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辺境の冒険者Aさん  作者: ミの人
120/401

120 冒険者Aさんと仕上げ作業 ①

あらすじ:ギルド納品分は上限額があるので、そこそこの処理でOKなのです。


視点:ズールの鍛冶工房 工房長 ゼークスさん

『』:アルファさん


「ああ、丁度、仕上げ作業に入るところですね」


『おー? 何や、ゼークスくんも見に来たんやなー』


「ええ、ちょっと作業が一段落しましたんで

 休憩も兼ねて、ですけどね。

 皆さん、どんな感じなんです?

 うちの娘はちゃんとやれてますか?」


「何言ってんだよ、父ちゃん!

 アタイは家の仕事だって手伝ってるんだし

 ちゃんとやれてるに決まってるじゃん!」


「はは、まあそれならいいんだけどね?

 こんな経験は、滅多にできないし

 しっかり覚えるんだよ、ノース」


「もちろんだよ、父ちゃん!」



 ノースも工房の手伝いをするようになったけど


 既に加工された状態の素材でしか、触った事が無かったしね。


 {皮}が{革}に加工される前の過程を知る事ができて


 しかも、自分の手でそれを行わせてもらえるとか・・・


 本当、この機会を作ってくれたアルファさんには感謝だね。


 ・・・それにしても、広い場所で大人数で作業すると


 こんな感じになるんだなあ。


 うちの作業場は、それほど広くないし


 人数も3人だけの家族経営だしね。


 こういう光景って、何か壮観だなあ・・・。



『せやなー、みんな中々ええ感じやで。

 ノースちゃんも、獲物が大きいから

 剥ぐのに少し苦戦しとったけど

 それ以外は割とサクサク作業が進んどるし。

 ・・・まあ正直、意外とゆーか

 予想外やったのは、ライムグラスちゃんやな。

 あの子、手先器用やし、コツ掴むんも早いわ』



 ふむ・・・ああ、あの子かな・・・?


 あのアルファさんが素質を誉める程だし


 僕も少し様子を見させてもらおうかな・・・。



『そんじゃ、みんな準備でけたかー?』



▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽ ▽ ▽


▽ ▽ ▽




(シュッシュッシュッ)


『そうそう、そんな感じで

 こびりついた肉片とか、薄皮をひっぱってめくりながら

 ナイフ使って、皮の内側から、削ぎ取っていくんや。

 皮自体は傷つけんよーに、気ぃつけるんやでー?』


「(シュッシュッ)こ・・こんな感じですか? うおっ」


『おー! ええやんか、サバミソ、そんな感じやな。

 ちなみに、下手にナイフ入れたら皮を傷付けそうな場合は

 無理してまで剥がんでもええでー。

 ある程度やったら{革}に加工する時に取れるしな』


「削ぎ取ったものは、必ず缶の中に捨てるんですよ~?

 シートは敷いてますけど、完全じゃないですし。

 その辺に落とすと、害獣が寄ってきたり

 害虫が湧いたりしますしねー」



 さすが、ミケニャンさんは分かってますね。


 今は、作業が終わるまで違う場所に移動させているけど


 トウタロウさんの所は、馬も居るから


 害獣も害虫も増えてもらっては困るんですよね。



「お師様、このぐらいで大丈夫でしょうか?」


『おっ? さすがに早いな、ユキ。

 たいしたもんやわー・・・・・・ん?

 顔に血が跳ねとんぞ?』


「えっ!?」


『あー、アカンアカン。

 こすったら広がるし、服に付いたら取れへんしな。

 ちょい待てよー・・・(ごそごそ)

 ほれ(ふきふきふき)これで取れたわ』


「(かああああ)あ、は、はい!

 有難うございます! お師様!!(きらきらきら)」


「(ばっ!!)ちょっと、そこっ!!!!

 何、ミケを差し置いてイチャついてるんですかっ!?

 ミケも混ぜてください!!」


「(ごごごごご)アニウエアニウエアニウエ・・・」

「(ぎりぎりぎりぃっ)ユキチャンユキチャン・・・」


「えっと、ミケニャンさーん、こんな感じで良いかい?」


「は、早いね!? ライス。

 私、もう少しかかりそう・・・」


「よ、よしっ! アタイもできたー!

 ・・・むむっ、また、ツンツン緑の姉ちゃんに負けた!!

 やるね! ツンツン緑の姉ちゃん!!

 おーい! おっちゃーん! 耳のねーちゃーん!!

 次どうするのーーー!?」


「・・・つ、ツンツン緑っ!?(がーーーーん)

 いや、まあ、確かにそうなんだけど・・・。

 間違っては無いんだけども・・・」


『よっしゃ、終わったもんには、これ渡してくから

 たっぷりと全体に塗り込んでってくれるか~?

 おかわりは幾らでもあるからなー』


「わかったよ、おっちゃん!

 ん? これ?(くんくん)

 ペロッ、これはっ!!? ・・・・・・塩だね」


「ええ、塩ですわよ?」


『そこに、血抜きで使った棒があるから

 塗り込み終わったら、内側を中にして、棒に引っ掛けるんやでー。

 そうやって1時間ぐらい吊るすから

 その間に、休憩とって昼飯でも食おうかー!

 昼飯作るのはまかせろー!!(しゃきーん)』



 そうなんだよね、剥ぎたての毛皮が重いのは水分のせい。

 

 見た目には分かりにくいけど、すごい水分含んでるからね。


 そうやって塩を塗り込んで、まず水分を抜かないと駄目なんだ。


 さすが、アルファさんは手馴れてるなあ。


 ・・・それにしても、アルファさんがお昼用意するんだ?


 お願いしたら、僕らも一緒に食べさせてもらえないかな?


 (ごくりっ)・・・・・・ちょっと、頼んでみよう!?


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↓ こっちも開始しました・・・開始しちゃいました。
猟団の団長Bさん
こっちはチートや変態成分高めの傭兵稼業です。



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