表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
139/401

139 冒険者Aさんと苦情 ②

あらすじ:おやっさんは数少ないツッコミ側なのです。


視点:コンビ農園 野菜直売所の看板娘 リースさん

『』:アルファさん


「ずるい!」


「そうですよ! ずるいです!!」


「そうだ、そうだー!!」


(ザワザワ、ザワザワ)


「・・・・・・えー? 今度は何ですのー?」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「・・・・・・えーーーっと。

 つまりは、市場の皆さんがお祝いをして下さると?」


「その通り!」


「当然じゃないか! ミケちゃん!」


「俺達にお祝いさせろーー!」


「そうだそうだ!!」


(ワイワイ、ワイワイ)



 昨日、兄貴達が帰ってくるの遅かったから


 何かと思って聞いてみたら・・・びっくりよ!!?


 例え、突発的に発生したお祝い事だったとしても


 私達も参加したかったし、お祝いしてあげたかった!!


 あと、できればアルファさんにお酌してあげたかった!!


 そうすれば、もっとお近づきに!!!!!!


 あ、あ、あ!! あわよくば!!!!!!!!!?


 ・・・・・・お、おほん。


 まあ、知らせなかった兄貴達は


 後で{物理的にお話}するとして


 今はそれよりも、お祝いさせて貰わないと!!


 私達、市場の人間が、どれだけアルファさんに感謝してるか!!

 

 特に私の家なんて、農場に牧場に、屋台の跡継ぎ問題にと


 お世話になりっぱなしなんだから


 機会があるなら、少しでも恩返ししたいわよ!!



「(ぼそっ)小娘が・・・心の中の願望が表に出てますわよ?」


「(ぼそっ)ぷっ、狸さんってば、お年寄りだから

 ボケて幻覚でも見てるんじゃないですか~~?」


「「・・・・・・(ごごごごごごご)」」


「ひえっ!?」


「り、リースちゃん? ミケちゃん?」


(ぽんぽんっ、なでなでなで)


『ほれほれ、2人共、どうしたんや~?

 仲良うせんとアカンで~? な?』


「「はいっ!(きらきらきら)」」


「(ほっ)そ、そうよ、仲良くね? 仲良く」


「(ほっ)さ、さすがアルファさんだべ」



 んんんんんん!!!!!


 アルファさんに頭ナデナデされてるっ!!!?


 こっ、この余裕と包容力に溢れた大人の対応っ!!!


 これこそが、オジサマの渋い魅力っ!!


 はぁはぁ・・・圧倒的、圧倒的すぎるっ!!?


 アルファさんの前では、そこらの同年代の男なんて


 何の魅力も感じない鼻垂れのガキみたいなものよね!?



「・・・ま、まあ、そういう事ですので、アルファさん?

 私達、市場の関係者側が主催で

 お祝いの宴をさせて欲しいんですけど

 駄目ですか?(きゅるーん)」


『ほーーー。

 それはありがたいけど、ええんか?』


「? はい、もちろんですよ!(にぱー)」


『・・・いやな?

 朝にエッちゃん来て、宴会を催促されたんで

 宴会2日目は確定しとったから

 丁度ええっちゃ、丁度ええんやけど。

 ホンマに大丈夫か?

 エッちゃん、仕事明けやから、多分めっさ食うで?』


(ザワッ)


「(ひきっ)そ、そんなにですか!?」


「(ひきっ)ほ、ほう、あのヒゲっ娘が催促に・・・」


「(ひきっ)だ、大丈夫よ、きっと!」



 ただでさえ、あの底無しの胃袋を持つエッセンちゃんが


 さらに腹ペコ状態・・・どうなっちゃうの!?


 で、でも、それだけなら、何とかなる・・・かな?


 ・・・それにしても、あの小さい体に


 どうやって、アレだけの量が入ってるんだろ・・・。


 毎回、不思議でしょうがないんだけど!?



「・・・ちなみに、市場主催でやるなら

 当然、町長代理(フォウさん)の耳にも入るでしょうから

 あの人も絶対来ますわよ?

 昨晩は、呼ばなくてもいつの間にか居ましたし」


(ザワザワッ)


「(ひききっ)!? た、確かに・・・」


「(ひききっ)広場や大部屋を借りるにしても

 きょ、許可は取らないと駄目でしょうし」


「(ひききっ)だ、大丈夫!

 すでに、父さんと母さんにも話はしてあるし

 【コンビ農園】は全面協力するから!

 大丈夫! ・・・多分!」


「(ひききっ)わ、ワシの方も、港で声かければ

 魚関係はなんとか・・・多分!」


「(ひききっ)う、うん、それなら!!」



 そっ、そう言えば!


 昨晩、フォウさんがいつの間にか参加してて


 恐ろしい勢いで料理を平らげまくった挙句


 町長さん達が帰るまで食い続けてたって


 ツー兄から聞いたわね。


 ワン兄が遅くに半泣きで帰ってきたし。


 ・・・・・・フォウさん。


 この町に移住して、町長の仕事を継いだ当初は


 フォックスさんに小言を言われながらも


 バリバリ仕事こなしてる{知的美人}って感じだったから


 私と同世代の子達の間でも、憧れてる娘って未だに多い。


 でも、僅か1年ぐらいの間に、市場や料理屋関係者の間だと


 {食欲絡むとポンコツ化する残念美人}って認識が


 すっかり定着しちゃったのよね。


 ・・・うーん、残念だけど当然・・・かなぁ?


 今ではこの町の{腹ペコ3トップ}の1人扱い。


 ま、まあでも・・・、2人だけなら!


 2人だけなら、何とかなるんじゃないかな!?


 3人目は、この間から王都へ出かけてるって聞いたし。



「(にやっ)あっ、そう言えば、昨晩で思い出しましたけど

 ご隠居様ご一行のお嬢様(ユミネさん)

 昨日戻ってきてて、宴会に参加してましたわよ?」


(シーーーーーン)


「(ひきききっ)な、なん・・・と!?」


「(ひきききっ)ま、まあ・・・あの子は、グルメ寄りだし

 遠慮を・・・加減はしてくれる・・・はず?」


「(ひきききっ)だ、だが、昼食とかと違って、宴会じゃぞ?」


「(ひきききっ)も、持つのか!? 我々の食材と予算っ!」



 帰ってたの!? しかも昨晩も居たとか!!


 何で教えてくれないのよあのクソ兄貴達!!!


 で、でもそうよね、果物屋のおじさんが言った通り


 あの、最近妙に【おナス小町】を自称する様になったお嬢様は


 後の2人に比べたら、量より質っぽくて


 空気読んで自重してくれる事も多いし、だ、大丈夫よね!?


 ・・・まあ、自重しても3・4人前は軽くペロリ。


 私、あの人の本気って、まだ見た事無いのよね。


 ある意味、一番底が知れない分、逆に怖いんですけどっ!?



(ザワザワザワザワザワザワ)


「・・・あの3人の、市場の方達からのこの評価。

 モンスターより恐れられてるんじゃないですか?」


『わははは! ホンマそれな~。

 (ぱんぱん)まーまー! 皆聞いてくれるかー?』


(ピタッ)


「えっと、何でしょうか、アルファさん?」


『俺らを持て成してくれるっちゅー、皆の気持ちは嬉しい。

 だけど、幸せのおすそ分けって事で

 俺も皆に振る舞いはしたいんや。

 だから、ここは共催って事にせーへんか?』


「共催っ?」


『せやせや。

 俺も色々食材は溜め込んどるから、量は何とかなるやろし。

 エッちゃんからも、【ドラゴン肉】催促されとるしな。

 ・・・ちなみに、なんやけど。

 昨晩は広場に来とる店の人らに力借りても

 料理の供給速度はギリギリやったわ。

 今回、もっと参加者増えるんやろ?

 それやったら、絶対に調理が間に合わんし

 そこら辺の手配は、こっちでしようと思うんやけど』


(ザワザワザワザワザワ)


「た、確かに」


「そう言えば、調理に関しては考えてなかったのう」


「俺は嫁さんや子供連れて行くつもりだったけど。

 他のやつらも多分そうだろうから、人数かなり多いよな?」


「あら、うちもそうだわ。

 旦那と息子連れてきて、宴会の手伝いさせようかなって」


「・・・ああ、そうか。

 料理の下ごしらえで、捌いたりとかは

 魚屋や肉屋でも手伝えるだろうけど

 そもそも宴会向けの料理作れる人が必要なんだよな。

 当然、調理する場所も、人数分の調理器具も必要だし」



 あちゃー・・・情け無ーーーい!!!!


 私達、完全に想いだけで先走っちゃってたのね。


 お祝いに自分の所の食材持ち込む事ばっかり考えてて


 それを調理してくれる人とか、器具とか調理場所とか


 ほとんど、何も考えて無かったもの・・・。


 せいぜい、身内に手伝わせれば何とかなるだろう程度?


 ・・・ううう、またアルファさんに気を使わせちゃった。


 でも、実際、アルファさんの提案が無く


 私達だけで主催だったら危なかったわよね。


 場所は屋台広場でいいだろって感じに


 各々が材料だけ大量に持ち寄るくせに


 それで何の料理を作るかも決まってない上


 料理できる人も、調理器具も限られてる状態で


 ただただ、無駄に右往左往して、喧嘩になるっていう


 ぐだぐだな結果になるのが、簡単に予想できちゃうもの。


 本当、オジサマって気遣いの人っ!!


 素適っ! 抱いてっ!!!



「ふぁ~~!? ミケは絶対に認めすぇ~~ん!!

 寝言は心の中だけにしとけですぅ~~~!!!」


「ふぬっ!? ぐぬぬぬぬぬぬ!!!!」


『キミら、ホンマ仲ええな~(にこにこ)』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ