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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
137/401

137 冒険者Aさんと師弟の会話 ②

あらすじ:やっぱり怒られました。


視点:師匠と語りたい ノブユキ・ムトウさん

『』:アルファさん


(ぐおおおおおおお、がおぉぉぉぉぉぉ)


「・・・お師様、もう寝てらっしゃいますか?」


『・・・ん~? なんや~、ユキ』


「今日はありがとうございました。

 とても嬉しかったです」


『まー・・・・・・。

 俺もそこは少し謝らんといかんよな。

 ・・・すまんな、ユキ。

 サクの事があんまり嬉しかったから

 そっちが建前になって、大々的にやってもーたけど。

 元々は、2人の歓迎会だけを内々でやるつもりでなー』


「いえ、私は理解してますので

 繰り返しになりますが、嬉しかったです。

 ・・・姉様と弟の件がありましたし

 母様のおかげで弟子にして頂いた様なものですので

 ずっと、ご迷惑ではないかと思ってたんです」



 お師様は・・・やっぱり懐の深い方です。


 本来なら、襲撃した側の関係者なんて、弟子どころか


 近くに置いておくのも腹立たしいでしょうに。


 父様はともかく、母様のお力添えで、側に置いて頂けて。


 弟子として、色々とご教示頂けるだけじゃなく


 家族として受け入れて貰えるなんて・・・。


 ずっと、心の中で願ってはいましたが


 正直、それが叶えられるとは思っていませんでした。



『・・・実はなー、マリちゃんがこっちへ来る前から

 連絡は貰っとってなー。

 弟子にする云々は、実際連れて来て貰って

 本人に会ってからやなーとは思っとったんや』


「あ・・・やはり、そうだったのですね。

 私も母様に同行を許可されたので

 そうなのかとは思い、張り切っていたのですが

 その分、逆に姉様達の暴走を招いてしまい

 あの時はもう、絶望で目の前が真っ暗になりました」

 

『わははは。

 そこは災難やったなー。

 まー、だからこそ、襲撃された時もピーンと来て

 あの2人とかを殺さん様に、ミケに加減はさせたし

 キヘエのポーズだけの謝罪も許したんやもんなー。

 マリちゃんの下準備とゆーか、手回しとゆーか

 そこら辺、さすがの手際やわ』



 ・・・そうなんですよね。


 今回の事もそうですが、見聞から推察するだけでも


 元を辿れば、父様の出世も、ムトウ家の繁栄も


 母様があったればこそなのですよね。


 父様も、謀士・策士として名が知られていますけど


 母様の内助の功があったればこそ・・・なんですよね。



(ぐおおおぉおぉお、むにゃむにゃ、たぬぬぬぬぬぬ)


『でもなー、ユキ。

 あの2人とキヘエ、忍達を許したんは

 マリちゃんの顔を立てたからやけど。

 ユキを弟子にしたんは、ユキを見て決めたからなんやで?』


「えっ?」


『まー、ユキやったら、俺の事は色々調べて知っとるやろ?

 俺は縁や恩は大事にする方やけど

 物事を決める時、それに左右されるかは別って事。

 結局は、気に入るかどうかの気分次第やねんなー。

 わはははは、ホンマ、厄介なタイプやろ?』


「いえいえ・・・勿論、存じていますし。

 だからこそ、私はお師様をお慕いしていますし

 尊敬もしてるのですよ? 本当ですよ?(ぽっ)」


(ふにゅうううう、んがっ!? ほひゅひゅひゅひゅ)


『わははは、それはありがたいこっちゃ』


「・・・ところで、お師様。

 モブコさんの親友のライムグラスさんでしたか?

 勧誘してらっしゃいましたよね?」


『せやなー。

 ん? ユキとしては反対か?

 わはは、嫉妬心メラメラやったり?』


「いえ、反対ではありませんし

 嫉妬する必要すら無いのですけど。

 お師様から、最初から弟子として

 勧誘したのは初めてなのでは?

 何か凄く惹かれるか勿体無いと思われた要素が

 あの子にはあるのかな・・・と思いまして」



 1人目のお弟子さんも保護された後


 お弟子さんになったと聞きましたし・・・。


 お師様自ら勧誘とかよほどの事だと思います。


 ・・・嫉妬なんてしてませんよ。


 ええ、してませんとも。


 ・・・・・・本当は少しだけ・・・少しだけですよ?



『あー・・・それなー・・・。

 実はモブ子ちゃんを紹介される前から

 あの子が働いとる【セイラーズバース】で

 たまーに飯食ってた時から気にはなっとってんなー』


「えっ? そうだったのですか?」


『せやでー。

 んで、最近、モブ子ちゃんから、ちょこちょこ話聞いてて

 {あー、あの子がそーやったんやなー}ってなー』


「なるほど、そうだったのですね。

 さすがお師様。

 さすがの先見の明、さすがのご慧眼ですぅ(うっとり)」


(ぐあああっぁああぁあ、あふんっ、ふぁ?)


「・・・ふにゅぅ?」



 あっ、これはいけないですね。


 あまり長く話しすぎましたか。


 ミケお姉様は、本当に寝ているのか


 寝た振りなのかはわかりませんけど


 このままでは、サクまで起きてしまいそうですね。



『(ひそひそ)おっと、アカンアカン。

 あんまし話しとったら、起こしてまうな。

 今日のとこは、もう寝よか、ユキ』


「(ひそひそ)はい、お話にお付き合いして頂いて

 ありがとうございました、お師様」


『(ひそひそ)おう、そんじゃまた明日や。

 おやすみ~~』


「(ひそひそ)おやすみなさい、お師様」


「(ひそひそ)おやすみなさい、ご主人様、ユキさん」



 ・・・あ、やはり寝た振りでしたか。


 さすがミケお姉様・・・あっ! これが本物の狸寝入り!?


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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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