122 冒険者Aさんと女性冒険者の宿事情
あらすじ:丼物のおつゆは、汁でベシャベシャよりも、とろみ付き派です。
視点:Dランク冒険者 ファイターLv3 モッブコットンさん
『』:アルファさん
・・・はあ・・・美味しかったなぁ。
うーん・・・それにしても。
ついこの間まで、あんなご馳走どころか
食費も宿代も削って、何とか装備の補修費を捻出してた
カツカツ生活だったのに・・・。
リマさんに薦められて、アルファさん達の訓練に
参加させてもらってからは状況が一変したんだよね。
マイクさん達やサバミソ君達とパーティを組める様になって
クエストも安定、冒険者活動は順調。
そのおかげで、食費を切り詰める程の節約も必要無くなったし
宿だって、酒場の木賃宿から、ライスちゃんと相部屋で
ギルド近くの【ビアー】に、やっと移る事ができたんだよね。
・・・前の所は、小銅貨10枚と値段は安かったけど
大部屋で毛布に包まって床にゴロ寝。
部屋には仕切りも無いし、当然、ご飯も無しの素泊まり。
この町は治安が良い方だけど、港の方はそうでもないんだよね。
そういう安宿って、周りでゴロ寝してる人達は
水夫だったり、低レベル冒険者だったり、商人の護衛だったり。
ぶっちゃけ、ガラの悪い人が多いんだよね。
特に、下の階は酒場だから酔っぱらいも多いし。
・・・まあ、私も貧乏だったから人の事言えないけどね。
栄養足りてなかったから、痩せて顔色悪くて、髪はボッサボサ。
似た様な感じにヨレヨレの古着着て、使い古した毛布に包まって。
あ、あはは・・・【冒険者】としてはともかく
女の子としては完全にアウトだったわよねー。
まあ、そんな感じだったから、一応は大丈夫だったんだけど
でも、ちょっとは身の危険は感じていたんだよね。
・・・たまにセクハラとかされてたし。
ギルド登録した時に、心配したリマさんが忠告してくれたから
それ信じて、メイン武器とか防具とか、数少ない貴重品は
【ビアー】で借りた{貸し倉庫}に預けてたのよね。
そんなの持ったまま泊まってたら、絶対に盗られてた。
実際、寝てる間に盗られてる人、何人も見たし・・・。
ちなみに、護身用のダガーだけは、肌身離さず持ってたわ。
それもリマさんの忠告通りだったんだけどね。
・・・・・・いや本当、忠告を信じて助かったわよね。
本当、リマさんに感謝よね、感謝。
あ! そうだ!!
毛皮が足りそうなら、外套とか手袋・・・は
さすがにサイズ分からないし、逆に邪魔になるかも?
うん、冬用のひざ掛けとかストールだったら
例え、重複しても問題ないよね!?
よし! 贈り物にしよう!!




