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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
138/401

138 冒険者Aさんと苦情 ①

あらすじ:ミケニャンさんは、実は途中までマジ寝してたので

     話は聞いてなかったけど、その場のノリで答えたようです。


視点:タンゴの町 馬車工房 トウタロウさん

『』:アルファさん


「ずるい!」


「いきなりですね、このワンコは」



 ・・・あー、やっぱりこうなっちまったか。


 この居候娘、夜中に調査のクエストから帰ってきやがったが


 朝食時にノースの嬢ちゃんが昨日の宴会の事を、話しちまったせいで


 突然、飯かっ込んだかと思ったら、走り出しやがったからなぁ。


 まっ、どうせここだと思って、馬で宿屋まで来たら案の定だ。


 やれやれ・・・、相変わらず面倒ばっかりかけやがるドワーフ娘だ。



(ぽっくぽっくぽっく、ぽくぽくぽく)


「ヒヒヒヒーーーン!」


「おう、朝っぱらからすまねぇな、アルファにポンポコ娘。

 俺も絶対こうなると思って、こいつには黙ってたんだが

 ゼークスんとこの娘っ子が、ついうっかり口を滑らせてなぁ」


『わははは。

 とりあえず、エッちゃんにおやっさん、おはようさんや』


「おう、おはようだ」


「おはよう! ずるいと思うなボク!」


「いや、ずるくはないでしょ別に。

 どっちにしろ、あなた居なかったんですし。」


「(つんつんつんつん)ブルルルルル!!」


『おー! タツマキ号もおはよーさん!

 今日も元気そうやなー。(ぽんぽんぽん)

 おっ、せやせや。

 キミにあげようと思ってた、ええニンジンあるんやわ。

 (ごそごそ)おっ、これやこれ。

 ほーれ、これはうまいぞー』


「ヒヒーン!(ごりんごりっごりっごりっ)

 ヒヒヒヒヒ~~~~ン!!」


『わはは、どーや? うまいやろー。

 (なでなでなで)また、今度手に入ったらやるからなー?』



 こいつ・・・、いっつもアルファが餌くれるからって


 すっかり懐いてやがるな。


 それにしても、こいつももう19才で結構な年のはずだが


 未だに、やけに元気なんだよなぁ。


 馬の年齢って、人間でいや、大まかに3才までが6倍で


 そっから先は、3倍の数を足すんだっけか?


 ・・・大体60手前ってとこだな。


 そう考えると、今では俺と大ぇして変わら無ぇのか。


 月日の経つのは早ぇもんだなぁ。


 ・・・その割には、肌も毛ヅヤも良いし


 筋肉も垂れねぇで、パンと張ってやがる。


 馬車引かせても、こいつが一番早いんだよなぁ?



「・・・えっ? あー! 【十里ニンジン】じゃないですか!?

 ご主人様、また希少なニンジンをー!?

 それって、{食べたら余裕で十里駆けられる}って評判の

 育てるのも入手も難しいニンジンですよね!?

 むしろ、それミケに下さいよ~~~!?」


「いや! むしろボクに!!!」


『やかましいわ。

 ほれ、ミケ。

 お前はそこの桶に{山の湧き水}汲んできたってくれるか?』


「えー!? なんでミケ・・・」


『(なでなで)ミケはご主人様想いの忠狸やから

 (なでなでなで)当然やってくれるよなー?』


「(ほんわーか)えへへへ、もちろんですよ~。

 タツマキ号ちゃん、ちょっと待ってるんですよ~!?

 いってきまーす!!(どどどどどどどど)」


「・・・ふっ、所詮はタヌキ! だね!

 ボクはあんなにちょろ・・・」


『おっ、そうやな!

 ところで、エッちゃん、(すっ)コレ食うか?』


「(ばっ!)えっ!!! くれるの!?

 やったー! ありがとう、心友!!(もっしゃもっしゃ)」


『わはは、ええんやでー!』



 へへ、俺でも知ってるんだぜ?


 若ぇやつらの間では、これを{チョロい}って言うんだよな?


 へっ、まったく、{チョロい}やつらだな。



「トウタロウさん、おはようございます。

 先程、良い茶葉で【ほうじ茶】を淹れたのですが

 よろしければ、こちらどうぞ(すっ)』


「お、おう、おはよう。

 じゃあ頂くとするわ、悪ぃな(ふーふー、ずずずずず)」


「いえいえ、熱いのでお気をつけて下さいね」


(チュンチュン、チュンチュン)


『(にこっ)今日も静かで平和な、ええ朝やなー』



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「要は宴会がしたいんですか?

 もしくは、単に【ドラゴン】を食べたいんですか?

 どっちなんですの?」


「そんなの、もちろん両方だよ!!!」


「何が勿論なのか、分かりませんけど、分かりましたわ」



 分かったのかよ。


 まあ確かに、あのドワーフ娘はいつもの事だけどよぅ。



「やったー!!!」


「いえ、別にやるとは言ってないんですけど」


「そんなー!? (´;д;`)」



 泣くほどなのか?


 って言うか、お前ぇは何でいけると思ったんだよ。


 ったく、仕方の無ぇやつだな。



「ほれ、いつまでも意地汚くして無ぇで、帰ぇるぞ」


「(つんつん)ブルルルル」


「ほら、タツマキ号ちゃんもそう言ってますわ。

 いいから、はよ帰れ」


『わははは。

 まーまー、皆、そう言ったるなって~~。

 別に何日やってもええやんか。

 頭はもう無いけど、他の部位の肉はあるからな。

 今晩もまた宴会したってええやん?

 ただ、料理の趣向は変えるけどなー』


「(ぴくっ!)やったー!!!

 さすが心友! さすがだよ!!!

 (ばっ!)ばんざーい! (ばっ!)ばんざーい!」


「(ぽっくぽっく)ヒヒヒヒ~~~ン!(ぽっくぽっく)」


「おいおい、大丈夫なのか? アルファよう。

 って言うか、タツマキ号、おめぇも参加する気満々なのか」



 良いのかよ!?


 相変わらず、アルファのやつは身内に甘ぇよな。


 ・・・まあ、俺もあんまり人の事は言え無ぇけどよ。



「まあまあ、トウタロウさん。

 お祝い事で、3日3晩どころか

 1週間も1ヶ月も宴会する地域や風習もある事ですし。

 せっかくですので、タツマキ号君も参加させてあげて下さいよ。

 お野菜でしたらご用意できますので」


『わはははは。

 そんじゃ、宴会2日目決定やな。

 さて、どんな料理にしたもんやろなー?』


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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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