(たぷ~ん)」


「うむ? そうなのか?」


「ええ、そもそも、本来は隠密や情報収集に特化した存在で

 罠や道具も、その為の手段として使ってるだけですから」


「ふむ・・・なるほど、確かにのう・・・。

 む・・・、おお、そうだそうだ。

 そう言えば、【高家衆】にも、お抱えの【隠密衆】が居るのだが

 その長が言っておった事があってな」


「(たわんっ)朝廷の【高家衆】お抱えの・・・ですか。

 それで、何とおっしゃってたので?」


「うむ、潜入時に罠にひっかかる事は論外として」


「まあ、そうでしょうね(むぎゅ)」


「罠を解除するのは、隠密としては二流なのだそうだ」


「ふむふむ、では一流の隠密とは?(むぎゅ~)」


「うむ、罠を全て作動させずに避ける事。

 潜入した事を一切悟らせない事が、一流の隠密だそうだよ」


「(うんうん)なるほど、確かにその方の仰る通り。

 罠が解除されていれば、潜入している者が居る事は明白。

 そして罠の中には、解除される事で作動する

 そんな罠もあるそうですよ?(たぷぷ~ん)」


「ほほう、その様な仕掛けもあるのだな。

 ふふ、専門では無いと言っておったが

 やはりおチヨ君も詳しいではないか」


「(くすくす)いえ、それは【忍】と関係の無い所で

 ある人から教わったんですよ~?(たわわ~ん)」


「ほう? それは誰なのかね?」


「それはもちろん、アルファさんですよ~?

 遊郭のお客さんとして来た・・・ね(くすくすくす)」


「ほっほっほっほっほ! そうかそうか。

 彼がうちの次男と組んで、やんちゃしていた時代じゃな」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「(こくこく、こくん)・・・ふうっ。

 うわ・・・このお茶、香りが凄く良いですね。

 【フソウ】から持参したお茶なんですか?(ぽよん?)」


「いや、それはこの現地のお茶だな。

 以前、アルファ君から貰ったものでな。

 特に銘柄は無いそうだが、クエスト中に群生地を発見して

 たくさん採取しすぎたから、と言っておったな」


「へえ・・・、どこで採取できるか聞いてみようかしら」


「ふおっふおっふおっ。

 ・・・そう言えば、その話にはオチがあってな?

 お茶の葉を大量に回収して、喜んで帰ってしまったらしく

 肝心の対象を取るのを、忘れてしまったそうなのだよ」


「(くっくっくっくっ)そ、それはそれは・・・。

 実にアルファさんらしい話ですわね~(ぷるぷるぷる)」


「うむ。

 とりあえず、私が貰った分は、まだたくさん有るから

 そこの空いている筒に入れて持って帰りなさい。

 遠慮しなくて良いからのう?

 美味い物は皆で共有してこそじゃよ。

 ふおっふおっふおっ」


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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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