表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
184/401

184 冒険者Aさんとごほーこく ⑥

あらすじ:危険なダンジョンは壊しちゃおうねぇ。


視点:就寝前の一時を満喫中 ノブユキ・ムトウさん

『』:アルファさん


(すぴ~~~、ふしゅるるるるる、く~く~)


『(ひそひそ)・・・なるほどな~。

 そんな事があったんか、よ~やった、よ~やった。

 お手柄やな~、ユキ(なでなで)』


「はひゅんっ!?(びくんっ)

 (ひそひそ)・・・ありがとうございます、お師様」


『(ひそひそ)それにしても・・・俺って。

 そんなイメージってか、緊張する相手なん?

 ちょっととゆーか、かなり意外やったんやけど。

 町の人らとかも、ふつーに接しとるよーな気が・・・』


「(ひそひそ)いえ、お師様。

 町の方達の場合は冒険者としてのお師様を

 ほとんど知らないからでしょうし」


『(ひそひそ)ほーん? そーゆーもんかね・・・?』



 実際の所、町の方達からのお師様の印象は


 採取重視で町の発展に力を貸してくれていて


 色々な料理を知っている上、皆にも振舞ってくれる


 そんな町民寄りの冒険者・・・と言う印象だそうです。


 ですが、この町の冒険者の大半からは


 あまり、良い印象を持たれていないそうです。


 以前、狼藉を働いていた冒険者の一党を排除した件。


 ギルド側や町民側から見れば、感謝に値しますが


 一部の古参や中堅の冒険者達からは


 ギルドと結託して、【アイアンベアー】を追い払った


 ・・・と、お師様を逆恨みしているそうなのです。


 どうせ、Bランク冒険者の威を借り


 冒険者様だぞと、我が物顔で町民の方々に迷惑をかけ


 一緒に甘い汁を吸っていたのでしょう。


 そのお師様が、町の方達に感謝されるだけでなく


 今までの所業から、自分達は白い目で見られるのが


 気に入らないのでしょうけど、完全なる逆恨みですね。


 ・・・本当に愚かです、度し難いですね。



『(ひそひそ)わははは、何か知らんけど

 俺の為に怒ってくれとるよーに見えるな~。

 優しいな~ユキ、ありがと~な~?(なでなで)』


「ふぇっ!? んっ(ぴくんっ)

 (ひそひそ)・・・お師様は、お優しいですけど

 それ以上に偉大過ぎる御方でもありますので

 どうしても、ミケお姉様の様に甘えたりは

 難しいと思われます・・・(すりすり)」


『(ひそひそ)そーか~?

 その割にはユキも甘え上手やんか~?(なでなで)』


「(ひそひそ)ふふ・・・それはもう(うっとり)

 ・・・ですが、サクの場合は中々難しいでしょうね」


(くーくー、ぐおおお~~~ふしゅるるるる)


『(ひそひそ)ん~・・・?

 俺にはそこがイマイチわからんねんな~(さすさす)』


「(ひそひそ)んっ・・・、お師様。

 私は自分から弟子に志願致しましたがサクは違います。

 言い方は少し悪いですが、サクの場合は想定外に

 お師様に拾われて養子となった形です」


『(ひそひそ)せやなー。

 あれ? ひょっとして本心では嫌やったとかか?』


「(ひそひそ)いえ、それは違います、お師様。

 私が後に聞いた限りでも、サクの扱いはその・・・

 あまり良くは無かった様で、サクにとって

 いくら感謝してもしきれない程なのは間違いありません」


『(ひそひそ)んー? それやったらむしろなんでや?

 ガンガン甘えてきてくれた方が俺は嬉しいけどなー。

 な~? ユキ(なでなでなで)』


「んうっ・・・!?(ぴくぴくんっ)

 (ひそひそ)・・・それは・・・その。

 恐らく、ユキにとってお師様は、救世主。

 ・・・に等しい存在なのだと思います。

 そこまでの恩を感じてるのでしょう』


『(ひそひそ)きゅ・・・救世主~?

 う~~む、俺もとっつぁんに拾われたけど

 俺の場合、さすがに救世主とまでは思わんかったな~。

 サクよりももっと小さい時やったからか?』


「(ひそひそ)だからこそ尚更、なのでしょうね。

 恐らく、捨てられる事を極端に恐れてるのだと思います。

 里で言われ続けた{役立たずのヌケサク}と思われない様に

 お師様に、邪魔だと、要らない子だと、思われない様に。

 ずっと気を張っているのでしょうね」


『(ひそひそ)ほ~~~~~、なるほどな~?』


(もそもそもそ、ぎゅっ)


『(ひそひそ)サク~、気付かんですまんかったな~。

 大丈夫やからな~、お前はず~っとウチの子や。

 絶対捨てたりせんからな~?(なでなで)

 だから、遠慮なんかせんでええんやで~?

 もっと気軽に甘えてくれた方が嬉しいんやで~?

 ・・・おっとっと』


「(くーくー)むにゅむにゅ(ぎゅうっ)」


「(ひそひそ)ふふ・・・サクも寝てる時は

 素直にお師様にあまえられる様ですね。

 ・・・ちなみに、お師様?

 その当時、お義父様おとうさまに対しては

 どの様な存在だと感じてらっしゃったんですか?」


『(ひそひそ)んー? せやなー。

 変わったおっちゃんやなー・・・とか。

 物好きな人もおるもんやなー・・・とか。

 感謝より不思議さが上回っとった・・・かな?

 多分、そんな風に感じとったよーな気がするわ』


「(ひそひそ)ぷっ・・・ふふふ、そ、そうですか。

 さ、さすがは、お師様ですね(ふるふる)」


「(もぞもぞ)んにゅっ・・・(ぎゅううっ)」


『(ひそひそ)おっと、これ以上はサクも起きてまうな。

 詳しくは、また明日聞くから、今日はもう寝るで~。

 ・・・・・・ほれ、ユキも(ぎゅっ)』


「えっ・・・」


『(ひそひそ)お前も遠慮なんかせんでええ。

 ど~んと甘えてきたらええねん。

 他んとこではどーか知らんけどな。

 俺にとったら弟子もウチの子同然なんやからな~?

 だから、ええんや(なでなで)』


「・・・はい・・・はいっ(ぐすっ)」


『・・・・・・ところで、どこ行ったんや? ミケ』



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「あのー、お2人共?

 できれば覗き見とか盗聴とか遠慮してもらえません?

 ついでに心の妄想を口に出すのも。

 結構ボソボソ聞こえてたんですよ・・・?」


「ううっ、ぐしゅっ、うぐぐうっ(ボタボタボタ)

 わ、わらわ、あの手の話には弱いんじゃ・・・、うぐっ」


「ぐすっ、ううう、私も涙が止まりませんっ、あと鼻血も。

 ・・・あ、ハンカチどうぞ、フジョ様~(ポタポタポタ)」


「はあ・・・・・・。

 まー、お師様はあまり気にされてない様ですけど。

 家族の交流とかを、下品な目線で見られるのは

 気分の良いものではありませんからねー。

 その辺は、ちょっと気を使って下さいよ~?

 ・・・ミケも本気出したくありませんので」


「うむ、わかった、すまなかったのう、ぐすっ(ダラダラダラ)」

「はい、すみませんでした、ぐすっ(タラ~~~~)」


「・・・・・・はあ~。

 あっ、それと、その辺はちゃんと掃除しておいて下さいよ?

 フジョ汁と鼻水と涙でぐっちゃぐちゃじゃないですか」


「「はーい」」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ