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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
183/401

183 冒険者Aさんとごほーこく ⑤

あらすじ:冒険日誌はマメに書きましょう。


視点:ご主人様の膝の上が特等席 ミケニャンさん

『』:アルファさん


「まー、ダンジョンの主(ダンジョンマスター)としては、どーか知りませんけど

 罠使いとしての腕前は、三流以下でしょうね~」


「ん? そうなのか?

 報告書と聞いてる限りじゃと、厄介そうに聞こえるぞ?」


「あら、そうなの? アルファさん?」


『せやな~、まー、三流以下ってのは言い過ぎやけど

 良くて二流って感じやなー、{まだ(・・)}な~』


「えっと、{まだ(・・)}・・・ですか?」



 まー、そこは突っ込んで聞いてきますわよね~。


 説明は・・・ご主人様にお任せしますわ~~。


 ミケはご主人様のお膝の上で・・・。


 ふわぁ~~~~~! 極楽ですわ~~~~!!



『(わっしゃわっしゃ)え~っとやな、仕掛けられとった罠は

 確かにBランク相当の危険な物が多かったし

 使い方のセンスも悪くはなかったんやけどな~?』


「「「けど?」」」


『仕掛け方が甘い、大甘やったわ』


「仕掛け方?」


「えっと、アルファさん、どういう意味ですか?」


「(くんかくんか)ふにゅぅ~~~~、アレですよ、アレ。

 経験不足、実践不足ってやつですね~~~、はふぅ~ん。

 罠なんて実際に使ってみてナンボでしょう?」


「あらあら・・・それなら確かにそうね」


「・・・ああ、なるほど、そういう事ですか」


「どういう事じゃ?」



 ま~~~~ったく、このアホのじーさんは・・・。


 ふにゃあっ!?(ぞくぞくぞく)はふぅ。


 マリさんとメガネさんはあっさり気付きましたのにね。


 (すりすり)はぁああああ、たまりませんわ~~。


 疲れた時はやっぱりご主人様成分補給ですわよね~~。



『(さわさわさわ)ん~~、要はアレやアレ。

 新しい罠とか自分の知らんかった使い方とか入手して

 {早速、使ってみました!}ってやつやな~。

 でも、ここの冒険者って、滅多にダンジョン行かへんやろ?』


「そうですね、特にこの{洞窟ダンジョン}は人気有りません」


「そうよね~、せっかく罠を仕掛けても

 実践相手が来ないんじゃ意味無いわよね~」


『せやから、せっかく強力な罠を配置しとっても

 痕跡は消しとらん上、位置もバレバレでなー。

 設置したもんの意図が分かり易すぎなんやわ。

 いや、配置の考え方自体は、悪く無いんやけど

 逆に、次にどの辺にどう設置しとるか

 大体、見んでも読めてまうのがな・・・。

 しかも、発動後のデメリット知らんかったんか

 効果が相殺してまう箇所も幾つかあったしなー』


「ああ、それであちらさんが三流以下、・・・という訳か。

 言われてみれば、確かにその通りかもしれんのう」


「・・・(いえ、それはアルファさんだから読めたのでは?)」


「その辺りは冒険者も同じですよね。

 どんなに強い装備もスキルも、実際に使ってみなければ

 その長所や短所を実感できませんから。

 ピンチになって初めて使って、逆に状況が悪くなる・・・

 なんて、よくある話ですし」


「(すりすり)はふぅ~ん、メガネさんの言った通りですわ~。

 良い事言うじゃありませんか、メガネさん~~」


『さすが俺のリッちゃんやな!』


「誰が誰のですか、あとメガネさんは止めて貰えませんか?」


「あらあら、そうカリカリしないで~、ね?

 誉められてるんだから、リッちゃん(ぽんぽん)」


「・・・・・・(ぐぬぬぬ)」


「(これは、あえて何も言わん方が良さそうじゃな)」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「・・・で どうするのが一番よさ気じゃ?

 推奨ランクをBに上げれば良いんかのう?」


「いえ、それは根本的な解決にならないと思います、ギルド長。

 そもそも、Cランクどころか、現在居るBランクの人ですら

 誰も受けたがらなかった案件ですし」


「そうねえ~、だからアルファさんに調査しもらった訳だし。

 それに、さっきアルファさんが言ってたでしょう?

 {まだ二流(・・・・)}って、それって裏を返すと

 時間が経てば、経験積んで一流になっちゃう・・・。

 そんな可能性があるって事よね~?」


「うーーーーむ、そうじゃのう。

 ・・・アルファよ、お前の意見はどうじゃ?」


『(さわさわ、なでなで)俺? せやな~。

 俺の提案としては早めに退治した方がええと思うけど?

 あそこの主が、ただの戦闘力自慢やったらともかく。

 裏張りの罠だけやのうて、切り札的なアンデッドも持っとったし。

 育ったら、面倒臭いやろな~』


「・・・何より、成長速度が危険だと思います」


「え? そうなの~?」


「ん? そうなのか?」


「マリさんはともかく、何でアンタが知らないんですか!

 本当、これだからアホのじーさんは!!(くわわっ)」



 はっ!? すっかりご主人様に甘えモードだったのに


 アホのじーさんのせいで、思わずツッコんでしまいましたわ!!


 いけないいけない、こんなに甘えさせてくれる機会は


 そんなにあまりそこまでボチボチしかないんですから


 ちゃ~んと堪能しないと~~~~、むふふふふふ~~。



『せやねん、マリちゃん。

 実は1年ぐらい前にも、調査に行っとってな~。

 その時は、罠なんか全然無かったし

 出てくるモンスターも、蝙蝠とかトカゲ系とかばっかで

 【アンデッド】もほとんど居らんかったしな~

 その時は、最奥まで行ったけど、主は居らんかったんやわ』


「あらあら・・・と言う事は~?

 ずっと潜伏してたのが、急激に力をつけたとかかしら?

 そうなら、尋常じゃない成長速度ね~。

 もしくは、ダンジョンを乗っ取れるだけの技術を持った

 何者かが外から来たって事になるわよね~?」


「それ、どちらにしても厄介じゃな」


「ここは、ランクをBに上げないで、Cのまま

 指名の{緊急クエスト}に変更して

 アルファさんに、再調査してもらうのが一番なのでは?」


「ん? なんじゃ、ランクは上げんでもいいのか?」


『わはは、ブラボーのじーさん、俺はCランクやで~?

 Bで{緊急クエスト}にしたら受けられへんやろ~?』


「お!? ・・・おお、そういえばそうじゃわい。

 緊急にすると、そのランクで固定されるんじゃったな」


「(ぷひー)やれやれ~。

 これだからアホのジーサンは、アホなんですよ~」


「さっきから、アホアホやかましいわい!! タヌキ娘が!」


「そうねえ・・・で、どうかしら、アルファさ~ん?

 受けてくださるのかしら?」


『ん~、せやな~、再調査か・・・うーん・・・』


「えっ・・・と? 何か問題がありましたか?」


『攻略やったら受けてもええで? もしくは主の討伐。

 ただし、攻略後にあそこのダンジョンは

 もう使い物にならなくなるって条件付きやけどな?』


「はあっ!? いや、そりゃお前。

 攻略してくれるんなら、一番有り難いんだがよう。

 ・・・で、何でその条件なんだ?」


「(すりすり)は~、やれやれ、これだから以下略は~」


「ええと・・・、それは、最奥で【核】も破壊して

 ダンジョンごと破壊しちゃうって意味かしら?」


「だ、ダンジョンごと破壊!? う~~む・・・」


『せやで~? マリちゃん。

 さすがにあれだけ急激に育ってるダンジョンとか

 放置すんのはどーかと思うんやけど

 一応、ダンジョンってのは、資源の宝庫やからな~。

 実際、それで町おこししとる所も有る訳やし』


「うーむ、そうなんじゃよな・・・」


『・・・ついでにゆーとくけど、ブラボーのじーさん。

 俺、今後ず~っとこの町に居る訳や無いんやで?

 将来的に危険になった時に、この国の戦力だけで

 どーにかできそうやったら別にええんやけど・・・』


「そうなのよね~、私も支援で来てるだけだから

 いつまで居てあげられるか分からないし~」


「・・・・・・」


「俺も将来的な危険の方が怖いんじゃが、資源か・・・。

 破壊したら、王都からグチグチ言われそうじゃのう」



 は~~、やれやれ、本当にやれやれですわ~~~。


 このアホのじーさん、肝心な事忘れてますわよね~。


 仕方ありませんね~、ここはミケがビシッと指摘して


 ご主人様に誉めていただきましょ~か~~!?


 いい加減、さっさと帰りたいですし~~~~。



「あの・・・ギルド長? そもそも、このダンジョン。

 誰も行く人が居なくて、放置されてたんですけど?」


「あっ!?」


(シーーーーーーーーン)


「「・・・・・・」」


「あらあら~、じゃあ、無くなっても問題ないわね~?」


「お、おお! そうじゃな! うむ!

 じゃあ、アルファよ、頼んでも良いかのう?」


『わはは、ええで~。

 でも、3日ぐらいは後にしてな~?

 明日はユキ達の方がどーやったんか、聞きたいし。

 他のパーティメンバー候補に声もかけときたいしな~』


「はい! それでは、手続きだけ先に行っておきますね?」



 おの~れ~!? またしてもメガネさんか!!!


 ミケがご主人様に誉めて頂くチャンスを~~~!?


 ・・・・・・でも、まー。


 とりあえず、ミケが言おうとした事をズバッと言って


 このぐだぐだな時間をさくっと終わらせてくれた訳ですし?


 この場は誉めておきますわ、メガネさん。


 は~~! 早く帰ってご主人様とお風呂入りたいですわね!!


 お風呂! お風呂!! ぬふふふふふふ~~~~~!!!


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 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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