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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
174/401

174 冒険者Aさんとダンジョンで小休憩

あらすじ:ダンジョンの罠にも色々と傾向があるようです。


視点:Dランク冒険者 ファイターLv4 モッブコットンさん

『』:アルファさん


 ・・・ふうっ・・・、思ってたよりもかなり疲れた。


 屋外の夜の暗さと、ダンジョンの暗さって全然別物なのね。


 頭では分かってるつもりだったけど、体験すると全然違う。


 本当、灯りが生命線って言う意味が良くわかったわ。



「(すっ)あ、あの、モブコさん、甘いお茶です。

 あの、熱いので気をつけてくださいね」


「あっ、ありがとう! サクちゃん」


「それでは、み、みなさんの分も、順にお配りしますね」


(とてとてとて)



 うーん・・・、気も効くし、本当良い子よね、サクちゃん。


 何より見てて癒されるし。


 ・・・それじゃ、いただきまーす!


 熱っ、はふはふ・・・ん~! 体に染み渡る~~~!!!


 何のお茶なのかは分からないけど、お砂糖たっぷりに


 多分、ショウガも入ってるわよね、ピリピリするし。


 ふうふう・・・あつあつっ・・・ん・・・。


 疲れた体と心に、じわ~~~っと染みていくわ~~。


 ・・・ところで、さっきからユキさんは何してるのかな?



(サラサラサラ、すたすたすた、サラサラサラ~)


「あの、ユキさん、それは何をしてるんですか? うおっ」



 ナイスよ! サバミソ君!


 この子、好奇心強くて、どんどん質問してくれるから


 こういう時、すっごい助かるのよね!!



「ああ、これですか?

 これはモンスター避けのお香を撒いているんですよ」


「お香・・・ですか? うおっ」


「(くんくんくん)・・・あれ?

 何か、どこかで嗅いだ事のある匂いなんだな」


「(くんくん)・・・本当だ。

 確かに、どこかで嗅いだ事のある匂いですね・・・」


「ええ、まあ、そうでしょうね。

 基本的な材料は薬草ですので・・・」


「「「あっ!!!」」」



 そう、そうだわ! 薬草よね、この匂い!


 ・・・・・・あれっ? 今気付いたけど。


 このお茶からも薬草の香りがするような?



「(くんくん)あれ? このお茶って? うおっ」


「えっ? お茶・・・?」



 本当に、助かるわね、サバミソ君!


 聞きたい事を次から次へと聞いてくれ過ぎ!!


 ありがたいわ~~。



「えっと、は、はい、そうです。

 お茶に使ってるお水は、薬草を漬けたお水を使ってます。

 あ、あの・・・臭いがきつかったでしょうか?

 一応、お茶の葉は香りの強い物にしたのですけど・・・」


「えっ!? あ! 大丈夫大丈夫!

 ちゃんと、美味しいから!

 色々気を使ってくれてありがとうね、サクちゃん!」


「(ずずずず)僕も美味しいと思いますよ! うおっ」


「そ、そういえば、ユキくん。

 お香って、焚いて煙を出す物だったと思うんだども?」


「いえ、お香は焚くだけの物では有りませんよ、ロバートさん。

 粉末にして練った状態でも、優しい香りがしますし。

 溶液と混ぜて液状にした物を、少し指つけて・・・。

 (ふぁさっ)うなじや・・・(すっ)手首や肘の内側に

 少し塗って香りを楽しんだりもしますね・・・」


「あっ! 確かに、香水も有ったんだな」



 そう言えばそうですね! 香水かーーー。


 まあ、私は高価な香水とか使った事無いんですけどね!!


 そ、そりゃ、女性冒険者向けの消臭用香水ぐらいなら


 使ってますよ? 軽く石鹸の香りがする安物だけど。


 【ビアー】でお徳用の大瓶売ってるから


 それ、小瓶に小分けして持ち歩いてますけど、何か?


 汗拭く時に、タオルとかに染みこませると丁度良いのよ。


 ・・・ライスとペアでやってた時はまだしも。


 男の人居るパーティに混ざる時は


 さすがの私でも、少しは気にするわよ・・・。


 見た目はともかく、一応、女の子だし!?


 ・・・・・・それにしても、ユキさん。


 さっきの仕草、色気有り過ぎ。


 私より小柄で体の線も細くて、美人で・・・。


 今度、香水のアドバイスしてもらおうかな?


 そういうの詳しそうだし?



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「ところで、ユキくん、このお香なんだども。

 休憩する時には、毎回撒いた方が良いんだか?」


「そうですね・・・可能なら毎回。

 モンスターへの効力はそこまで強くありませんけど

 害虫や害獣避けにもなりますので・・・。

 あっ、今回は日帰りですから、回収しませんので

 床に直に撒いてますが、長期間潜る場合でしたら

 設置用の入れ物を用意した方が良いでしょうね。

 何度も使用できて、回収もし易いですので」


「なるほどなんだな」


「・・・そう言えば、出発する前に

 アルファさんからも言われてたから

 ダンジョン探索の移動中にも、こまめに水飲んだり

 保存食用の炒り豆とか干し肉とかモグモグしてたけど

 それって、小休憩の時にまとめて食べるよりも

 効率良いのかな?」



 正直、モグモグしてると微妙に緊張感が薄れるし


 モンスターと鉢合わせした時に、喉に詰まって


 ちょっと違う意味でピンチになったのよね・・・。


 あと、毎回手を拭いて食べるの少し面倒だし。



「ええ・・・そうですね。

 お師様の指示された方法は、登山や長旅等でよく使われる方法で

 長期間ダンジョンに入る時でも、同様に効果が高いと思いますよ。

 道中で水分と小腹を満たして、疲れたと思う前に早めに小休憩。

 休憩も息を整えて少しだけ体を休める程度が一番でしょうね」


「うーん、おでは食べながら移動とか苦手なんだな」


「はは・・・、私もちょっと苦手ですね」


「(くすくす)まあ、普通はそうだと思いますよ?

 ですので、それに慣れる為の訓練も兼ねてるのでしょう。

 慣れてくると、集中力が持続できているかを意識できますので

 道中の水分・食料補給が有効な事も実感できると思います。

 それに、小休憩で休み過ぎると、緊張感が急激に低下して

 逆に休憩後以降の行動に、悪い影響が出ますし・・・」


「な、なるほどなんだな・・・」


「へえ・・・そういうものなんですね。

 あ、あはは、私、全然知りませんでした。

 アルファさんの指示って、そういう意図があったんですね」


「(ぴくんっ)ええ! そう! そうなんですよ!!

 お師様は私達の為を思って、アドバイスして下さってます!!

 ああ・・・さすがは、お師様です・・・(うっとり)」


「なるほど! アルさんはやっぱりすごいですね! うおっ」


「う、うん、そ、そうですね・・・あははは・・・」



 うん、アルファさんが凄いのは分かったんだけど。


 アルファさんの事になると、ユキさんが豹変するのは


 まだ慣れないなあ・・・ちょっと引いちゃう・・・。



(カチャカチャ、ゴソゴソ)


「(おどおど)あ、あの・・・お待たせしました。

 食器の片付けも終わりましたので、もうそろそろ」


「あっ! そ、そうだねっ!

 ありがとうね、サクちゃん!

 お茶美味しかったわ! ごちそうさまでした!

 さあ、休憩終わりっ!

 探索の続きに戻りましょ!!」


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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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