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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
124/401

124 冒険者Aさんと一部で人気の缶詰

あらすじ:万能の不思議植物、薬草で全て解決です。


視点:タンゴの町 馬車工房 トウタロウさん

『』:アルファさん


(ガショーン、ガラガラガラガラ)


『ほいっ(ガッ、シュパーーーン)』


「はいっ(ガッ、ひょいっ)」


(ガショーン、ガラガラガラガラ)


『ほいっ(ガッ、シュパーーーン)』


「はいっ(ガッ、ひょいっ)」


(ガショーン、ガラガラガラガラ)


「・・・相変わらずの手際してやがんなぁ」



 蓋をして【コモンスキル】の【閉封(ロック)】で封をする。


 そして、ポンポコ娘が持ち上げて馬車に積み込んでいく。


 言葉にすりゃ、簡単そうだけどなぁ。


 あの蓋の内側には、術式を刻んであるんだよなぁ。


 しかも{保冷}{防腐}{防臭}の3つも組み込んでやがる。


 俺も専門家じゃねえから、そこまで詳しくはねえけど


 3つも【付与術】重ねた代物の上に


 更に重ねてスキルで封をするってのが


 どんだけ変態的な・・・げふんげふん。


 あ~~~、いや、職人的な所業かぐらいは


 さすがに分かるってもんだぜ。



(ガショーン、ガラガラガラガラ)


「(じろっ)・・・まさかとは思いますけど

 今、ご主人様に対して不遜な考えを・・・」


「・・・何言ってやがんでぃ。

 てぇしたもんだと感心してたんじゃねえか」



 まったく・・・このポンポコ娘も油断ならねえなぁ。


 能力なのか、只の直感なのかは分かんねえけど


 たまに、見透かした様に心の中読んできやがる。


 ・・・にしても、相変わらずのバカ力してやがんなぁ。


 子供の背丈程もある、でっけえ【聖鉄缶】に


 あいつらが解体した残骸がたっぷり詰まってるんだぞ?


 重さで言ったら大人2人・・・3人分ぐらいあるよな。


 それを軽々と持ち上げて積み込んでやがる。


 しかも、こいつにとっては朝飯前だからなぁ・・・。


 へっ、さすがは【妖怪】を越えた【大妖怪】ってとこだな。


 アルファの坊主に懐いてなかったらと思うと、ぞっとするぜ。



「むっふ~~~ん! そうでしょうそうでしょう!

 ミケの凄さを改めて思い知りましたか!

 そして、ミケのご主人様への忠誠は天元突破!!

 いえ!? これこそまさに愛ですわ!!

 とりゃっ(ぽいっ)」


(ガショーン、ガラガラガラガラ)


「でもお前ぇ、最初の頃って

 いつも、坊主の寝首かこうとしてたよな?

 何度か脱走もしてやがったし。

 お前ぇらの喧嘩っていやぁ、町のちょっとした名物に・・・」


「は!? はあ~!? 何の事ですかあああ!?

 ミケにはちいっとも覚えがありませんねええ!!!?

 あなたの思い違いでやがりませんかねえ~~~!!!

 ・・・ふう、やれやれ~。(ぶんぶん)

 これだから趣味に生きてる隠居じじぃは困りますわ~~~」


「ばっきゃろう! だれが隠居じじぃだ!?

 俺はまだ、じじぃなんて呼ばれる程、老いちゃいねぇよ!」


「「ぐぬぬぬぬぬぬ!!!!」」


『ほれほれ、2人共そんくらいにしとき。

 ミケも遊んどらんと、さっさと終わらせんでー?』


「(くるぅり)もちろんですよ! ご主人様!!

 ミケに万事お任せ下さい!!」



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




「あ、アルさん。

 あの積み込んだ缶って商品なのかな?」


『おっ? ロバやんは商隊で働いとっただけに

 さすがに気になるみたいやなー』


「あ、私も気になります。

 あの缶の中身って、さっき剥ぎ取った残骸ですよね?

 そんなのが商品になるんですか?」



 ほう? 気にする奴が居たか。


 ・・・ま、普通は気になるわな。


 残骸とか普通は廃棄する物だしな。


 そんなもん、普通の商人は買い取ってくれねえし


 ギルドだって、引き取ってくれねえ。

 

 当たり前の話だよな、言っちまえばゴミだしな。



「それがですね、商品になるんですよ~。

 【マモッシグラ】って聞いた事ないですか?

 これが中々の人気商品なんですよ~?

 予約で入荷待ちができるぐらいに」


「う、うーん? うおっ」


「ま、【マモッシグラ】・・・ですか?

 私は聞いた事無いです」


「まも・・・ん・・・?

 アタシ、何かで聞いた事あるような?

 って言うか、どっかで、その名前見た事ある様な?」


「拙者は知らないでござる!!」


「せ、拙者もっ!!!」


「・・・まあ、あなた達、残念姉弟には期待してませんので」


「お、おでは少し聞いた事あるんだな。

 た、確か、【冒険者ギルド】に需要があった気がするんだな。

 後は、さ、サーカス団とかが欲しがってたような?」


「えっ、ギルド? そして、何故サーカス団?」


『おっ! すごいやんロバやん。

 正解やで、よー覚えとったなー。

 正式名称はな【魔物まっしぐら新鮮缶】ってゆーんやけど

 【マモッシグラ】はその省略した呼び方やな』


「ま、魔物・・・まっしぐら・・・でござるか?」


「ギルド? ギルド・・・・・・あっ!!!」


「えっ!? ライス知ってるの?」


「ほら! 覚えてない? モブコ。

 王都で、ギルド公認のアイテムショップ。

 {魔物の滋養補給に最適! 魔物寄せにも使えます!}って

 広告が貼ってあったじゃない。

 うん、アタシ完全に思い出したわ。

 あそこに、その大きい缶詰置いてたのも見たよ」


「えっ!? そ、そうだっけ?」


「そうだよ! それで、小袋に小分け販売もしてて。

 あれ? 本当に覚えてない?」


「・・・・・・あっ!?

 そうだ! そうだよ! 思い出したよ!

 それで、その1杯分がアタシ達のご飯より高いって

 皆で嘆いてたんだよ!」


「そうそう! あの時のアタシ達って

 今と比べ物にならないほど、ド貧乏だったから

 いつもおなか空かせてたわよねー! にひひひひ!」


「・・・な、何か切ない覚え方してますわね。

 まあ、その割りに悲壮感が感じられませんのは

 評価高いですけどねー」


「・・・・・・うん! やっぱり知らんでござる!

 ふーむ、【冒険者ギルド】で見たござるか。

 うんうん、ギルドならば【フソウ】に居た拙者達が

 知らなくても仕方ないでござるな!」


「・・・あ、姉上。

 拙者も今の話で思い出したでござるが。

 その商品、【行者組合】でも売ってるでござる。

 ・・・売ってますよね? 母上」


「ええ、そうよ~。

 ・・・でもね、シゲちゃん?

 {【行者組合】でも}じゃなくて、あっちが大元なのよ?

 そもそも、【聖鉄缶】も、缶に使用してる【付与術】も

 全部【フソウ】の技術なのよ~?」


「えっ!?」


「あははは! シゲちゃん! 精進が足りんでござるよ!」


「(ごごごごごごごご)あらあら、クニちゃん?

 何、人事みたいに笑ってるの~?

 あなたは色々足りなさ過ぎるわね~

 お母さん心配なので、帰ったらお勉強で~~~す」


「が、ガーーーン・・・でござる(がっくり)」



 ・・・俺はユキ君しか面識が無ぇけど。


 本当に、あの切れ者夫婦の娘・・・なんだよな?


 何がとは言わねえけど、あまりもお粗末・・・。


 ま、生まれがどうのよりも、育ちが大事って事だな。


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 ▽ 並行して連載中 ▽
↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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