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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
156/401

156 冒険者Aさんとお買い物 ③ オススメ照明

あらすじ:戦士系の中級クラスは武器で分岐します。


視点:Dランク冒険者 ソーサラーLv2 ノブユキ・ムトウさん

『』:アルファさん


「お師様。

 照明には【トーチ】と【ランタン】等がありますけど

 洞窟の場合だと、どちらが最適なのですか?」


「ほほ~う?」


『ほーーー?

 なかなかにええ質問やな、ユキ。

 ただ、最適ってのは難しいんや。

 状況次第で、結構変わってくるからなー』


「そうなんですか? うおっ」


「そりゃそうでしょ。

 例えば、燃えちゃいけない物が周囲にあるなら

 【ランタン】一択ですし」


「そ、そう言えば、商隊だと野営とかで

 外の灯りに【トーチ】使う事はあったども

 それ以外は全部【ランタン】だったんだな」


「確かにそうですね。

 では、お師様、お師様の好みとして

 洞窟ではどちらを使われる事が多かったのですか?」


『せやなー。

 そうゆー事なら、俺は圧倒的に【ランタン】やな』


「そ、そうなんですか? うおっ。

 ボクは、冒険者の人って

 【トーチ】持ってるイメージが強かったです。

 ほら、物語とか伝記物とかだと

 そんな感じの描写が多いですし、うおっ」


「まー、そうですねー。

 物語なんかだと、確かに【トーチ】がよく使われてますね。

 【トーチ】の火で【スライム】を追っ払ったり

 ブンブン振って合図代わりにしたり。

 ・・・落としてピンチになってみたり?」


『それな・・・実際に出来ん事も無いんやけど

 それ以上に、【トーチ】ってのは目立ちすぎるんやわ。

 空気中のマナの消費も激しいし

 何より片手が塞がってまうってのが一番の難点やな』


「目立つ?」


「お師様、片手が塞がってしまうのは理解できましたが

 目立つと言うのはどのような事でしょうか?

 火が熱すぎるとか、煙が出るという事ですか?」


『おっ? せやな、その2つもよー目立つわ』


「「「?」」」



 火と煙・・・目立つのが難点・・・。


 野外で野宿とかの場合


 どちらも獣除け、虫除けには必須ですよね?


 野外と洞窟との違い?


 生息する獣やモンスターの違い?


 根本的に何か勘違いを・・・。



「・・・あっ・・・そうか」


「あら? さすがユキさん。

 どうやら気付いたようですわね」


『わはは。

 あれだけのやり取りで気付けたか~。

 じゃ、答え合わせも兼ねて

 サバミソ達に教えたってくれるかー?』


「はい、お師様。

 ・・・それでは、まず、サバミソ君。

 基本的に、獣は燃え盛る火を恐れますよね?」


「え? はい、そうですね、うおっ」


「あれは、他の理由も有ると思いますけど

 簡単に言うと、よく火が見えてるからです。

 見慣れない物を目にして警戒してるんですね」


「警戒? ・・・うおっ」


「その通り!

 モンスターも含めてですが

 野外の獣は、目も耳も鼻も良いですからね。

 刺激的な光、刺激的な音、刺激的な匂い。

 これらには敏感で、すごく警戒するんですよー」


『(げらげらげら)わっはっははー!

 やっぱり、獣自信がゆーたら、説得力あんな~!!』


「!? ちょ、ご主人様!!?

 こんな可愛くて健気で大事な大事な従者に対して

 何てことおっしゃるんですか!!!!!

 さすがに、今のはミケでも聞き逃せませんわ!!?」


「はわわわわ!? あ、あねさま!」


「あわわわ!? ミミミミケ姉さん!

 おちおちおちついて!!! うおっ」


『ほお~~~ん?(にやにや)』


「むきーーーーー!!!!!(ずだんずだんずだん)

 ご主人様!!! 帰ったらミケの毛繕いの刑ですわ!!

 ミケがもういいって言うまで

 満足するまで、やってもらいますからね!!!」


『はいはい』


「「「・・・あれ?」」」



 多分、いつものじゃれ合いかなと思いましたけど


 まあ、いつものじゃれ愛でした。


 お師様とミケお姉様は、本当ブレませんね。


 羨ましい限りです。



「と言う訳で、野外の獣は警戒しますが

 洞窟に住む獣やモンスターは逆なんです」


「えっ? と言う訳!?

 えっ? えっ? あっ、逆、ですか? うおっ」


『せやな。

 洞窟に住む獣や虫にモンスターってのは

 真っ暗の中に住んどるからな。

 逆に視力が悪かったり、目自体が無い奴もおるんや』


「その代わりに、熱や匂い、音などを頼りに

 周囲の様子を探ると言う訳ですね」


「しかも、洞窟や暗い場所っていうのは

 野外に比べて、餌となる物が少ないですからね。

 ご馳走の気配があれば、積極的に寄ってくるんですよ」


「えっと・・・、つまり。

 【トーチ】だと、逆に近寄ってきやすいから

 危ないって事ですか? うおっ」


『そーゆー訳や。

 熱に、匂いに、音まで派手に出しまくっとったら

 そら、次から次へと襲い掛かってくるわな。

 ちなみに、外やと分かりにくいんやけど。

 【トーチ】ってのは、結構騒がしいんやで?

 ボボボ~っと、火が燃える音もすれば

 パチパチパキパキと爆ぜる音もするしなー』


「あ・・・、かがり火の音とか、す、すごいですよね。

 わ、わたし、里に居た時って

 1人で夜番する事が多かったんですけど

 いきなり、バチって大きい音が鳴るから

 いつもびくびくしてたんです、え・・・えへへ」


「「・・・・・・」」



 ・・・1人で、ですか。


 ああ、つまり、里ではそう言う扱いだったのですね。


 私も{ムトウ家}の者として戦場に出たりもしましたが


 幼い頃から母様と一緒に居た時間が長かったですので


 あまり、お家の方針や、その周辺に


 口を出すつもりはありませんでした・・・が。


 これは少し、父様達に釘を刺しておいた方が


 良いでしょうね・・・早急に!


 次、この間の様な無礼千万の行為をされても困りますし。


 何より、連れて来た【忍びの里】の者達が


 里の時と同じ感覚でサクに対して振舞ってしまったら


 その者の命の危険だけならまだしも


 下手をすれば、里もお家も・・・でしょうし。



『わははは、せやろ?

 あれ、ビクッとするよな~、サク(なでなで)

 しかも、風向きに寄ったら、自分が煙まみれになるわ

 火の粉は飛んできて、気付いたら服に穴空いとったりな。

 そんな訳で、俺としては洞窟で【トーチ】使うのは

 あんまし、オススメできんのやわー』


「あう・・・(ぽわーん)」


「まー、逆に煙を利用する事で

 自然の洞窟とかに篭ったモンスターとかを

 燻し出したり、薬混ぜて痺れさせたりとかに

 使えなくもないですけど。

 それはもう、照明としてどうのって話じゃないですし」


「そ、そんな使い道があるんですね・・・うおっ」


『まー、それはそれとして

 【ランタン】がオススメな理由ってのは

 他にもあるんやけどな』


「「「「えっ?」」」」


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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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