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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
148/401

148 冒険者Aさんとこの町のダンジョン事情

あらすじ:リマさん働き過ぎ問題。


視点:Dランク冒険者 ファイターLv4 マイクさん

『』:アルファさん


 ・・・しかし、まずったなあ。


 僕らがクエストから帰ってきた時


 丁度、ギルドにモブコが居て。


 報告書提出した後に、色々話してたんだけど


 僕らが遠征してる間に


 次から次へと羨ましい体験たくさんしてたのを聞いて


 気付いた時には、3人共駆け出してたんだよね。


 少し頭が冷えてきたけど、今思い返しても


 何でそんな事になったのかは正直わからないんだよね。



「何って、ダンジョンですよダンジョン。

 まあ、あなた方3バカは遠征に行ってたんですわよね?

 遠征中ってのは不自由な事多いですから

 きっと、疲れとストレス溜まってて暴発したんでしょ。

 そういう事にしておきますわよ、ね? ご主人様」


『せやな。

 そーゆー事は、よーある事やし。

 モブ子ちゃんも気にせんでええからなー(なでなで)』


「あ、は、はい・・・」



 う・・・モブコに迷惑かけちゃったな。


 それにしても、ダンジョンって言ったよね?


 ダンジョン? ・・・行くの?



『せやでー、ダンジョンや!

 マイクくん、前に聞いた時にやな、Dランク推奨の

 {洞窟ダンジョン}に行った事有るって、ゆーとったろ?』


「え? ええ、はい。

 ケベックと一緒に、一階層だけですけど」


「あ、俺も別のパーティに居た時、1回だけ行った事有るぜ」


『うんうん。

 ヤンキくんも経験有りかー。

 それやったら、尚更丁度ええわ』


「だから、何が?」


「お、おい、ヤンキ」



 ・・・こ、こいつ。


 前よりは、かなりマシにはなったけど


 それでもたまに失礼な態度取るよな。


 僕も言ってはいるんだけどなぁ・・・。



『わはは、今度なー。

 素材の採取目的で、Cランク推奨とDランク推奨。

 2箇所の{洞窟ダンジョン}に行くつもりなんやわー。

 名目は{調査クエスト}やけどな?』


「はあ・・・2箇所・・・ですか?」



 し、Cランク推奨!?


 確かに、Dランク推奨の{洞窟ダンジョン}には行ったけど


 僕ら2人じゃ、全然うまく探索が進まなかったんだよね。


 実は、その事があったから、今後の冒険には


 シーフとか探索向きの人員が必要だって気付かされて


 リマさんに相談したんだ・・・。



「つまりお師様。

 お師様とミケお姉様に、こちらの3人を加えて、Cランク推奨に。

 私とサク、サバミソ君とロバートさんでDランク推奨に。

 と言う風に、パーティを分けるという事ですね?

 ちなみに、モブコさんは{洞窟ダンジョン}のご経験は?」


「あっ、私はありません。

 ライスと2人だとさすがに危険と、リマさんに言われましたので」


「うーん、さすがメガネさんですわね。

 じゃあ、モブ子さんはDランクの方ですね。

 それでバランスも取れるでしょうし」


『っちゅー事や、マイクくん。

 今、ユキとミケがゆーたけど、キミらが加わったら

 そんな感じに2手に分かれて

 両方の{洞窟ダンジョン}が同時に調査できるなーって訳や』


「え、えーっと、ちょ、ちょっとだけ待ってくれますか?

 僕はまあ、大丈夫ですけど、返ってきたばかりですし

 一応、ケベックとヤンキに確認を・・・」


「え? 僕はありがたい話だと思うけど?」


「俺は、問題ないぞ?

 むしろ、こっちから頼みたいぐらいだろ?」


「あれっ? ・・・ああ。

 いや、良いならいいんだけどな」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「・・・それにしても。

 必要な素材の為なら仕方ないと思いますけど

 {洞窟ダンジョン}なんですね?」


『おっ?

 マイクくんは{洞窟ダンジョン}は嫌いな方なんか?』


「えっと、嫌いと言うか、行ってみた感想としては

 苦手な感じですね」


「僕もそう思ったよ、マイク。

 暗いし狭いし、じめじめしてるし」


「いや、まあ、それも無くはないんだけど」


『あー、マイクくんの武器は剣やしな。

 自然の洞窟やったらまだしも、ダンジョンやったら

 確かに闘いにくいやろーなー』



 あ、さすがにアルファさんは分かってくれてるんだ。


 自然の洞窟だと主な敵は、蛇や猪とか熊みたいな獣系。


 もしくは、【ゴブリン】や【オーク】みたいなモンスター。


 どっちにしても、まだ、剣でも倒しやすい相手だ。



「あー、なるほど。

 {洞窟ダンジョン}だと、出てくる敵って

 【スケルトン】やら【ゾンビ】みたいなアンデット系か

 【ガーゴイル】に【ゴーレム】に【スライム】とか

 そんなのばっかりですしね。

 確かに剣じゃ戦いにくいでしょ」


「・・・そう言えば、そうだったわ。

 じゃあ、俺だったらもっと駄目じゃねえか」



 動く骨の【スケルトン】は隙間だらけで攻撃が当てにくい上


 骨って言うのは、意外と硬いから弾かれる事もよくある。


 【ゾンビ】は腐った死体で、動きは鈍重だから


 攻撃自体は当てやすい・・・だけど切っても手ごたえが無い。


 それに、体が石の癖に、空まで飛ぶ【ガーゴイル】に


 石だったり、木だったり、土だったりする【ゴーレム】に


 消化液や毒素の塊みたいな【スライム】なんかもそう。


 全部、【核】を壊さなければ死なないモンスターばかりだ。


 鈍器なら、内部の【核】ごと叩き潰す事もできるだろうし


 手足を破壊すれば、一時的にでも動けなくする事は可能だしね。



『あー、そこは安心しときー。

 クエストに行く前に、キミらの使いやすい手頃な武器とか

 必要なアイテムは用意しとくわー。

 Dランク推奨の方はともかく、Cランク推奨の方は

 油断するとあっさり死ぬからなー』


「「「(う、うーん・・・)」」」


「あ、あの、アルさん?

 この町には{洞窟ダンジョン}の他にも

 ダンジョンがあるんですか? うおっ」


『お? えー質問やな、サバミソ。

 【タンゴの町】の周辺には、4箇所のダンジョンがあってな。

 内2つは、CランクとDランク推奨{洞窟ダンジョン}や。

 で、残りの2つはEランク推奨の{森ダンジョン}と

 Dランク推奨の{大樹ダンジョン}があるんやわ』


「へえ・・・、{森}に{大樹}ですか。

 アルファさん、推奨ランクの違いって

 何が理由なんですか? モンスターの強さとかですか?」


「まー、それもありますけど。

 そもそも{洞窟}の場合は

 他と比べても別格なのですよ、モブ子ちゃん」


「別格?」


「ええ、{洞窟}の厄介な特徴を軽く挙げるとですね。

 まず、真っ暗で通路が狭いんですよ。

 ランタンとかの灯りが必須になって手も塞がります」


「ま、まあ、それだけでもかなり厄介ですね」


「で、次ですが。

 さっきも言ってた通り、モンスターの種類です。

 【核】を壊さない限り死なない敵ばっかり出てきます」


「う・・・、それはかなり面倒臭いですね」


「そして、最後になりますが。

 中で、水はともかく、食料が調達できないんですよね

 場合によっては、水も無理な場合があります」



 ・・・そう。


 暗くて狭いや、モンスター云々もあるけど


 僕らが挑んだ時も、一番難儀したのがそれ。


 まあ、罠とかの問題もあったんだけど・・・。



「え? そうなんですか?

 洞窟って言うと、湧き水ぐらいなら

 ありそうなイメージがあるんですけど・・・」


『わははは、モブ子ちゃんー。

 それはな? 自然の洞窟のイメージなんやわ。

 まー、行ってみたら分かるけど。

 ダンジョンの{洞窟}ってのはなー

 {墳墓}とか{地下遺跡}みたいな感じやねん』


「・・・・・・あーーー、何となく想像できました。

 確かに、水も食料も無理っぽいですよね」


『せやろ?

 まー、探したら、食えるキノコとか食える苔とか

 全くないこともないんやけどな。

 特に美味くもないし、腹の足しにもならんしなー』


「そ、そういえば、おでの故郷で

 た、食べれる苔なら、高山にあったけど

 薬の材料で、食材ではなかったんだな」


「そうですね、ロバートさんが言われた様に

 苔やキノコは薬の材料にもなりまして

 今回、採取目的の一つになっています」


「な、なるほど・・・」


「まー、そんな感じで。

 {洞窟ダンジョン}って言うのは

 他と比べると冒険者に人気が無いんですよね。

 特にこの町・・・と言うか

 この国全体で・・・でしょうかね?」


「? ミケニャンさん、どう言うことです?」


「それはアレだよ、マイク。

 洞窟で取れる素材って

 この国ではあんまり必要とされてないからだよ」



 えっ!? ケベックには分かるのか!?


 必要とされてない???



「あーーー、そうかも。

 鉄ならともかく。

 取れるのが、特殊な鉱石や特殊な薬の材料ばっかりじゃ

 この国では欲しがる人が少ないだろーなー」



 ヤンキまで!?


 ・・・って、そうか、確かにそれなら分かるかな。


 この町には港があるけど


 この国って、基本的には田舎の農業国家だもんな。


 工業とか開発とかって言葉とはかなり無縁だもんな。


 薬も、薬草頼みだし、それ以上は神官頼みだし。


 ・・・それにしても、凄く今更だけど


 ダンジョンって何なんだろうな。


 人工物・・・なんだよな?


 {ダンジョンの主}ってのが居るって、聞いた事あるし。



「・・・・・・?

 ところで、アルさん。

 同じ{洞窟ダンジョン}で、どうして推奨のランクに

 違いがあるんですか? うおっ」


『ん? それはやなー。

 ・・・とゆーか、サバミソの場合。

 多分、ダンジョンがそもそも何かって所から

 話した方がええやろな。

 丁度ええ機会やし、そっから説明しとこうかー』



 おおっ!?


 ナイス質問だよ! サバミソ君!!


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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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