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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
166/401

166 冒険者Aさんと戦争 ③ 納豆

あらすじ:亜神とそのお供が流した血溜まりは、不思議な粉でキレイキレイされました。


視点:昨晩フジョ汁を垂れ流しすぎて、疲労で寝坊した フジョ様

『』:アルファさん


(しゃかしゃかネチャネチャ、しゃかしゃかネバネバー)


「(くるくるくる)・・・ビーエルよ。

 あまり食べ物で遊ぶのはどうかとわらわでも思うぞ?」


「(しゃかしゃか)遊んでなんていませんよ、フジョ様!

 やっぱり、こう!! 【納豆】は!

 糸でワシャワシャになるぐらいまで混ぜた方が美味しいですよね!?

 クリーミーになりますし!

 何か風味も増(した様な気が)しますし!!」


「はぁ・・・何を言っておる。

 【納豆】はそっと混ぜて、豆の風味ととろみを楽しむものではないか」


「えっ!?」


「えっ!?」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「長いね、叔父さん、もう10分以上たったよね?

 まだ、どっちが美味しいかを言い合ってるよ?

 わたしもう食べ終わっちゃったんだけど・・・」


「(にこにこ)はは、エイトちゃん。

 ああなったら、口を挟まずに放置が一番なんだよ。

 エイトちゃんはもう塾に行く時間だし

 もうそろそろ送らないと駄目だね。

 今日はもうアルファさん達は出た後だし

 まだ、決着はつかなそうだから、私が送りに行く間だけ

 お2人にお留守番頼んでみようかな?」


「うーん、叔父さんがそう言うなら・・・?

 ねえねえ、おばちゃん達!!!

 どっちでも良いから、お皿片付かないし

 決めるなら早く決めちゃってね! 超早く!!」


「む!?」


「お・・・おば・・・!?(がーーーーーん!!)」



 あっ・・・・・・。


 わらわは、まあ・・・、おばちゃんどころか


 とっくの昔に老人の域も越えておるから


 別に童女の言葉など何とも感じんが。


 ビーエルは・・・のう?


 確か24才じゃったか? 一応、まだ20代前半と言い切れるし


 見た目もまだまだ若々しいし、一般的には美人の類じゃろうて。


 それほど気にする必要は無いと思うんじゃが。


 本人は少し焦りだしておるみたいなんじゃよな・・・。


 それにしても、時に、子供の言葉と言うのは


 鉄の刃よりも、よう刺さりよる、ほんに恐ろしいのう。



「こらこら、エイトちゃん、失礼な事を言ってはいけないよ?

 エイトちゃんから見れば、皆{お姉さん}でしょ?」


「あっ! 確かにそうだね、叔父さん!

 うん! ごめんねお姉さん達! 超ごめんなさい!」


「ああ、わらわは気にしておらんゆえ、良いんじゃよ、童女よ」


「は、はは・・・も、もちろんわ、私も。

 いえ、だ、大丈夫ですよ? ええ、大丈夫ですとも(ぷるぷる)」



 嘘付け! 思いっきり動揺しておるじゃろ!!


 何か、ぷるぷる震えとるし。


 うむむむ、わらわの可愛いフジョシが・・・。


 何ぞ、話の矛先を変える良い切っ掛けは無いものか!?



(トコトコトコトコトコ、ガチャッ)


『おーい、ツリーさーん。

 エイトちゃん、まだ居るんやったら

 塾まで送ってく・・・あれ?

 おーー、フジョ様にビーエルちゃんやんか。

 わはは、遅ようさんやな~~!

 丁度、朝飯食っとんのかー?』


「!! おおっ! アルファではないか!」



 何と、都合の良い時に現れるのじゃ、お主!!


 ここは話題を逸らす切っ掛けを・・・!!!



「(にこにこ)あれ? アルファさん、今日は訓練場では?

 朝早くから皆さんで出かけられましたけど・・・。

 あ、エイトちゃんを送って頂けるのなら

 せっかくですし、お願いしてもいいでしょうか?

 まだ、後片付けが終わってませんので」


「えっ!? アルファのおじさんが送ってくれるの?

 うーん、本当はわたし一人でも大丈夫なんだけど

 仕方ないな~! 超仕方ないな~~~!!(にこにこ)」


『わははは、俺もちょっと忘れもん取りに来ただけやけど

 お世話になっとる宿屋さんの大事な姪っ子ちゃんやもんな!

 そんじゃ、エイトちゃん行こかー? 準備できとるかー?』


「あっ! ちょっと待っててね!

 急いで準備してくる! 超大急ぎだよ!!!」


(ガチャッ、ドタタタタタタタタタ・・・)



 ああっ!? いかん、このままでは行ってしまうぞ!?


 うむむむ、何ぞ良い切っ掛けは無いかのう!?


 あやつが好みそうな話題、話題話題・・・!?



『(じーーー)ほーーーーーー。

 フジョ様は{あまり混ぜ無い派}なんやな。

 んで、ビーエルちゃんは{すごい混ぜる派}かー』


「!! う、うむ! そうじゃ!

 わらわはこう・・・生卵を混ぜたり、わかめ等を入れて

 サラダ感覚とかおつまみ感覚で食すのが好きなのじゃ」


『あーー、それも美味いよなー。

 長芋すりおろしたのを混ぜても美味いし

 お魚の刺身なんかと絡めて食うのもええよな~。

 熱々ご飯にかけても、そのまま食べても良しや!』


「!?(ごくり) い、良いのう! 美味そうじゃな!!

 ・・・こ、今度やってみるかのう。

 うむ、やはり、お主も{混ぜない派}であったか!」


「(ゆらりっ)それは聞き捨てなりませんね!!

 アルファさん、糸が切れないぐらいにすごく混ぜて

 ふわっふわになった【納豆】の方こそ美味しいのでは!?」


「あーー、あれも美味いよなー。

 そのままやと、少し物足りんけど

 からし多目にしたり、わさびやアボカドを

 マヨネーズと合わせて、よ~く混ぜ混ぜするやろ?

 で、仕上げに胡麻とか刻み海苔とかかけるとな

 まろやかで刺激的な味になって、やみつきになるんやわ。

 あれって、ご飯だけやのーて、食パンとかにも合うし

 それこそ、サラダにのっけても美味いしな!」


「なっ!!?(ごくりっ)

 そ、その食べ方は知りませんでしたっ!!

 【納豆】と言えば【醤油】とばかり・・・・・・。

 そこまでご存知とは、やはりアルファさんも

 【納豆】は{混ぜる派}なのですよね! ですよねっ!?」


「(にこにこ)おやおや、また始まってしまいましたね」


「お主はどっちの食べ方じゃ!? アルファ!!」

「アルファさんは、勿論、こっちの食べ方ですわよね!?」



 うむむむむ、ビーエルめ。


 復活したのは良かったが、どうしてこう、頑固なのじゃ。


 ・・・そ、それにしても、わさマヨたっぷりで混ぜるのか。


 今度、一度だけわらわも試してみるか?


 い、一度だけじゃぞ!?  試してみるだけじゃ!!?



『えーー? 俺? どっち派ってゆわれてもなーーー。

 どっちも美味しい食べ方が有るしなーーー?

 それに、個人的に好きな食べ方ってゆーと【納豆汁】やし?』


「「なっ!? 【納豆汁】っ!!!?」」


「(にこにこ)ああー! 良いですね、私も好きです」



 あのぐつぐつと煮えたぎった臭い汁じゃと!?


 あんな臭いだけで、風味もとろみも無いまずい汁が好きじゃと!?


 見損なったぞ! お主を味方に引き入れようとしたのが間違・・・。



『えーっと、納豆をお椀に入れてな?

 たっぷりとかつおぶしを上にかけるやろ?

 そんで、味付けに【味噌】少し入れて、熱々のお湯をお椀に注ぐんや。

 その後で、軽~く混ぜたら出来上がりやな!!

 これがな・・・豆とかつおぶしのええ香りがするんやけど

 【納豆】を熱した時の特有の臭みはせーへんねん。

 少しとろみのついた汁も、塩気は薄めやけど

 その分、温まった【納豆】の味が際立つ感じなんやわ』


「「!?(ごくりっ)」」


『これがな? お茶漬け感覚でさらさら~っと食えてな~。

 飲み込んだ後にじわ~~~っと風味が残って、割と癖になるんやわ。

 刻みオクラとか、【とろろ昆布】入れても良かったな。

 しかも、食べ終わったお椀が、そんなにぬるぬるせーへんから

 洗うのも楽ってゆーおまけつきや! わははは』



 な、なん・・・じゃと!?


 昔出されて、これは無理・・・と思わざるをえなかった【納豆汁】に


 そんな食べ方が!? そんな可能性があったじゃと!!!?


 ・・・ところで、その食べ方美味そうじゃな。



「(にこにこ)うん、それは美味しそうですね。

 塩漬けの魚卵とか入れても美味しそうですし、【味噌】の代わりに

 野菜のお漬物で塩気を補うのも有りかもしれません」


『おおー! それも美味そうやな~!

 俺も今度色々やってみるかー・・・おっ、来たっぽい?』


(・・・ドタタタタタタタ! ガチャッ!!)


「お待たせ、アルファのおじさん!

 準備できたよ! 超準備できた!!

 行って来るね、叔父さんっ!!(ばっ! ばばばっ!!)」


(ドタタタタタ)


『んじゃ、俺も行くわー。

 おいおい、エイトちゃ~ん、ちょい待ちーや~~。

 俺を置いてってどーすんねーん~~~』


(スタタタタタタ)


「「・・・・・・」」


「(にこにこ)さて、それでは。

 私は少し試したい事ができましたので席を外しますね?

 お二方は、ごゆっくり・・・(ガタッ)」


「(くわっ!)わらわの分も!!!!」

「(くわっ!)わ、私の分もお願いしますっ!!!!」


「(にこにこ)はは、わかりました。

 それでは、3人分ご用意しますね?」


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 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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