129 冒険者Aさんと帰還
あらすじ:唐突に家族の絆が深まったので宴会が決定しました。
視点:護衛のお仕事頑張ってる ジン・クロガネさん
『』:アルファさん
あ”~~~~、もうちょいで町や~~。
は~~~、今回はしんどかったわ~~。
ご隠居様の用事で、王都の【キロの町】まで行ってきたんやけど
途中で山賊は出るわ、【オーク】の一団に襲われるわ・・・。
あんの豚ども、半端に連携する上、しつこくてホンマ面倒臭いわぁ。
おまけに、こんな時に限って
ここらじゃ滅多に見ぃへん、野良の【トロール】まで出よるし。
あいつ、力任せの攻撃しかしてこーへんから
強さ自体はたいしたことあれへんけど。
切っても切っても、切る側から再生しよる。
確かに【冒険者ギルド】で、パーティでも最低{Cランク推奨}
ソロやったら{Bランク推奨}に設定されとる訳やわー。
ワイ1人やったら、まあ、大した事あれへんのやけど
今回はご隠居様と馬車を護衛しながらやったからなあ。
あいつ、あったま悪い上に食欲に忠実やから
どんだけ切られようが邪魔されようが
しきりにお馬さんばっかり狙ってきよってからに・・・。
あ、お嬢、どないかしたんでっか?
え? まだ着かへんのかって?
こっちも可能な限り急いどりますんで
もうちょい待っとって下さいよ~~~。
「これこれ、ユミネよ。
ジン君も頑張ってくれておるのだ、困らせてはいかんぞ。
すまんな、ジン君。
戦闘だけじゃなく、馬車の御者まで任せてしまって」
はは・・・これも仕事の内。
こんくらい平気ですわ、ご隠居様。
・・・それにしても、結局【トロール】ぶっ倒すんに
【雷迅斬り】2発も使わされるとは思わんかったわ。
我ながら、必殺の一撃って自信はあったんやけどなー。
ちょい、自信なくすわー。
・・・え? お嬢またでっか?
せやから・・・。
(ぐぅううううううううう・・・・・)
あーーーー・・・・・・。
とりあえず、そっちの奥に置いとる布袋に保存食ありますんで
それで繋いどいてくれますか?
ワイも急ぐんは急ぎますけど、さすがに暗くなってきとるし
安全第一で急ぎますんで。
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よっしゃ! 町の灯りが見えてきたわ。
もうちょいやな!!
え? お嬢どないしたんでっか?
は? 美味い飯の気配がする?
へ? しかもアルファのにーさんが作っとる匂いがする?
えっ!? お、お嬢っ!!!?
馬車からそんな乗り出してどうす・・・。
(ばっ!! ずどどどどどどどどどどどどど!!!!)
馬車から飛び出して走って行ってもうた・・・。
・・・ってか、馬より早う走れるんやなお嬢。
あっ!? ご隠居様! お嬢やねんけど。
え? 大丈夫? あーなったら止める方が危険?
はあ、さいですか。
・・・色んな意味で規格外な子やなー。




