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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
160/401

160 冒険者Aさんと照明のスキル

あらすじ:馬に噛まれると結構痛いのです。


視点:Eランク冒険者 ソーサラーLv2 サーバクン・ミーソットさん

『』:アルファさん


『まー、一口に照明のスキルってゆーても色々あるんやけど

 大まかに分けると2つやろなー』


「2つ、ですか? うおっ」


「2つ・・・と言いますと

 1つは【コモンスキル】の【ライト】。

 もう1つは、【ソーサラースキル】の【ライト】の2つ

 ・・・と言う事でしょうか、お師様?」


『んーーー、惜しいな、ユキ。

 スキル的には間違いではないんやけど

 その回答やと、意味的に正解とは言い難いな』


「・・・意味的にですか?」


「おっちゃん、どーゆーこと?」


「「「「?」」」」



 あれっ? 正解じゃないのか。


 ボクはユキさんの答え聞いて納得しかけちゃったんだけど。


 うーん、意味的に? って、アルさんは言ってたよね。


 ・・・・・・あっ。


 そもそも、その2つが具体的にどう違うのかすら


 ボクは知らないんだよね。


 ひょっとすると、効果の違いなのかな?



「サバミソ、やるじゃないですか、正解です」


「えっ!? うおっ」


「「「??」」」


「あれ? おさかなのにーちゃんが、何かいったのか?」


『わははは。

 テンちゃん、ミケの言う事は気にせんでええで。

 それよりも、サバミソが考えた回答を聞かせてくれるかー?』


「え? えっと。

 効果が違うのかなって思っただけなんですけど、うおっ」


「効果が違う? う、うーん、おで、効果知らないんだな」


「・・・ああ! 効果、効果ですか。

 なるほど、確かに、私の回答は正解ではありませんでしたね」


「「「「???」」」」


『まー、照明関係のスキルが明るいってのは当たり前として。

 じゃあ、何が違うかってゆーと、熱を発するかどうか、なんやわ。

 温いかどーか、やなー』


「! あっ、なるほど! うおっ」


「・・・あっ・・・そ、そう言えば

 【忍】の道具でも、熱の出る物と出ない物が・・・」


「ほー? へーーー?(ぽかーん)」


「うんうん、テンにはおみとおしだったぞー!」


「な、なるほど? と言う事は

 ユキくんの言った2つのスキルは、熱の違いがあるのかな?」


『せやでー。

 よっしゃ、実際にやってみよか。

 ユキはそっちの【ランタン】に【ソーサラースキル】のやつ頼むわ。

 俺はこっちのに【コモンスキル】のを使うからなー。

 ほりゃっ』


「はい、お任せ下さい、お師様。

 では行きますね、【ライト】」


(ポワーーーーッ、ジジジジジジ)

(ペカーーーーーーーーーーー)


「うあっ、まぶしっ!?」


「いやいや、テンちゃん。

 遮光用の黒い薄布かけてるから、まぶしくはないでしょ」


「テンは知ってるぞ? ようしきびってやつだよね!?」


『テンちゃん、様式美知っとんのか、凄いな!』


「(ぺたぺた)あっ! こっちのは温かいけど

 こっちは、全然温かくないね、おじさんっ」


「(ぺたぺた)な、なるほどなんだな。

 【コモンスキル】のは熱を発するけど

 (ぺたぺた)【ソーサラースキル】のは明るいだけなんだな」



 ほわーーー!? ほ、本当だ!


 ユキさんの方は、全く温度を感じないけど


 アルさんの方は、結構温かい。


 部屋の照明の【ランプ】と同じかそれ以上?


 離れててもほんのり温かいし、触ると少し熱いぐらい。


 ・・・そ、それにしても。



「ふ、ふわぁ・・・。

 照明のスキルを【ランタン】にかけるとこうなるんですね!

 わたし、初めて知りました、ととさま」


「ぼ、ボクも初めて知りました! うおっ。

 (ひょい)へえ・・・この状態で、持ち運び出来るんですか。

 何か面白いですね! うおっ」


「ぬふふ、無邪気な子達を見てると和みますねー、ご主人様。

 あら? どうかしましたか、ユキさん」


「いえ、実は私も【ランタン】にかけたのは初めてなんです。

 ・・・光が【ランタン】の中に入るんですね。

 (ひょい)しかも、持ち運んでも固定されてます。

 これは・・・不思議な発見です、驚きました」


『わははは、皆初めて祭りやな。

 面白いやろー?

 【ランタン】買う時にゆーとったオススメの理由。

 その1つがこれやなー。

 燃料が切れても、【ランタン】やったら

 こんな感じに照明スキルで代用できるって訳や。

 ・・・それにしても、そーかそーか。

 ユキはそっちに驚いたかー(うんうん)』


「えっ? どういう事なんですか? うおっ」


「どーゆーことなんだー!? きれーなねーちゃん!」


「どういう事なんだー!?」


「え? えっと、それはですね。

 【ライト】も含めて、照明のスキルと言うのは

 空中に発動させるか、武器の先とかに定着させて使うんです。

 (ごそごそ)例えば、この杖の先に・・・【ライト】っ」


(ペカーーーーーーーーーーー)


「うあっ!? まぶしっ!!」


「いや、今度もちゃんと遮光の布かけてますわよ?

 お約束を忘れない子ですわね~、何て将来有望な・・・」


「あっ、定着させると【トーチ】みたいな感じですね、うおっ」


「ふむふむ、なんだな」


『ちなみに、空中に直接発動させると、持続時間短くてなー。

 【コモンマジック】ので数秒、【ソーサラースキル】ので数分やな。

 逆にそれを利用した【フラッシュ】ってスキルが有るんやけど

 一瞬だけ強力に光らせるんやわー』


「ええ、お師様の仰った通り、空中発動では効率が悪く

 定着させた場合は、数時間持ちますので効率が良いんです。

 ・・・そして、定着と言うのは、表面に定着するんですよ」



 へえ・・・空中に直接発動する事も出来るんですね。


 そして、定着は表面に・・・・・・あれ?


 こっちの【ランタン】って、中に光が灯ってますよね?


 あっ、ユキさんの疑問って。



「あっ! 表面じゃなくて、中に光が入ってるんだな。

 た、確かに、おでも不思議なんだな!」


「テンもふしぎなんだなー!!」


「ふわぁ・・・不思議です」


「不思議だね! 超不思議だよ!」


「まー、不思議かもしれませんが、原理は簡単ですよ。

 ガラスは光を透過しますからねー

 ガラス表面じゃなく、中の芯に定着してるだけなんです。

 だから、ほら、この金具部分を見てくださいな。

 (こんこん)この部分は光ってるでしょう?」


「んんん? ・・・あ、本当なんだな。

 中が光ってるから分かり難いんだども

 よく見ると、上下の金具部分は光ってるんだな」


「えっ? ・・・あ、本当ですね、うおっ」


『ちなみに、透明なもんやったら、大概は透過すんでー。

 例えばやな、透き通った水とかも透過するから

 底が見えるぐらい綺麗な泉とか、川に向かってかけるとな。

 底に光が定着して、中々面白い光景になるんやで』


「それは・・・面白そうですね、お師様。

 想像するだけでも、幻想的な光景が思い浮かびますよ」


「へえ・・・、それは海でもできますか? うおっ」


「いや、サバミソ、残念ですけど

 海はさすがに不純物多すぎますからねー。

 多分、途中の小さい生物とか魚とか何かの破片に阻まれて

 底までは光が届かないと思いますわよ」


「あっ・・・そうなんですね、残念です、うおっ」



 うーん、そっか。


 面白い光景になるんだったら、【リューグー】に帰った時に


 みんなに見せたら、良いお土産になるなーと思ったんだけど。



『わははは。

 まー、そう残念がらんでもええって、サバミソ。

 海の中の色んな物に光が定着してもうても、キラキラが広がって

 それはそれで、幻想的な面白い光景になるやろうしな。

 スキル覚えたら、故郷帰った時にでも

 皆に見せたったら、喜ばれると思うで~?』


「え!? あ、はい! そ、そうですよね! うおっ」


「ふふ、良かったですね、サバミソ君。

 ・・・・・・あ、あの、お師様?

 私の振った疑問のせいで、大幅に話が脱線してしまいましたが

 この熱の有無と言うのは、探索の際に重要なのですか?」


『お? ああ、それなー。

 さっき店でもゆーたけど、洞窟の生物ってのは

 視力の代わりに、熱で感知するのが多いからな。

 休憩とか野営時はともかく、探索中は熱が無い方がええんや』


「・・・あの、アルさん、一つ聞いても良いですか? うおっ。

 ボクら自身も、結構温かいじゃないですか。

 と言う事は、熱で感知するんだったら

 どっちでもあまり変わらない様な気がするんですが? うおっ」


「あー、それはですねー、サバミソ。

 私達自身を狙われるか、それとも、荷物と光源を狙われるか

 ・・・の危険度の違いなんですよ。

 誰かに襲い掛かってきても、せいぜいが怪我する程度ですけど

 真っ暗の洞窟で、光源を狙われて光を失うとですね

 それこそ、パーティの全滅の危機に繋がるんですよ」



 あ! そっか。


 照明さえ無事だったら、幾らでも対応できるんだ。


 と言う事は、【ライト】の場合、光源に熱が無い


 【ソーサラースキル】の方が探索向きって事ですよね?



『まー、それは状況にも寄るけどなー。

 洞窟ってのは、地味に冷えるから、休憩中なんかやと

 【コモンマジック】の【ライト】は貴重な熱源になるんやで?

 濡れタオルとか、何か適当な物にかけてから皮袋被せたら

 湯たんぽみたいにポカポカと温かくてなー。

 アレはアレで、色々と使い勝手あるんやわ。

 洗濯物もよー乾くしなー』


「光源を熱源に・・・そんな使い方があったんですね。

 さ、さすがはお師様です!(ぎゅっ)」


「どさくさに紛れて、何で手を握ってるんです~?

 そう言えば昔、どっかのおバカな脳筋剣士が

 {じゃあ、マントの裏側にかければ

 いつでも温かいはず!}とか言ってたので

 ご主人様がかけてさしあげたら、背中を低温火傷した~

 なんて、おバカな逸話が有りましたわねー」


『あー、有った有った、懐かしいな~。

 皆も熱源にする時は、低温火傷に注意するんやで~?』


「わかりました、お師様」

「わ、わかったんだな」

「は、はい、うおっ」

「あ、は、はいっ、ととさま」

「てーおんやけどな!? テンおぼえたぞ!」

「注意する! 超注意するよ!!」


「むっほっほっほ! 皆さん良い返事ですわ~!

 あ、そうだご主人様。

 晩御飯の前にお風呂入りませんか?

 せっかくですし、お風呂場で、さっき話題に出ました

 {【ライト】でお湯キラキラ~}のお試しなんて

 面白いと思うんですが、いかがでしょうか?」


『お~~!? それはええな!

 たまにはええ事ゆーなー、ミケ!

 じゃ、荷物片付けたら、ツリーさんに声かけて

 飯前に風呂でさっぱりしとこーか~』


「は~~い! そうこなくっちゃ、ご主人様~~!

 ・・・あれ!? 今、たまにはっておっしゃいました?

 えっ!? え~~~~~~~~~!!?」


『(ぱんぱん!)ほれ、ごちゃごちゃ言っとらんで

 ここは俺とユキに任せて、エイトちゃんとテンちゃん連れて

 ツリーさんに伝えに行ってくれ。

 サバミソとロバやんも風呂の準備やでー』


「う”~~~~、わかりましたわ~~~~。

 何だか納得行きませんけど~~~~~~」


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 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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