153 冒険者Aさんと苦情 ④
あらすじ:リマさんのワーカホリック疑惑は疑惑じゃなかったようです。
視点:マリさんの護衛で親友 チヨさん
『』:アルファさん
「「ずるい!!」」
『・・・・・・ん?』
「「お帰れ下さい」」
んん!? うーん・・・?
クニちゃんとシゲちゃんが
朝っぱらからアワアワしてたので
ちょっと先回りしてみたけど・・・。
あの子達は、一体、何言ってるのかな?
『んーー???
ユキのねーちゃんに弟くん。
ずるいってゆーとったけど、何の事や?』
「「いいから、2人共帰って下さい」」
「ぐはっ!? あ、兄上っ、そ、そんな!??」
「あぐぅっ!? ゆ・・・ユキちゃん!?」
「そっちの化け狸はともかくっ!?」
「そっちの化け猫はともかくっ!?」
「「「えっ?」」」
・・・ん? あらっ!?
ひょっとして、クニちゃん?
ミケちゃんの事・・・猫の【妖怪】って思ってた!?
い、いやいや、いくらクニちゃんでも・・・。
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「・・・はあ。
要するに、自分達もダンジョン調査のパーティに
参加させて欲しいって事ですか?」
「そ、そうそう! でござる!」
「お帰れ下さい」
「そうでござる! って、ユキちゃんひどいっ!?
何でお姉ちゃんにそんな事言うでござるっ!?」
「いえ・・・、何でも何も。
当然ですよね? 姉様?(いらっ)」
あらら・・・?
{あの}ユキちゃんが、イラッときてるわね。
これはちょっと言うか、かなりヤバイわね。
んもーーーー、仕方ないか。
(しゅたっ!)
「(たわわん)まあまあ、ユキちゃん。
そのぐらいで・・・、ね?
あ! アルファさん、おはようございますっ!
こないだは、お土産までもらちゃってどーもっ!
皆さんもおはようございますっ!(ばるんっ)」
「えっ? チヨお姉様?
おはようございます」
『んー? ・・・おー!
おチヨちゃんやんか。
おはよーさん!』
「・・・おはようございます。
何か御用ですのー? おチヨさん」
「あはは、2人共ご機嫌斜めみたいね~。
とりあえず、私がその元凶を回収して
マリちゃんに引き渡しておくから。
許してあげてくれないかな?(ぼよよんっ?)」
(ひゅぱっ)
「なっ!? ちよ(もがもがもが)」
「えっ!? そんな(むーーむーーーむーー)」
「(どたぷ~~ん)ほらほら、2人共。
良い子だから、大人しくしておきなさいね?」
「さすが、チヨお姉様、見事な捕縛術です。
私はチヨお姉様と母様にお任せしますよ」
「やれやれ、仕方ないですねー。
ここはおチヨさんの顔を立てましょうか」
『わはは。
さすがやなー、おチヨちゃん。
んじゃ、その2人は任せたわー。
俺らこれから買い物行かんとアカンしな』
「ありがとう、任されましたっ!(ばるるん!)」
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「はあ・・・仕方の無い子達ね~。
結局、クエストがどうのではなくて
目当てはユキちゃんなのでしょう?」
「「そ、そんなこと無いでござるよ~!?」」
「・・・これはもうアレじゃない?
マリちゃん(ぼよんっ?)」
「・・・う~~ん・・・そうね。
これは教育し直さないと駄目かしら・・・」
「「むーーーー!?(もがもがもが)」」
ユキちゃんは、小さい頃から置屋住まいだったから
しつけの厳しい芸妓のお姉様方に囲まれて育って
あんなに礼儀正しくて、健気で可憐な良い子になったけど
この2人は{ムトウ家}で男衆に囲まれて甘やかされてたから
がさつで配慮のできない脳筋に育っちゃったのよね・・・。
決して、性根が悪い子達ではないのだけど
シゲ君はともかく、クニちゃんは特に
武芸者としてのマリちゃんを目標にしちゃってるから
武芸一辺倒で色々とおろそかに・・・。
うーーん、お姉さん、ちょっと将来が心配。
「な、なあ、マリ。
2人も反省してるみたいだし、ここはおんび・・・」
「あなたは黙っていてくださいますか?(にこおおおっ)」
「・・・と言うか、この状況は
ゲンゴロウ君が甘やかした結果なんだよ?
そこ分かってるの?(たわんっ!!)」
「あ、はい・・・すみません」
「じゃあ、2人に罰を言い渡しますわよ~。
これから、この【冒険者ギルド】で新規登録しなさい。
一から、Fランクからのやり直しを命じます。
そして、討伐以外のクエストしか受けてはいけません」
「「もがっ!?(ふがーーー)」」
「大丈夫!(ばいんっ!)
合間にマリちゃんと私で、一般常識を初めとして
礼法や算術を中心とした座学なんかも
みっちりと仕込んでいきますからね!(ぽよ~ん)」
「「ん”~~!? ん”ん”~~!!?(ふがふが)」」
「クニちゃん、シゲちゃん・・・」
「「ふがっ!?(期待の目ー)」」
「・・・諦めなさい」
「「ふがーーーーーーーーー!?(がびーん)」」




