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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
15/401

15 冒険者Aさんとベテラン受付嬢は見た

あらすじ:ナニかを試される(予定)アルファさん


視点:冒険者ギルド 受付嬢 エコーさん

『』:アルファさん



 ・・・はーー、最後の一撃は特に凄かったなー。


 先輩の後ろで見てた私でも唖然としたもの~。


 アレを目の前で展開されたら・・・。


 そりゃ、皆さんドン引きしちゃいますよ~。


 黙々と真剣に仕事しちゃうしかないですよねー?


 それにしても、ここに勤めて6年の私でも


 先輩があんなに怒るのって久々に見たかなー。


 私も、先輩と一緒に


 何回もギルド長に改善と文句言いにいったけど


 聞いてはくれても、全然実行しようとしなかったから


 温厚な先輩がかなり怒り溜めてたもの~。


 それでも、窓口の専用化と増設の切っ掛けが


 コネで入ってきた新人の子のミスというのはアレだけど


 多少強引でもようやく決定したのよね~。


 さあ、その準備に入る事が出来た~と

 

 先輩と一緒に慌しくしてたら


 ノーヴェ君が来て、アレだもの~。




△ △ △


△ △ △ △ △


△ △ △ △ △ △ △



(すたすたすた)


「あれ? ギルドマスターこちらにいませんでしたか?

 指名のクエスト依頼書の事で・・・」


(ガヤガヤガヤ)


「あ! そっちの書類はですね!

 3番のロッカーに全部入れて下さい。

 そこのは・・・もう必要ないので全て処分行きで!」


「えっと、リマ先輩・・・は忙しすぎて

 聞こえてないみたいですね。

 あっ、エコー先輩!

 ギルドマスターは居られないようですが、今どちらに?」


(ガタンガタン、ザワザワザワ)


「えーっ? あー、ノーヴェ君か~

 ギルド長だったらそこにー・・・あれ~? 居ない!?

 リマ先輩ぃ~! ギルド長どこか行きましたか~?」


「その机は・・・えっ! ギルド長?

 あっ、机は中を空にして壁際に寄せておいて下さい。

 ギルド長なら、珍しく自分から書類整理するって言い出して

 部屋の中じゃ書類仕事どころじゃないから

 そこのテラスでするって、さっき出て行ったわよ?」


「テラスですね? ありがとうございます」


「あ、ノーヴェさん。

 私も配置の事で少し聞く事ありますので、一緒に行きます。

 エコーさん! ここ少し離れますので、指示の続きお願いね?」


(ガタガタッ、すたすたすた)


「は~い! わかりましたー。

 じゃあ皆さん、作業の続きいきますよ~?」


「さあ、ノーヴェさん、行きましょう」


(すたすたすたすた、ガチャッ)


(・・・・・・・・・・・)


(・・・・・・・)


(バーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!)


「うひゃっ!? な・・・何、何~~?」


(ドグシャーーーーーーーゴロゴロゴロッ、ガンッ!!!!)


「ん?・・・ってあれ~? ギルド長ー?」


(ザワザワザワ)


「い、痛ぅ~~~、あた”た”た”・・・。

 い、いきなりなにするんじゃ!?

 なにも殴る事ないじゃ・・・・」


(ざっ、ざっ、ざっ、ざっ)


「・・・あ”っ?(ぎろり)」


「・・・ろ・・とおもうんじゃよ?」


(シーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン)


「り・・・リマ・・・先輩?」


(すたすたすた・・・ぐいっ、ぐぐぐぐぐぐぐぐぐっ)


「わ~お、先輩、片手で軽々とか、力持ち~~」


「うぐっぬぐぐ、ちょ・・・ちょっとまっ・・・」


「(ぎろっ)・・・ギルド長?

 ・・・今日の仕事の重要度わかってますよね?」


「ひぇ・・も・・もちろんじゃ・・・よ?」


「・・・じゃあ、なぜ?

 書類の整理が一つも終わって無いんですか?」


(ぐぐぐぐぐぐくぎゅうっ)


「そ・・・それは、アレじゃ、アレ。

 外の陽気で・・・ついウトウトと・・・な?」


「・・・書類作業中の眠気なら・・・多少は仕方ないです。

 たまには、そういう事もあるでしょう」


「うぐぐ・・そ、そうじゃろ?

 だ、だから、おちつい・・・ぐえっ」


(ぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐうっぐぐぐぐぐっぐぐぐぐぐ)


「せ、先輩! 絞まってる、絞まってる~!」


(ぱっ、どたーーーーーっん)


「(すっ)では・・・この酒瓶は何でしょうか?

 ・・・おや? 封が開いてますね?

 ずいぶん中身も減ってるように見えますが?」


「そ・・・それは、そのじゃな・・・(がくがくがく)」


(ぎゅぎゅぐぐぐぐっ、ぶるぶるぶるぶるぶる・・・)


「!? お、落ち着いてくださいよ先輩~!

 ギ・・・ギルド長ー!

 これ以上ごまかしとか逆効果ですよー!!?」


「そ、そのじゃな・・・。

 昨日、お土産に良いのを貰って・・・じゃな?

 夜まで我慢できんで、ついつい・・・」


(ぐぐぐっ・・・・・・どごおおおおっ!!!!)


「ウボァーーーーーーーーーーーー!!?

 ・・・・ご・・ごひゅっ・・・(ぴくぴくぴく)」


「せ!?・・・せんぱーい!?

 ストップ、ストップ~~~~~~!!!」


「に・・・二度もぶつこたなかろ!?

 嫁にも二度はぶたれた事無いのに!!」


「・・・{王都の本部よりも活気のあるギルドにしたい。

 【ドラント王国】での研修時代に体験したギルドに

 並ぶぐらい、人もギルドハウスも立派に育てて

 いつか恩人に見てもらいたいと思っている。}

 ・・・開拓村にこの支部を立ち上げる際

 そうおっしゃって、職員に勧誘してきたのは

 あなたですよね? ギルド長?

 ・・・・・・もう、お忘れですか?」


「ぬ・・・むう。

 いや、忘れとりゃせん・・・」


(シーーーーーーーーーーーン)



 えっ~!?


 何!?


 この急展開なシリアス雰囲気~~!?



「(あ、あの・・・依頼書・・・。

 いえ、もう少し静観しましょうか。)」


「・・・当時、所属していたパーティも解散になって

 冒険者を続けるかどうするか迷っていた私に

 {冒険者としての経験や、仕事に対する姿勢は非常に貴重で

 経験も実績も無い新設ギルドに、是非とも欲しい人材だから

 力を貸して欲しい。}とも熱心に語ってましたよね?

 それで、私も冒険者を引退してここへ来たわけですが?」


「・・・うむ、そうじゃったな」


「支部立ち上げからコツコツ地道にやってきて10年。

 4人からスタートした支部の職員数も、今や30人に増え。

 冒険者の所属数も、依頼数も、実績にしても

 王都の本部をとっくに追い越しています」


「(僕が聞いた話だと、当初はボロボロの小さな空き店舗で

 冒険者も数人が拠点を移しただけだったそうですね。)」



 私が入った時は、確か新築で増員~の時だったのよね~


 開拓村と支部の連携がようやく軌道に乗ってきてた頃で


 職員の人数も12人ぐらい居たかなー?


 まあ、私と一緒に入った3人の同期の子達は


 もう全員辞めちゃったけどねー。



「そして、ここ2年程でさらに活気が出てきたおかげで

 漸く・・・漸くですよ?

 ギルド長が目標にしている規模へ。

 少しでも近付く絶好の機会なんですよ?

 ギルド長の本懐だったんじゃないんですか?

 貴方が本気でやらないでどうするんですか?

 ・・・それとも・・・もういいんですか?」


「・・・・・・・・・そうじゃったな。

 俺が周りを巻き込んでやり始めたもんじゃものな」


「・・・ふう~、これで一件落着ですか~?

 もう、すっごい緊張しましたよー」


(ホッ、ザワザワザワ、フウッ、ザワザワ)


「う・・うむ? 皆も、スマンな。

 じゃあ、ギルド会館のリニューアルに合わせて

 明日から心機一転といくかのう」


「え? ダメです」


「えっ?」


「何を寝ぼけた事をおっしゃってるんですか?

 今からに決まってるでしょう?」


「いや、わかっとるよ? わかってはいるんじゃよ?

 でものう、ほら!

 気分の切り替えというか・・・あるじゃろ?

 な? そんな急にはごにょごにょ」


(どごぉおおおおおん!!!!!!!!!)


「・・・好きなだけ寝てろっ! (#○_○)ビキビキ」


(ヒィッ、ガクガクガクガクガタガタガタガタ)


「ところで、ノーヴェさん

 先程、依頼書って言ってませんでしたか?」


「え? あ、はい」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




 いやー、さすが先輩。


 さすが元冒険者って感じですねー。


 前の2発はかなり手加減してたって事ですよね~。

 

 やっぱり。


 そういえば、前に先輩とご飯行った時に


 冒険者としてのランクはDランクって聞きましたけど


 クラスまでは聞いてなかったんですよねー。


 てっきり後衛の支援系クラスかと思ってましたけど


 案外、前衛の戦士系だったりして~。


 ・・・今度聞いてみようっとー。


 ・・・・・・それにしても、ノーヴェ君って


 絶対男の人、特におじさんとか好きっぽいよね~アレ。


 しかも総受けっぽい?


 アルファさんとか、窓口で応対してるの見たら


 明らかよね~?


 口調はいつもより丁寧で口数多くなってるし~。


 微かに頬を染めてるし~、目もうっとりしてるし~。


 あれって、絶対期待してるメスの顔だよね~?


 ・・・女性には一発で分かっちゃうぐらい。


 でも、見てて私が面白いとおもっちゃったのは


 彼がアルファさんと応対してる時って


 すっごい濃厚な雰囲気出てるからかな?


 他の男性の冒険者さん達は、身の危険を感じてるのか


 窓口に寄りたがらないって所よね~。


 しかも、一部の女性の冒険者さん達だけでなく


 一部の女性職員達もなんだけど


 遠目から頬染めてガン見してる事よね~。


 男性達はともかく。


 アレって多分、【フソウ】発祥のアレの影響よね~。


 私にはイマイチ理解できない世界だけど。


 アレ好きな女性って最近すっごい増えてる気がするな~?


 なんでだろう、何かの影響?


 アレって病気みたいに感染でもするものなのかな~?


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 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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