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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
177/401

177 冒険者Aさんと習性

あらすじ:海の中では日常的に凄惨な光景が広がってるようです。


視点:主従共々、燃やすの大好き ミケニャンさん

『』:アルファさん


(バチッバチッ、ゴオオオオ、シュワアアアア)


「・・・えっと・・・すっげえ燃えてるな」


「ああ、燃えてるな」


「何で自分から燃えに行ったんだろ? あの【ゾンビ】」


『あーーー、一応、薬草とか色々混ぜとるから

 多分、有害なガスは発生してへんと思うけど

 元が何かの【ゾンビ】やし、あんまし、煙は吸うなよ?

 あと、燃え尽きるまでは警戒しとけよ?』


「気合の入った所に、水を差した様ですみませんわね~。

 ご主人様も、本当は、あなた達に任せるつもりでしたが

 ちょっと面倒そうな相手でしたので」


「えっ? いえ、まあ僕らは別に・・・うわ! くさっ!?」


『こら、アカンなー(ごそごそ)

 あと【小オイル】2個ほど追加して、一気に燃やすか。

 ほれ、みんな、燃え尽きるまでちょい離れるで~』


「あっ! はい! 2人共下がるぞ!」


『そりゃそりゃ(ぽいぽいっ)』



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「「「・・・・・・」」」


「ひゃっほ~~~い!!

 さっすが、ご主人様の【小オイル】!!

 素晴らしい火力でしたわ~~~~!!!」


『ミケは相変わらず、炎が大好きやな~?』


「いえいえ、ご主人様ほどじゃ~~(げらげらげら)」


「あ・・・あの・・・? 結局さっきのは一体?」


「【ゾンビ】ってあんなにしぶとかったか?」



 そりゃまあ、幾らなんでも、そう思いますわよね。


 {ご主人様の【小オイル】}を3本も・・・。


 3本も使う必要があった相手ですからねー。


 多分、アレの素体って、上級モンスターでしょうね。


 耐久力からしたら{Bランク推奨}ってとこですか?


 恐らく、さっきの{感知センサーの罠}で解放された


 このダンジョンの切り札的な戦力で、侵入者を探して


 ウロウロと通路を徘徊してたってとこじゃないですか?


 まっ! ご主人様の足元にも及びませんでしたけどね!!



『まー、それはともかくとしてなー。

 相手の正体が分からんで、迷った時とかは、あんな感じで

 手前ら辺に【小オイル】とかを投げこんどくとええで。

 相手の習性を利用できるからな~』


「習性・・・ですか?」


「俺、【ゾンビ】って火を怖がると思ってたんだけどな。

 だって【アンデッド】って火が弱点なんだろ?」


「僕もそう思ってたんだけどね・・・。

 まさか自分から飛び込むとは思わなかったよ」


「まー、そー勘違いしてる人は多いでしょうねー」


「え? 勘違い? ・・・なんスか? 耳のあねさん!」


「そうですわよー。

 だって、【アンデッド】には感情も知性も無いんですから

 {怖がる}なんて考え、有る訳無いでしょう?

 それに、アレはですね~、むしろその逆なんです」


「「「逆?」」」


『せやでー。

 そもそも【アンデッド】ってのはな・・・。

 死体に、彷徨っとる霊魂が乗り移っただの

 強い未練があって、蘇っただのってのが大半なんや。

 キミらも、そーゆー存在やって聞いた事はあるやろ?』


「ま、まあ、そういう存在らしいってのは聞いた事ありますね」


「・・・んで、それがどうしたんだよ、おっさん」


『つまりやな? 基本的に【アンデッド】ってのは

 自我が有ろうが無かろうが{浄化されたがっとる}訳や。

 本能とゆーか、宿っとる魂の習性みたいなもんやろな。

 早くこの世の苦しみから解放されたいってなー』


「・・・・・・あーーーーー、それで!?」


「・・・そりゃ、そうか。

 あいつらって見るからに苦しそうだし

 死んで楽になれるなら、さっさと死にたいだろーな」


「・・・・・・あれ? つまり、どういうこと?」


「「・・・えっ?」」


「はあーーーーーーーーー、ケベック君。

 あなた{パーティの知恵袋}なんでしょ?

 それぐらい察して下さいな。

 本能では魂の浄化、死にたがってるから

 火を見たら飛び込みますし、燃えても抵抗しないんですよ。

 それで、火が弱点なんて言われてるんですわよ。

 ミケが勘違いと言った意味がわかりましたか~?」


「あ、いえ・・・、そっちは理解できてるんですけど

 そうなると、別の疑問が出てきちゃいまして・・・。

 えっと、ほら! 高位の【アンデッド】の中には

 火に対する抵抗力が有るのも居るそうじゃないですか?

 それって、どう言う存在なのかなって・・・?」


「あら? あらあら?。

 あーー、それはすみませんでしたわ。

 てっきり、いつもの・・・げふんげふん」


「えっ!? いつもの!?」



 なるほどなるほど~~。


 これは、ミケの早とちりでしたわね~。


 ケベック君って{パーティの知恵袋}とか自称してますけど


 知恵袋の後に(笑)が付く様な事をたまに言いだしますので


 てっきり、今回もまたそれかと・・・。


 まー確かに、そういう疑問も出てくるでしょうね~。


 でも、その答えは割と簡単なんですよ。



『それはやなー、高位の【アンデッド】って、知性が残ってて

 浄化させられたくないから抵抗してる・・・らしいで?

 本能から来る衝動を、必死に精神力で押さえつけとる訳やな』


「あれ? それって・・・」


『おっ? それも聞いた事あるんやな、ええでええで~。

 冒険者なら、そうゆー知識は持っとくべきや。

 せや、【精神抵抗レジスト】って呼ばれとる、対抗方法やな。

 もしくは、知性が残っとるんやったら、装備品やアイテムとかで

 弱点補えるやろ? そこら辺は冒険者と同じやな~』


「あ、そっか・・・【リッチ】みたいな高位の【アンデッド】って

 装飾品をジャラジャラ付けてるイメージが有ったけど

 それが全部マジックアイテムだとしてもおかしくないんだ・・・」


「なるほどなー」


「まー、その他ですと、単純に元になった素体が

 火とかに強いって場合もありますけどねー」


「ああ、なるほど・・・その場合もあるんですね。

 確か、前に狩った【鎧ネズミ】の皮も火が効き難いらしいし。

 それこそ【ドラゴン】の系統だったら

 火だけじゃなく、他にも色々な耐性持ってそうですよね。

 ・・・まあ僕は【ドラゴン】が素体の【ゾンビ】なんて

 絶対に戦いたくないですし、遭遇したら絶対逃げますけどね」


「あーーー、確かにアレは面倒でしたわね~、ご主人様~?」


『ほんまになー』


「「「え”っ?」」」


(パチパチ・・・パチ・・・パチ・・・)



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




(ザッザッザッ、カシャカシャカシャ)


「(もぐもぐ、ごくん)そういえば、アルファさん。

 投げた火に対して【アンデッド】以外だと

 何か判別方法が有るんですか?」


『お? おーー、他の判別方法も有るで~?

 例えば、虫とかトカゲ系も割と火に近寄ってくる。

 あのタイプは、真っ暗の中でも生きていく術として

 熱や明るさで、周囲や対象を判別する習性が有るからな。

 ・・・まー、近付きすぎて火に飛び込んで

 そのまま燃え尽きてまうやつも多いけどなー』


「何かそこだけ聞くと【アンデッド】みたいですね」


「生きる為と死ぬ為、目的としては真逆なんですよねー。

 ちなみに、屋外のトカゲやヘビは鱗が強いので

 火に対して耐性が有るのが多いんですけど。

 こんな真っ暗の中に住んでるのは、大抵ヤモリみたいな

 白っぽいフニャフニャしたのばかりですから

 火に強いのってあんまり居ないんですよねー」


『他には、獣とかやと、火を警戒するから

 一旦止まるか離れるかやな・・・なー? ミケ?』


「・・・なぜそこでミケに振るんです? ご主人様~?」


『(にやにや)いや~、だってお前、正真正銘の

 けも「違いますわーー!!」のぬわーっ!?』


「ふがーーー!! ふがー! ふにゃ~(もがもが)」



 んもーーー! ご主人様ってば!


 ミケの事が大好きで大好きで仕方ないからって


 たまにこんな意地悪を言うんですわ~~!!!?


 だから、ミケがしがみついて、クンカクンカしたって


 許されますわよね! ええ! ミケが許しますとも!!


 というわけで、ふんがふんがふんが~~~~~!!!



「あ、あの・・・アルファさん、ミケニャンさん。

 さすがに、じゃれ合うのは控えてもらえると・・・」


「『すんませーん』」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「(きょろきょろ)なるほど・・・っと。

 左右両方とも、通路には何も居ないっぽいぜ。

 どっち行くんだリーダー?」


「そうだな・・・ちょっと待ってくれ、ヤンキ。

 ケベック、地図だとどっちの通路が長くなってそうだ?」


(ガサガサ、ガサガサ)


「(書き書き)えーっと、僕がマッピングした感じだと

 入り口がここで、こう来て・・・今ここだから・・・。

 マイク、多分長い通路は右だと思う。

 左に行くと、行き止まりなんじゃないかな・・・」


「そっか、じゃあ左だな」


「『うんうん(にこにこ)』」


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 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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