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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
132/401

132 冒険者Aさんとじーさん to じーさん

あらすじ:回し焼きの最中に、オリーブオイルやピーナッツオイルを塗る手法もあります。


視点:タンゴの町 猟師&薬師 トロットさん

『』:アルファさん


(カロンッ、トクトクトク)


「(ごきゅごきゅごきゅ)ぷはぁあ~~~~!

 う~~~い! この酒は効くのう~~~~!!」


「まあな。

 だが、効くだけじゃなくて、香りも良いじゃろう?」


「おお! 確かにな!

 これは港の露店で買ったのか?」


(トクトクトクトク)


「(ごくごく)っくぁあ~~!

 ふぃい・・・いや、これはアルファの坊主に頼んだ奴じゃわ。

 【フソウ】でしか作ってないらしくての。

 わざわざ取り寄せてもらったんじゃ」


「ほう、ワシも今度頼んでみようかのう?」


「ん? お前も要るなら、一緒に頼んでおくぞ?

 これはお試しに取り寄せた奴じゃから

 どの道、今度まとめて頼むつもりじゃしなー」


「おお! ぜひ頼むわ!」


(トクトクトク)


「(ごっきゅごっきゅ)くっはぁ~~~。

 それにしても、あの坊主がなあ・・・。

 のう、トロットよ、覚えとるじゃろ?」


「あん? 何がじゃ」


「いやな?

 開拓時代にワシら、あやつに何回か会った事あったじゃろ?

 ほれ、あの無表情な坊主じゃわい」



 ・・・ん? 会った事あったか?


 開拓時代に・・・? うーむ、覚えておらんのう。


 そもそも、何で開拓時代に?



「ぬ? 本当にワシも会っとるのか?

 全く覚えておらんのじゃが・・・?」


(コトン、カロロン)


「ぬ?

 ・・・。

 ・・・・・・。

 ・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・あ、すまん。

 お前は会っとらんかったかも」


「なんじゃそりゃ!

 ・・・で? どこで会ったんじゃ?」


「おお、あれは大体30年ぐらい前じゃったわ」


「30年前じゃと? ・・・その頃だと・・・。

 丁度、村から町になった頃か?」


「そうじゃそうじゃ。

 あの頃、丁度、港を作る計画しとったが

 どう作ったもんか、困っとった時じゃわ」


「ああ、あの時か。

 その時にあやつに会ったのか?」



 ・・・そんな時に、どこで会うたんじゃ。


 当時、開拓村から発展して、住民も一気に増えた頃じゃし。


 だが、あやつはこの町出身じゃなかろ。


 その時の流民かなんかで会っているのかのう?


 ・・・・・・ん? まてよ?


 あやつ、そもそも【五十六商会】の者じゃよな。



「・・・ゼーロよう、1つ思い出したんじゃが。

 あの時、港が一気に計画から完成まで漕ぎつけたのって

 確か、ゴロウさんが来て、大判振る舞いしてくれたとか

 言っとらんかったか?」


「おお、覚えとったか。

 そうじゃ、その通りじゃ。

 あの時、丁度、お願いしとった工具と資材を届けに来てくれててな。

 それで、ワシらが頭を悩ませてるのを見たゴロウさんが

 色々と相談に乗ってくれた上に、頼んでいた物とは別に

 大量の資材やら何やらくれたのよ。

 利益もへったくれもない大盤振る舞いじゃったわ」


「ほう、そんな事があったんかい。

 ワシはその頃、畑やら牧場やら作る為に

 山の方の開拓で手一杯じゃったしなあ・・・。

 だが、なんでゴロウさんはそんな事してくれたんじゃ?

 あの人も一応、商売でやっておったんじゃろ?」


(カラン、トクトクトク)


「(ごっきゅごっきゅごっきゅ)ぷは~~かぁあ~~!!

 ・・・おう、確かにいつも利益は重視しとらんかったし

 多少なら、いつもありがたいで済んどったんじゃが

 さすがに量が莫大でなあ・・・。

 ワシもそこが不思議じゃったんで聞いてみたのよ」


「ほう? そしたら何じゃと?(すっ、じーーーー)

 ・・・む、空じゃぞ? ゼーロよ、もう無いのか?」


(ゴソゴソ、ドンッ!)


「それはもう無いから、こっちを飲んだらいいわい。

 こっちはこっちで美味いぞ?

 ・・・それでじゃな、ゴロウさんの答えがこうじゃった」


(キュポン、トクトクトク)


「(ごくごく)はふっ! おあっ!?

 かぁああ~~、こいつぁきついのう!?

 おお、何と言っとったんじゃ?」


「それが、ゴロウさんな、小躍りしながら

 {拾って養子にしたこの子が、初めて俺の事を父ちゃんと

 呼んでくれたんだ!}って言っとったんじゃよな。

 その記念に幸せのおすそ分けじゃとよ」


「は? ・・・ああ、なるほど。

 その時、アルファのやつも居ったんじゃな?」



 なるほどのう。


 そう言えば、当時。


 ゴロウさんが子供連れて来たとか何とか聞いた事あったわ。


 確か、その次の次ぐらいでゴロウさんは来れなくなったんじゃよな。


 まあ、あの人も、いくら頑丈で元気とは言っても年が年じゃったし。


 こんな辺鄙な所まで来るのは大変じゃったろう。


 あの人が居らんかったら、町どころか


 開拓の時点で、ワシら完全に詰んどったわい。


 ワシらにとっては、本当、恩人だったんじゃよなぁ。


 それにしても、あやつも養子にした子に父と呼ばれて・・・か。


 変な所で、妙に縁があるやつじゃな、あやつ。



「ふぁっふぁっふぁっ。

 同じ理由で大盤振る舞いとは

 血は争えんのう!!!」


「養子じゃから血は繋がっておらんぞ?」


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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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