表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
14/401

14 冒険者Aさんとギルドマスターの依頼

あらすじ:じーさんキラーのヒゲボクっ子ロリドワーフ(35)略してロリーフ


視点:冒険者ギルド 職員 ノーヴェさん

『』:アルファさん


『おはよーさんや! ノーヴェくん』



 おや? アルファさんじゃないですか。


 いつもは混雑を避ける為


 朝は早めにギルドに来られるのに


 今朝は一番混んでいるこの時間なのですね。


 これは珍しい。



「おはようございます。

 アルファさんにミケニャンさん。

 今朝は遅めなのですね?」


「むっふっふ!!

 昨晩はご主人様とお楽しみでしたので・・・!

 ついつい遅くなってしまったのですよ」


「おやおや、それは羨ましいですね。

 よろしければ、僕も今度ご相伴に預かりたいものです」



 なるほどなるほど・・・。


 きっと、アルファさんの・・・


 フフフ・・を、フフフして


 一晩中フフフフフだったんでしょうね。


 ンフッ・・・実にミケニャンさんが羨ましいですね。



『昨日はええ素材が手に入ったしな~。

 派手に飲み食いしとったら

 あっちゅう間に夜も更けとったわ。

 まあ、残ってる素材で作る予定のがあるから

 今度キミらにもおすそ分け持ってくるわ~』


「ふふっ、楽しみにしておきますね。

 ところで、本日はクエストの受注ですか?

 依頼書を張り出してる掲示板前は

 ご覧の通りの混雑ぶりとなっておりますが」


『おーーーー。

 今日はまた、なかなかの混雑っぷりやな。

 朝と夕方に窓口の手が足らへんって事で

 ノーヴェくんが窓口を手伝わされるのも納得やな』


「ええ、そうなんですよ。

 僕は、基本的に中で書類仕事か外へお使いですし。

 なかなかアルファさんとお会いできないので

 僕としましては、寂しい限りですよ」


『わはは、確かに残念やな~。

 ・・・あ、そういや。

 明日から窓口増設するんやったっけ?

 何か、昨日クエストの報告と納品に来た時

 小耳に挟んだんやけどな』


「あ、それはですね。

 窓口の増設と言いますか、部署分け・・・でしょうか?

 アルファさんもご存知の通り

 クエストの受注と報告から納品、依頼の受付なども

 全ての窓口で行ってましたけど。

 最近、この町も新規冒険者の方が増えてきて

 窓口の混雑が多くなりましたので・・・。

 依頼やクエストの受注は受注用の窓口。

 クエストの報告や納品は報告用の窓口。

 といった形に、内容ごとに窓口を分ける予定ですね。

 僕はまだ聞いてませんが、現在3つある窓口を

 4つか5つぐらいに増やす話も出てましたので

 アルファさんの仰るとおり

 窓口の数自体も増える事になると思いますよ」


「前々から効率悪い事してるなーと、思ってましたけど

 ようやく~といった感じですか?」


「ええ、まあ。

 前々から、リマ先輩やエコー先輩は

 ギルドマスターへ何度も何度も

 陳情してはいたのですが・・・。

 大幅な変更が必要という事は、目に見えてましたし。

 あの重い腰がさらに重くなっていたんですよ」


『あーーーーーー。

 ブラボーのじーさんなーーーー。

 そんなんとか、特に面倒臭がるやろからな~』


「自分の食欲の為にはすごい勤勉なんですけどねー。

 あのア・・ゲフンゲフンさんは・・・。

 昨晩なんか、今まで見た事無いぐらいに

 必死に走ってきましたし?」



 ええ、大量の処理待ちの書類を放り出してですね。


 アレのせいで僕達がどれほど困ったか・・・。



「はあ・・・困った方ですよね、本当に。

 僕達もどうにか出来ればとは思うんですが。

 どうにもこうにも・・・」


『わはは、キミらも大変やな~』


「いえ、まあ・・・。

 僕自体はもう{そういうもの}として

 諦めて受け入れてしまってますし。

 それでですね、アルファさん達もご存知の

 一昨日の件がありまして」


「・・・あーーーー、ありましたねえ。

 ミケ的には{また、いつもの事ですか}ぐらいにしか

 感じてませんでしたけど

 やっぱりアレは問題になってたんですね」


「はい。

 さすがに、普段は温厚なリマ先輩も

 珍しく雷を落としましてね。

 ギルドマスターも僕達も震え上がったほどですよ」


「ほほう、あのメガネさんもたまにはやりますね」


『メガネさんて・・・』


「ま、まあ・・・。

 それで、丁度良いタイミングと言う事で

 急遽部署分けが決定しまして。

 明日から実験的に行う予定ですので

 こちらも、その準備に追われてる感じですね」



 リマ先輩が本気で怒ると、本当に怖いんですよね。

 

 あのメガネの奥で光る{絶対零度の眼光}と


 腹の芯まで響いてくるような{超重力の怒声}。


 アレを体験したら、部屋の隅でガタガタ震えて


 首を縦に振るぐらいしか出来なくなりますよね。



「それでですね。

 今までは臨時でしか窓口を手伝っていませんでしたが

 僕も本格的に窓口を担当する事になりましたよ。

 予定では、午前中はクエストの受付窓口。

 お昼以降は納品と達成報酬の受け渡し窓口です。

 担当窓口に関しては、まだ本決まりではありませんけど

 明日からもよろしくお願いしますね」


『りょーかいや~

 ま、こっちもよろしくってやつやな』


「ところで、アルファさん。

 今日はクエストの受付はどうされますか?」


『あーそれがやな、今日は既に決まってるってゆーか。

 昨晩、ブラボーのじーさんから直接依頼受けててな。

 {Cランク推奨}で【東の海岸】からちょい北の辺り?

 その辺での{モンスターの調査依頼}のはずなんやけど

 あのじーさん、ちゃんと依頼書に起こしとるんか怪しいな』


「そうですねー。

 昨晩の浮かれっぷりを見てると

 依頼書作るの忘れてまだ寝こけてるとか・・・」


『そこんとこ、どうなん? ノーヴェくん。

 クエストの依頼書ありそ?』


「ええと・・・、少しお待ちくださいね」


『あいよ~。

 その間ギルドの広報誌でも読んどくわ。

 今月のはまだ読んどらんしな』


「あ、ご主人様。

 【月刊 狩りのススメ】読まれるのでしたら

 その横に置いてる雑誌を一緒に取って頂けますか?

 ミケは、その女性向け雑誌。

 【週刊 夜のオ・ト・モ】を読ませてもらおうかと!」


『ほい、コレやな?

 しっかし、ミケもそういうの好きやな~』



 さすがミケニャンさん、どんな時でもブレませんね。


 女性に人気の雑誌【週刊 夜のオ・ト・モ】。

 

 ・・・僕もよく読んでますよ。


 それにしても、【狩のススメ】は【冒険者ギルド】発行で


 内容も充実してる広報誌なのですが、月刊誌なのですよね。


 ですが、【夜のオ・ト・モ】は有志によって発行されていて


 内容も女性向けのファッションや性的なものばかり。

 

 なのに、こちらの方が人気があって、発行部数も多く。


 週刊誌になっている、というのも皮肉な話ですね。


 まあ、女性の方々は、噂話や占い、ファッションだけではなく

 

 実は夜のアレコレのお話も大好きですしね。


 でも、僕のお勧め記事といえば、やっぱりアレですよね。


 男性が男性のフフフをフフフで・・・。


 おっと、いけないいけない。


 早くギルドマスターに聞きに行かないといけませんね。



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「(ペラ、ペラ・・)ほう!?

 なるほど・・・・・・、これはこれは!

 ふむー・・・(ペラリ)なかなか参考になりますわね。

 ミケも今度試してみましょうか!」


『えっ、何を?』


「申し訳ありません、長い事お待たせしまして。

 少し内部でトラブルがあったもので・・・。

 結局、ギルドマスターを探して聞くよりも

 明日の準備をされてるリマ先輩に聞いた方が

 早いと思いまして・・・。」


『せやろな』


「でしょうね」


「はい、実際早かったです。

 あっさりと教えてもらえました」


『ところでミケ。

 試すって何の・・・?』


「それよりもノーヴェさん。

 クエストの依頼書はどうだったのですか?」


『いや、一体何の記事・・・』


「ええ、こちらに。

 ちゃんとお持ちしましたよ」



 これはこれは・・・何かミケニャンさん好みの


 面白い記事でも見つけたんでしょうか・・・?


 これは、ぜひとも後でお聞きしないと。



「どれどれ・・・へえ!?

 あのブラボー氏にしては

 珍しく綺麗な書式で簡潔に作成されてますね」


「いえ、結局ギルドマスターはその・・・。

 言い難いのですが寝こけてましたので

 リマ先輩がさくっと作成してくれたんです」


「・・・でしょうね。

 まあ、判ってて言ってみたんですけど」



 ・・・ええ、アレは見事な重い一撃でした。


 僕としてはその前の光景の方が怖かったですけど。



『よっしゃ、じゃあ時間も時間やし。

 準備はしてきとるから、さくっと行こか』


「あ、すみません・・・お伝えするのを忘れてましたが。

 先程お伝えした部署分けの関係で、本日の業務終了後

 ギルド会館内の大幅な模様替えを行いますので

 夕方は早めに報告の受付を締め切る予定なんです。

 中への立ち入りもできなくなってしまいますから

 あまり遅くならないように注意して下さいね」


『りょーかいや。

 んじゃ、行ってくるなー』


(すたすたすたすた)


「ご主人様、置いていかないで下さいよ~。

 あ、そうそう、メガネさんにお伝えくださいますか。

 {重くてひねりのよく効いた良い一撃をお持ちですね}と。

 ・・・それと、ついでにですね。

 {現役復帰も良いんじゃありませんか?}とね!!」


「えっ!? あ、はい。

 リマ先輩に伝えておきますね」


「ご主人様~~!?

 ご主人様の大事な大事なミケをお忘れですよ~~!!

 ちょ、ちょっと、お待ちくださいよ~~~!!」


(びゅわっ、だだだだだだだだ!!!!)



 ・・・いやあ・・・アレ、聞こえてたんですね。


 ミケニャンさんも色々とすごい方ですね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ