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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
175/401

175 冒険者Aさんとダンジョン向きの行動食

あらすじ:多少無理してでも、こまめに水分・栄養補給することが大事だそうです。


視点:Dランク冒険者 ソーサラーLv4 ケベックさん

『』:アルファさん


「そ、それは、出発する前に教えて欲しかったですよ~」


「なるほど・・・ダンジョンだと、疲れてからの回復よりも

 疲れない様にする事に重点を置いた方が良いんですね」


『わはは、すまんすまん。

 いや、キミらダンジョン探索の経験が有るってゆーとったし。

 そこら辺は知っとって、あえて小休憩でガッツリ休む!

 ・・・のパターンかと思っとったんで

 道中何も言わんかったんやけどな~』


「そうですわ~~~。

 ミケもご主人様も、あなた達が道中どうするのかな~って

 後ろからワクテカしながら眺めてた訳じゃ無いんですわよ~?」



 うわーーー・・・・・・絶対嘘だっ!!


 これ、僕らが知らなさそうだからって


 後ろでニヤニヤしながら観察してたに違いないよ!!


 でも、その通りだったから反論できないっ。


 うぐぐぐ・・・。



「いやいや、アルファさんもミケニャンさんも

 僕らが知らなさそうって分かってたんなら

 早めに言って下さいよ~~~」


「いや、ケベック、これは、知らなかった僕らが悪い。

 ダンジョンと屋外と同じ感覚だった事を

 教えてもらえただけでもありがたい事じゃないか」


「(ぶつぶつ)・・・そっか。

 それはそれで、そういうパターンも有りって事か」



 いや、僕も本気で文句言ってる訳じゃないし。


 ・・・って、ごねてるの僕だけなのか。


 それにしても、優等生なマイクはともかく


 ヤンキは少し意外だったかな・・・。


 前だったら絶対に文句ぐらい言ってたと思うけど


 何か意識が変わる切っ掛けでもあったんだろうか?


 ・・・こっちとしても良い事なんだけど


 最近、ミケニャンさんの子分っぽくなってきてるのは


 なぜなんだろうか・・・。



「ところで、アルファさん。

 行動中に軽く飲んだり食べたりする場合は

 どんな物がオススメなんですか?」


「あっ! それは僕も聞いておきたいです!」


『んーーーー? せやな~。

 そこら辺は個人の好みも有るから

 絶対にコレってのは無いんやけど

 俺個人のオススメとしては幾つか有るな~』


「へえ・・・例えばどんなのが有るんだ? おっさん」


『例えば? せやなー・・・(ごそごそ)コレとか?』


「・・・これは・・・干し肉・・・ですか?」


「これは、鶏の{せせり}・・・首の部分の干し肉ですわ。

 モモ部分よりもしつこくない上質な脂が乗っていて

 ムネ部分よりも深い味わいで程よい弾力。

 噛めば噛む程、やみつきなる一品ですわ!!」


「「「・・・(ごくりっ)」」」



 何それ、うまそう!!


 鶏の首の部分のお肉って言ってたよね?


 【ビアー】で売ってないかな・・・。



『わははは、まー、キミらにも分けたるから

 道中に味見してみたらええ。

 だけど、塩とか色んなハーブとか使っとって

 食うと喉が渇きやすくなるから

 ちょっとづつ食うんやで~?』


「「「ひゃっほー!!」」」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




(カツカツカツ、ガシャガシャガシャ)


「(もぐもぐ)うわっ・・・、うめえコレ」


「形が細長いから食べやすいのも良いよね」


『食うんは、一口かじる程度にしとけよ~。

 後引く味なんはしゃーないけどな~』


「はい! ・・・それにしても、移動しながらだと

 もっと集中力が散るかと思ったんですけど

 意外と・・・いえ、むしろ調子が良い気が?」


「まあ、塩気や栄養が補給できてるってのも有りますけど

 物を噛むって行為自体も良いんですわよね~。

 頭がシャッキリしますし、適度に緊張も解せますから」



 ああ、そっか・・・、なるほど。


 集中力は少し散るのかもしれないけど


 集中しっぱなし、緊張しっぱなし状態に比べたら


 結果的に、その方が集中できてるのかもしれない。


 何よりも、小休憩前に比べて疲れ感じてないし。



『ちなみに、{せせり}って割と希少部分やし

 売ってなかったら、ムネ肉でもええけどなー。

 アレの燻製も行動食に向いとるし。

 ・・・あー、そうや(ごそごそ)

 こーゆーのも有るで? そんな美味くは無いけどな~』


「えっと、これは?」


「・・・・・・緑の・・・玉?」


「ええ、ご主人様お手製の行動食、と言うか丸薬ですわ」


「丸薬? 薬なんですか?」


『まーーーー、薬と言えば薬やな。

 {炒った大豆と胡麻}をすり潰して粉にしたもんに

 {黒砂糖}と{刻んだ薬草}混ぜこんでな

 薬草の水分だけで練り練りしたもんなんやわ』


「あ、あの・・・1つ貰って『ほいっ』うわっと!?

 (ぱしっ)あ、ありがとうございます。

 じゃ、じゃあ早速・・・(ぱくっ)」


「・・・ど、どうだ? リーダー」


「(もぐもぐもぐ、ごくん)・・・まあ、うん。

 味は悪くないよ? 僕は割りと好きな味だけど・・・」


「「だけど?」」


「はい、マイク君っ(ぽいっ)お水ですわよ~」


「げほ、げほ、あ”り”が”(ごきゅごきゅごきゅ)

 ぷはっ、あ、ありがとうございます、ミケニャンさん」


「ああ・・・喉渇くのか」


「まあ・・材料聞いてただけでも

 口の水分全部持ってかれそうだったもの」


『・・・っとまー。

 明らかに栄養たっぷりで体に良くても

 喉が乾き過ぎるやつは、行動中にちょこちょこ食うには

 あんまり向いてないって訳や。

 どっちかとゆーと、コレは小休憩向きやな。

 戦闘後とかで、疲労溜まってる時なんかに

 お湯と一緒に飲むと、よー効くで~?』


「逆に水分補給控えるんでしたら(ごそごそ)これ!!

 こんなのも有りますわよ~~!

 ささ! ケベック君にあげますわ!

 さあ! 一口で! ほら! さあ!!(にやにや)」


「え!? えっ!!? 何ですか!?

 わ、わかりましたから! で、では・・・(ぱくっ)」


「「・・・・・・(じーー)」」


「!!? 酸っぱーーーー!!!?」


「「!!!?」」


「ぬっふっふっふ~~(にやにや)」



 酸っぱい!!? そしてしょっぱいよコレ!!


 うわっ!? 口の中、唾液が溢れてくるっ!!!


 痛っ!? 塩辛くて舌が痛いよコレ!!!


 何!? 何だコレ! んぐぐぐっ。


 僕、一体何食べさせられたのっ!?



『おいおい、ミケ~~。

 それは事前の心構え無しやときついやろ~。

 大丈夫か~? ケベックくん。(ごそごそ)

 ほれ、(ぽんっ)この【氷砂糖】やるから

 これ舐めながら、ゆ~っくり水飲むんやで~?』


「(わたわた)あ、あうわわはわ!!

 ん、んぐんぐ(ころころ、ごくん、ごくん)

 ・・・・・・甘ぁ~~~い!!」


「(げらげらげら)あっはっはっはっは!!!

 どうです! ケベック君!?

 【フソウ】名物の【梅干】は美味しかったでしょ!?

 しかもコレは甘味一切無しの、ミケ特製!!

 種は取ってますので、そのまま飲み込めますわよ!!」


「うう・・・酷いですよ、ミケニャンさ~~~ん!

 どうです? と聞かれても

 凄かったですとしか言えませんよ~~。

 ぼ、僕も【梅干】は食べた事ありますけど

 さっきのは、一切の遊び無しって感じでした~~~。

 んんん~~、まだ、舌がヒリヒリします~~」


「ひ、ひでえ・・・さすがは耳のあねさんだぜ・・・」


『まー、一口で丸ごと行くとそうなるわな・・・。

 それな? 端っこだけちょっとかじる程度に食ってみ?』


「え? そうなんですか?

 ・・・えっと、ミケニャンさん。

 少しだけ、欠片だけもらってもいいですか?」


「お、おい、リーダー!? やめとけって!」


「ほうほう! チャレンジャーですね! マイク君!

 いいですわよ~~(ごそごそ)こんなぐらいでどうです?」


「で、では・・・! (ぱくっ、もごもごもご)

 (こくんっ)・・・うん、何か気合入りました!」


『な? そんぐらいやったら、丁度ええやろ?

 お目々ぱっちり、意識シャッキリってな』


「うぐぐ、僕だけ凄い弄ばれた感が・・・」


「・・・ところで、おっさん。

 今更だけど、ダンジョン内でこんな騒いでて良いのか?」


「はぁ~~~~~~~~~~~、やれやれ。

 駄目に決まってるじゃないですか~~~~。

 何、分かりきった事言ってるんです? ヤンキ君。

 そんな事、聞かなくても分かるでしょ~~~?」


「ぐっ、うぐぐ・・・(ぷるぷる)」


『ほれほれ。

 ミケもいい加減ヤンキ君らで遊ぶのはやめとけよ~。

 それに、ほれ、ヤンキ君。

 次のお客さんはもう来とるみたいやで~?』


「「「っ!!?」」」


(シーーーン、・・・・・・ズリッ、ズリッズッズッ)


「ヤンキ、数と距離はどうだ?」


「数は6・・・いや、中型が3だな。

 まだ視界内には入ってねえが、距離は20mぐらい前方。

 移動速度は・・・かなり遅いな。

 先制しようと思えばできるぜ? リーダー」


「どうする? マイク」


『(にこにこ)マイクくんら、後ろは気にせんでええで~。

 な~んも来とらんから、キミらが好きに決めたらええ』


「はい!!」


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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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