162 冒険者Aさんと豆食
あらすじ:養女は喜びに涙し、腐女は悦びに鼻血を噴出させました。
視点:お気に入りはチーズや乳製品 サーバクン・ミーソットさん
『』:アルファさん
(カチャカチャ、モグモグ、ワイワイ)
「(はふはふ)熱っ、あふあふ、ふーふー、うおっ」
「さっきの光る魔法って格好良かったね!(ばっ、ばばっ!)
こう・・・キラキラ光って、超格好良かった!!」
「(はふはふ、こくん)ふわぁ・・・お、おいしい!
わ、わたし、こんなにたっぷりのトロトロチーズに
具を付けて食べる料理って、初めてです!」
ボクも初めてです!!
確か【チーズフォンデュ】・・・っていう名前だったっけ?
こっちへ来てから、色々な料理を食べさせて貰ってて
【味噌】味も【醤油】味も美味しいと思ったけど
ボクはチーズを使った料理が、特に美味しいと思いました!
・・・と言う話を、前にアルさんに話したからかな?
今日の晩御飯は、具材にチーズが入った料理じゃなくて
チーズに具材を付けて食べるという料理を
ツリーさんが作ってくれました!
すごい! トロットロ! トロトロがたっぷり!!
「まー、【フソウ】だと、そこまでチーズ料理って
無いですからねー。
せいぜい、チーズとして塊のまま食べたり
削って上に振りかけたり・・・ぐらいですか?」
『せやな。
そもそも【フソウ】の主食は、一応お米やし。
周囲が海やから、肉よりも魚って感じやし。
おかずに野菜や豆を食う率が高いからなー。
それこそ、チーズ料理の代わりに豆料理が多いし
大豆を使った【豆乳】とか【豆腐】【湯葉】【おから】とか
【豆腐】を使った【油揚げ】に【厚揚げ】なんかも有るし
チーズみたいに豆を醗酵させた【納豆】も有るしなー』
「ま、豆ばっかりなんだな」
「(にこにこ)ははは、確かにそうですね。
私も料理修行で【フソウ】に居た際、
豆を使用した料理、菓子、調味料の多さにびっくりしましたよ。
中でも、炒った大豆を挽いて粉にした{きな粉}と
成熟前の青い状態で収穫して塩茹でにした{枝豆}・・・。
この2つは特に驚きましたね」
『あー・・・確かに【フソウ料理】やったら
【醤油】に【味噌】は外されへんなー。
・・・{枝豆}みたいな青豆とゆーたら
豆は小さいけど、さやごと食える{さや豆}とか
薄皮むいて食う、でっかい{空豆}とかも有るよな~。
アレ、茹でたてに【わさび醤油】付けたりなんかしたら
めっちゃ酒と合うんやわ・・・(ごくり)』
「へえ・・・豆って色んな食べ方が有るんですね! うおっ」
「あ、あの{小豆}って甘くて美味しいですよね。
里でお祝い事があった時だけですけど
わ、わたしも、少し食べさせて貰えました。
とっても美味しかったの覚えてます」
「えっ・・・」
『・・・・・・・・・。
そ、そーかそーかそーか!!
今度、{小豆}のいっぱい入ったお菓子や
【フソウ】じゃ食えんよーなお菓子も
色んなん作ったるからなー。
期待しとけよー? サク(なでなで)』
「わぁ! は、はい!(ぱぁああああ)」
・・・・・・う、うーーん。
この間から、そうなのかなと思ってたけど
ユキさんや、アルさんの様子からすると
サクちゃん、故郷であまり良い扱いされてなかったのかも。
こういう時って、ボクはどういう反応したら良いんだろう。
こ、困ったな・・・。
「いや、そこまで気にしなくて良いですわよ、サバミソ。
今までは今まですし、これからはご主人様と一緒なんです。
だから、サバミソもサクさんと一緒に
色々な事を楽しめば良いんですわよ~!」
「えっ!? あ、はい、うおっ」
「そうですね・・・私の育った【ヘイアンの都】でも
豆を使ったお菓子は色々有りましたので
もし宜しければ、今度、台所をお借りして私が作りますよ?
さすがに、本職のツリーさんには及びませんが
私もそれなりに、料理や菓子作りは得意としてますので」
「お、お菓子!(ごくり)」
「わたしも! わたしもお菓子欲しい! 超欲しい!」
「こらこら、エイトちゃん。
アルファさん達は気にしないで、とは言ってくれてるけど
この宿のお客さんなんだから
あまり図々しくするのも駄目なんだよ?」
「あっ! は、はい・・・。
ごめんなさい叔父さん(しゅんっ)」
『わはは! エイトちゃん、ええんやって~。
ツリーさんも、な?
俺は、エイトちゃんぐらい積極的におねだりされんの
むしろ、好きな方なんやって!
だから、エイトちゃんも気にせんでええし(なでなで)
サクもサバミソも、ユキもロバやんも
おねだり、どーーーんと来いやわ!』
「(ぴくっ!)あっ!
じゃあ! ミ・・・『あっ! ミケは別で』ふぎゃああ!?
何でですのおおおおおおお~~~~!?
ミケも! ミケもどーーんと! どーーーーんとおお!!」
『そーやって、やかましいからや』
「ぐぬぬぬぬ!?」
『ほれ、ミケもぐぬっとらんで、飯の続きといくで』
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽
▽
(クツクツクツ、トロ~ントロ~~ン)
「・・・そう言えば、唐突に思い出しましたけど
豆と言えば{豆もやし}も有りましたわね」
「{豆もやし}? {豆もやし}って何ですか? うおっ」
「大豆を暗くて温かい所で育てた、苗の状態ですよ」
「ええっ! 苗っ!?」
「な、苗食べるんですか!? うおっ」
「(にこにこ)・・・ふふふ、そこだけ聞くと
何だか変な食べ物に聞こえますね。
美味しいんですよ? 調理法も結構多いですし」
『なー? 美味いんやけどな{豆もやし}。
・・・あ、せや! 今度いっぺん
温泉水で育てた{巨大豆もやし}を見せたろかな。
アレ見たら、びっくりするんちゃうかな』
「あの・・・ご主人様。
アレ、【フソウ】の人でも、びっくりするんですけど?」




