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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
180/401

180 冒険者Aさんと探索はこつこつと

あらすじ:師匠を慕う弟子の理解っぷりが凄い・・・。


視点:Dランク冒険者 シーフLv4 ヤンキさん

『』:アルファさん


『どっかで、また盛大に過大評価された気がするわ~。

 例えば、優秀すぎる弟子が勝手に勘違いして

 やっぱり師匠はすごい人だったんだ~みたいな?』


「突然どうされたんです? ご主人様。

 気も何も、えらく具体的じゃないですか。

 ・・・でも! それはそれで間違いじゃないですわ!!

 ミケもそう思いますっ! いえ! 常に思ってますよ!?

 う~~~ん!! ご主人様、しゅごいっ!!(ひしっ)」


「ええい、やめんか!

 (ぐわっし)だ~き~つ~く~な~~~」


「(すりすり)ぬふふふ~! 良いではないですか~!」


「あ、あの・・・先に進んでも?」


「『すんませーん!』」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「(書き書き)・・・うーん?

 通路がこうってことは・・・、この辺かな?」


『(ひょいっ)んー? どこら辺や?

 ちょい見せてみぃ、ケベックくん』



 ・・・・・・ホント、当たりだよな。


 このパーティを、斡旋してもらうまで俺はソロだった。


 けど、別にずっとそうだったって訳じゃねえ。


 3つのパーティに入ったし、臨時でも幾つか参加したさ。


 だけどな、この国の冒険者ときたら、どいつもこいつも


 新人もベテランも、火力重視のスキル頼みだったぜ。


 結局、どのパーティとも合わなくて、全部抜けちまった。



「おーい、ヤンキ。

 そこの右手側の壁をちょっと探ってみてくれないか?

 地図見た感じだと何か有りそうなんだよ」


「おう、任せとけ!」



 ああ、そうだ、そうなんだよ、コレだよコレ。


 俺はコレがしたくて冒険者になったんだよ。


 冒険譚に載ってるみてえな{冒険}がしたかったんだよ。


 だから、ギルドで【シーフ】として登録したんだよ。


 {冒険}ってのは、強敵とバリバリ戦うだけじゃねーよな。


 やっぱ、探索に罠に謎解きに・・・へへへ。


 な~んか俺も、パーティ入ったり抜けたり


 ソロでやってたりそんな事やってる間に


 すっかり他の連中に染まっちまってたよな~。


 最短でランクを上げる為のセオリーがどうのとか


 ホント、どうでもいいじゃねーか。



(ゴンゴン、ぺたぺたぺた、ゴンゴン)


「んー? ん~~・・・(コンコン)おっ!?

 何かわからねえけど、ここ崩せそうだぜ?」


「おっ! やったな! ヤンキ」


「よし、じゃあ2人共、ちょっと離れててくれ。

 ・・・確かにこういう時、鈍器って便利だな。

 僕も剣から鈍器に変えようかな?

 別に剣にこだわりがあるわけじゃないしなぁ」


「ま、それもいいかも?

 今回はアルファさんからの借り物だけどね。

 その辺は帰ってから考えたら良いんじゃない?」


『おー、マイクくん、その辺はいつでも相談乗るで~?

 ・・・にしても、この地図の通りやと

 隠し部屋って事は無いやろーけど

 隠し穴とアイテムぐらいは有るかもな~』


「はは、帰ったらお願いしますよ。

 じゃ、いくよ~?(ガチャリッ)」


(ブンッ、ゴガガッ、ブンッ、ゴギャッ)


「ん~? もう少しかな?」


(ブンッ、ゴギャン、ブンッ、パカーーーン、パラパラ)


「おっ! 何か30cmぐらいの空洞が・・・んんっ?」


『おっと! ストップやで~! マイクくん。

 今、無造作に中を覗き込もうとしたり

 腕を突っ込もうとしたやろ? それはアカンで~~~』


「え? あっ! そ、そうですね!

 ヤンキ、頼む」


「お、おう!」



 しまった・・・、ここは俺が止めないと駄目だったな。


 そうだよ、罠ってのは見えない所にこそ気をつけないとな!



「おっと! ストップですわ~! ヤンキ君。

 罠には視線に反応する物も有りますからね!(ごそごそ)

 こういう時は、手鏡なんかの小さい鏡で穴の中を映して

 それを見ると良いですわよ~~!?

 さあ! (ぽんっ)これをお使いなさい!」


「・・・・・・あ・・・はい、あねさん

 あ、ありが・・・とう・・・ご、ございまッス(ぶるぶる)」


「「・・・・・・ぶっ!」」


「笑うなよ!!? お前ら!!」


『何でよりによって、ピンクの可愛らしい手鏡やねん。

 ウサ耳ついとるし・・・』



 う、うぐぐぐぐ・・・この鏡の外見はもう仕方ねえ。


 けど、そういう重要な技術をさらっと教えてくれる


 耳のあねさんには、何だかんだで助けられてんだよな。


 これも多分、【シーフ】としては基本中の基本なんだろ?


 さっきの壁もそうだけどよ、罠とかの探し方も見分け方も


 スキルじゃどうにもならねえんだよな・・・。


 他所の国だと、そういう技術を有料で教えてくれる


 【盗賊シーフギルド】とかが有るらしいんだが


 この国にはそんなもん無ぇからな~・・・。


 さて・・・・・・・・・っと、どれどれ?



「・・・何か、光ってる小箱が見えるな」


『ほー? そりゃ、多分【D箱だからばこ】やで?

 わははは! やっぱ、ダンジョンとゆーたら【D箱だからばこ】やろ!

 ダンジョン製の【D箱だからばこ】やったら、箱は安全やで?

 【D箱だからばこ】には罠はかかってないってのは確定なんやわ~』


「え? そうなのか・・・じゃ、じゃあ(ひょいっ)」


(カチッ)


「ん? 今、何かの音が・・・」


「カチッて聞こえたような・・・」


「・・・・・・おい、おっさん、今の音って」


『罠が作動した音やな~』


「ちょっ!? 罠は無いってさっき・・・」


「はあ~~~、何を言ってるんですか? あなた達。

 ご主人様は、{箱には罠が無い}っておっしゃったんですわよ?」


「「「ええええっ!?」」」



 そんなん有りかよっ!?


 いや、確認しなかった俺も悪かったけど


 あんな言い方されたら、普通そのまんま信じるだろ!?


 くっそ~~~~~~~!!!



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




『さてと、そんじゃ今日は地図もボチボチ埋めれたし。

 そろそろ【ダンジョン糸】辿って帰るで~~』


「えっ? もうですか?」


「ちょっと早くないですか?」


「さっき、休憩で昼食ったばかりだろ?

 今日、あまり進んでねえんじゃないか?」


「はあ・・・・・・あなた達ぃ~。

 これから、帰る時間も有るって忘れてませんか~?

 帰りに何が起きるかわからないんですわよ~?」


「あー、そっか」


「そう言われるとそうだよな。

 行きで3・4時間かかってるんだから

 帰りも同じだけかかると思うべきだよな・・・」


『せやでー? {ダンジョン調査}の場合はなー。

 日数かけてコツコツとやってけばええねん。

 別に{ダンジョン攻略}せんとアカン訳でもないし。 

 ・・・それに、帰り道が同じで済めばええんやけどな~」


「は? それって・・・」


「あなた達、このダンジョンはほぼ確実に

 主か管理者が居るって事忘れたんですか~?」


「「「あっ」」」


『帰り道ってのは、どーやっても

 疲労が溜まっとるし、気も少し抜けてまうからな~。

 奇襲するなり、何かを仕掛けるにしても最適なんや。

 俺がこのダンジョンの主やったら

 間違いなく帰り道に本命もってくるやろーなー。

 って訳で、みんな帰るで~?』


「は~い! ご主人様~!」

「はいっ!」

「おう」

「了解でーす!!」


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 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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